裁かれるは善人のみ

裁かれるは善人のみ

作品情報

原題 Leviathan
製作年 2014年
日本劇場公開日 2015年10月31日
製作国 ロシア
上映時間 140分

あらすじ

ある日の明け方、静かな入り江。数々の船が朽ち果てている。長い橋のすぐ脇に立つ古ぼけた家――コーリャが祖父の代から住み続けている、温室と彼の仕事場でもあるガレージのある小さくて慎ましい居心地の良い家。 コーリャはモスクワから遠く離れた田舎町で自動車修理工として、息子のロマと若く美しい妻リリアと3人で暮らしている。ロマは継母であるリリアになかなか心を開かず口答えばかりだ。 コーリャは市を相手取り訴訟を起こしている。彼の土地を市が収用しようとしているのが不満なのだ。そのために友人の弁護士ディーマをモスクワから呼び寄せた。ヴァディム市長の悪事の証拠を掴んだディーマはこれを使って巧妙に攻めれば勝てる、と言う。 裁判。0.27ヘクタール(2700㎡)の土地を市が収用するにあたり、コーリャは土地の買い上げ金額として350万ルーブル(約760万円)を要求した。しかし、裁判所は市が提示した約64万ルーブル(約140万円)を支持した。 市長が過去にした悪事の証拠を握っていることを伝え、コーリャの家の件から手を引くように脅すディーマ。350万ルーブルを支払うことに同意させる。 ディーマが去った後に怒り狂う市長。自分の意のままに動く判事と検察官と警察官を呼びつける。ディーマが生命線を握っている状態では1年後の選挙には勝てない、ヴァディムが市長から退けば判事たちもそれぞれの地位を保つことはできない……。なんとか虫けらたちを蹴散らしたいと、考えを巡らせる。 落ち着かない市長は司祭に相談しようとする。しかし、司祭は懺悔でなければ聞きたくない、問題は自分で解決しろ、と拒絶する。心を決めるヴァディム市長。 ディーマによって、すべては解決するかに見えた。しかし、この小さな町に留まりたくないリリア、自分のすべてである町から離れたくないコーリャ。気持ちはすれ違い始める。 悪に染まってでも、目的を達成しようとする市長。少しずつ少しずつ崩れ始めた家族の均衡はこのまま保てるのだろうか……。

新着感想・ネタバレ

____RiN____の感想・評価
ウォッカ飲みすぎ。

いや違った、本題そこじゃないんですけど、ウォッカ飲みすぎ!舌バカか!

タイトルがネタバレになってるじゃーん!で話題のロシア映画、いやあ、タルコフスキー御大の時代から一向に明るくなる気配がなく、むしろ鋭敏に研ぎ澄まされていく、まさに暗さのシリコンバレーか!な土地の映画。今回も、まあ果てしなく暗いですね。映像のキレ具合というか、よくもまあここまで削ぎ落とせるよね、という美しさには息を飲むものの、あまりの暗さに驚くばかりで、心が掴まれる、といったことはあまり無かったです。暗いのに、感傷的ではないというか、妙な乾きを感じました。だからこそ際立つ映像美と伏線の回収。

格好良い映画ですね。心を抉り取る雰囲気ではないですが、とりあえず今時期に見るとなんか寒くなります。
s_p_n_minacoの感想・評価
『父、帰る」(2004)が忘れられないアンドレイ・ズビャギンツェフ監督、待望の新作。難しい映画ではないけど、中身がずっしり詰まってて一筋縄にいかない。ロシア辺境の海辺に建つ主人公の家、それを奪い取ろうとする政治家との攻防、友情と家庭の崩壊の背後に、社会構造や宗教の大きなサーガみたいなものが流れる。前半は淡々と殺伐しておそロシア…となるが、でも皮肉な笑いどころもあり、友人一家と出かけた休日を境に怒濤の急転下。人々の印象や状況が一変して生々しいエモーションが迸っていくのだった。
印象深い象徴イメージが色々出てくるけど、何といっても判決文を読み上げる無機質で淀みなさすぎる声!早口言葉みたいで噛みそうなのに!この長い読み上げ場面が司祭の説教と合わせて3回あるんだが、裁く側も裁かれる側にもその言葉は空虚だ。お上も神も人もみんな何かしら罪を犯していて、たぶん善人は1人も出てこない(親切な友人夫妻でさえも)。巨大重機がバリバリと世界を破壊した後の残骸と死骸。鯨に飲み込まれたような入り江に淀む絶望。闇に灯る小さな明かりが、蝋燭の灯火に見える。それにしてもロシア人ウォッカ呑みすぎ。
Yusuke_Yamamotoの感想・評価
映像は良かったがストーリーが静かで地味で退屈してしまう。

2016/1/23 セントラルbe館
ciatrをフォロー: