放射性廃棄物 ~終わらない悪夢~

放射性廃棄物 ~終わらない悪夢~

作品情報

製作国 フランス共同TV局アルテ社

新着感想・ネタバレ

kenigonの感想・評価
この映画を観るまで僕は原発に対する姿勢を決めかねていた。自然エネルギーへのシフトは絶対に必要だし、できることなら原発に頼らない世の中をつくるべきだ。だがしかし現時点で決定的なエネルギー代替手段がない。代替手段がない以上は大きなエネルギー源としての原子力はやはりどうしても必要なのではないだろうか。そう思っていた。しかし、この映画で原子力発電が原料の採掘・加工から輸送・燃料精製・発電・使用済み燃料の処理・再処理・保管・再利用あるいは長期貯蔵という膨大かつ煩雑なプロセスを内包していること、そのプロセスのなかで日本のみならずアメリカ、旧ソ連、ドイツ、イギリス、フランス、世界中で放射性燃料や廃棄物の扱いに苦慮し、その配慮には抜けがあることを知り震撼した。また燃料再処理の効率の悪さにも呆れた。実際のところ使用済み核燃料は再処理してもほとんど再び燃料として使用するには向いていないのだ。そしてその放射性廃棄物の扱いについては明確な安全な方法論が確立してなどいないのだ。世界中で現在も放射性廃棄物や放射性物質の含まれた排煙、排水が垂れ流されつづけている。また放射性物質の放出基準値は広島・長崎の原爆の被害を元に策定されたものであり、長期間にわたって放出される場合には本来別の基準値が必要なことが指摘されている。原子力エネルギーはもはや人類の手に収まらないほど膨大化したものとして暴走している。現状では制御技術の確立など夢の又夢。一刻もはやく新たな原発開発を止め、その技術を廃炉のための技術構築や離散し続ける放射性廃棄物の保管のため技術会開発に注力させるべきだろう。
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