空谷蘭

空谷蘭

作品情報

原題 空谷蘭
日本劇場公開日 1966年4月21日
製作国 香港

監督・スタッフ・キャスト

新着感想・ネタバレ

changpianの感想・評価
 台湾製DVDで鑑賞。1966年の香港映画。キャセイ(國泰)。監督は文芸ものを得意とした易文。DVDパッケージには「黄梅調系列」と記されているが、これは当時香港映画界を席巻した黄梅調映画(伝統演劇・黄梅戲の影響を受けたミュージカル映画)ではない。歌は三曲歌われるのみである。
 さて、『空谷蘭』とは黒岩涙香の小説『野の花』を文明戯として舞台化したのが元であり、それはさらに上海では1925年のサイレント、1934年の国語版、香港では1940年の広東語版、1954年の広東語版、1957年のアモイ語版、と度々映画化されてきた題材である(本作は国語版)。飯塚容氏に「『空谷蘭』をめぐって : 黒岩涙香『野の花』の変容」「文明戯の映画化について」(第四節が「『空谷蘭』の映画化」)等の論考があるようだが、残念ながら未見。
 時代設定は民国初頭。本作は、林翠演じるヒロインが妓院の歌手という設定になっている、また張揚演じる男性主人公が善意の人であるところなどは、新機軸であるかもしれない。薄幸だが芯の強い女性を演じる林翠は適役だ。一方、敵役の女性はかつて「台湾第一美人」と称され、数年前から香港に拠点を移した夷光。以前にレビューした『鶯歌燕舞』(1963)でも葉楓とともにダブルヒロインを演じていた彼女だが、本作のセクシーさも見どころだ。本作の後まもなく引退してヨーロッパへ移住したのが惜しまれる。
 最近台湾でリリースされたキャセイ映画DVDシリーズ、黄梅調ばかりかとおもいきや、これは意外な掘り出し物であった。
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