BOY A

BOY A

作品情報

新着感想・ネタバレ

southpumpkinの感想・評価
名前を変えて出所した一人の青年、彼の新しく始まった人生での出会いと彼が歩んできた愛なき過去とが並行的に語られる本作。青年のあまりに恵まれた新しい人生から予感させる崩壊はまさに想像通りでしたが、この映画は青年に対して単純に赦してあげたい、という感情を呼びません。過去の物語では同情に値しない結末が待っているためです。罪は罪で、青年は罰を受けるべきだが、それが適正なものだったのかはわかりません。出所後も青年は身バレを気にするその生活は辛く苦しいものでしょう。崩壊の可能性を秘めたまま友人と付き合う気持ちは計り知れません。ですが逆に身近な人に少年Aがいた場合、僕は彼を許すことができるのかも自信がない。
アンドリュー・ガーフィールドが最高。『ソーシャル・ネットワーク』前の数少ない作品の一つです。ところで彼が演じた青年の過去編で、子役がスパイダーマンの真似をして無邪気に友人と遊ぶ映像がありました。アメスパを連想させます。
Land_of_Mineの感想・評価
アンドリュー・ガーフィールド主演。線の細さ、存在の曖昧さを醸し出す彼の演技が物語の根幹を担っている。かつて罪を犯した「少年」がその因果に囚われながら、逃げるように生きている姿をドキュメントタッチで描き出す。現代パートは彼の現在の状況を表すように、石を落とした透き通った水のように、不安定に揺れ続けていた。

この映画の上手い所は、加害者とされる少年Aの直接的な犯行を匂わせない所だと思う。恐らく、実際には彼は傍観者に過ぎなかったのだろうが(カッターを手に持つシーンは気になったが)、少女が殺されるシーンが描かれていない(彼の死もまた仄めかされる程度だが)ために、主人公である少年Aにどうしても感情移入してしまう。人生を必死に取り戻そうとする姿に感動するけれど、実際にニュースで「少年A」が報道されたとして自分は彼の視点に立つことは出来ただろうか。多くの人間のように、ただ彼を非難した事だろう。

悪魔の子は、最初から悪魔の子だったのだろうか?何か外的な要因が彼の存在を捻じ曲げてしまったのではないだろうか?『ヒメアノ~ル』を観て痛烈に心に刺さったメッセージと似たものに、この映画でも散々苦しめられた。「罪と罰」の衡量は、本当に難しい。
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