リリーのすべて

リリーのすべて

作品情報

原題 The Danish Girl
製作年 2015年
日本劇場公開日 2016年3月18日
製作国 イギリス・ドイツ・アメリカ
上映時間 120分
ジャンル ドラマ・恋愛>カルチャー>マイノリティー

あらすじ

1926年、デンマークのコペンハーゲン。アイナー・ヴェイナーは、風景画で才能を高く評価されている気鋭の画家。彼ほど有名ではなかったが、妻のゲルダも肖像画を専門にする画家として活動していた。結婚6年目の夫妻は新婚カップルのように仲が良く、お互いに助けあい、触発しあいながら忙しい創作の日々を送っていた。 そんなふたりの運命が激変するきっかけとなる出来事が起きたのは、ゲルダがバレエダンサーのウラの肖像画を仕上げていた時のことだった。アトリエに来られないウラの代わりに足元のモデルになってほしいと頼まれたアイナーは、しぶしぶストッキングとサテンの靴を履き、白いチュチュを腰に当ててポーズを取った。最初に感じたのは気恥ずかしさ。しかし、優雅に足にまとわりつくチュチュの感触に身を委ねているうち、胸に今まで感じたことのない恍惚感がこみあげてきた。その瞬間から、アイナーは自分の内側に潜んでいた女性の存在を意識するようになる。それがどういうことなのかを理解できないままに。 そんなアイナーの変化にゲルダが気づいたのは、夫がシャツの下に女性用の下着を着ているのを見つけた時だった。これを芸術家の遊びだと考えたゲルダは、まもなく開かれる芸術家の舞踏会に女性として出席してはどうかと提案する。乗り気になったアイナーは、ゲルダの助けを借りて女性の服やウィッグを集め、メイクや歩き方を練習。「アイナーの従妹のリリー」という触れ込みで舞踏会に出席するが、そこで出会った男性、ヘンリクに口説かれ、キスを迫られて動揺する。その現場を目撃したゲルダは、リリーの存在が芸術家の遊び以上のものになりつつあるのを感じ、「リリーになるのはもうやめて。私たちはゲームをしていただけなのだから」と強く言い聞かせる。妻の言葉を重く受け止めたアイナーは、自分の中の女性を抑え込もうとするが、心と身体の乖離は深まるばかりで、ついに体調を崩してしまう。心配したゲルダは放射線治療に連れて行くが、問題はいっこうに解決しなかった。 そんな時に転機が訪れる。ゲルダの描いたリリーの肖像画が認められ、パリで展覧会を開く話が舞い込んできたのだ。これを心機一転のチャンスと捉えたゲルダはアイナーと共にパリへ移住。アイナーの幼なじみで、パリで画商をするハンスにも協力を求め、リリーが登場する以前の生活をやり直そうとするが、時計は巻き戻せなかった。「私には夫が必要なの。夫を抱きしめたいの」と必死に訴えてもどうにもならない事態にゲルダの苦悩は深まる。 いっぽうのアイナーも苦悩していた。自分に起きていることを知ろうと図書館に通い始め、性に関する本を読み漁り、様々な医者を訪ね歩いた。そうした日々の中で、ふたりの関係に変化が生じる。「私は狂っていると思う?」と尋ねるアイナーに「狂ってないわ」ときっぱり答えるゲルダは、いつしかリリーとして生きることを望むアイナーの一番の理解者になっていた。リリーに人生を与えるにはどうすればいいのか? その課題と真剣に取り組み始めたゲルダは、まもなくドイツで婦人科のクリニックを運営する医師のヴァルネクロスを探し当てる。 ヴァルネクロスに「自分の内面は女性だと信じている」と話すアイナーの手を握り、すかさずゲルダが発したのは「私も信じてる」という言葉だった。アイナーに似た患者を診た経験があると言うヴァルネクロスは、外科手術によりリリーに女性の肉体を与えることが可能だと断言した。しかしそれは同時に、この世からアイナーが消え去ることを意味するのだ。ゲルダの心中は複雑だったが、アイナーの決意は固かった。手術のためにアイナーがドイツへ旅立つ日、ハンスと共に駅へ見送りに行ったゲルダは、永遠にアイナーを失う寂しさを押し隠し、笑顔で励ましの言葉を贈った。 感染症の危機を乗り越え、リリーは手術から生還した。リリー・エルベとして生まれ変わった彼女はゲルダと共にデンマークに帰国。百貨店の香水売り場で職を得て、新たな人生を踏み出した。望んでいた幸せを手に入れたリリーを、ゲルダは温かなまなざしで見守る。しかしリリーには女性として叶えたいさらなる夢があった。その夢を実現するために、リリーは、より命の危険が伴う二度目の手術を決意する。

新着感想・ネタバレ

southpumpkinの感想・評価
画家夫婦の夫がトランスジェンダーとして生きることになる。
セクシャルマイノリティーを題材にした映画と言えばグザヴィエ・ドランが連想されます。しかし彼が描く映画とは決定的な違いがあるように感じました。ドランが最先端の解釈を与えてくれるのに対して本作は旧世代の価値観におけるセクシャルマイノリティーを題材にしている。この問題に対して最も明るいはずである主人公の二人も、現在我々に備わっている価値観とはややずれた行動をしているように感じます。ゲルダはリリーを愛し続けられなかったのか。ドラン『わたしはロランス』と比べれば、本作はむしろ逆説的に私たちに最先端の解釈を与えてくれているのかもしれません。温故知新な映画だということでしょう。
エディ・レッドメイン、アリシア・ヴィキャンデルが名演技を見せています。共に世代トップレベルの演技力です。意外と二人とも大胆な露出も厭わないのですね。特にヴィキャンデルはよく脱ぐ。『エクスマキナ』もすごかった。
Rihoの感想・評価
とにかく夫婦のふたりがすごい。。エディレッドメイン演じるリリーが、アイナーである姿、リリーとのあいだで戸惑う姿、徐々にリリーを手に入れていく姿。どれも違って、でもどれもナチュラルで、本当にこの人すごいなぁと。
それと、リリーを支えるゲルダ。夫がいなくなってしまう悲しさと、それでも愛する人を支えたいという気持ち。切ない。
エンディングのメッセージ、とても好きだったなぁ。素敵な映画でした。
あと、映画の風景がとても綺麗。ドレスデン行ってみたくなった。
ellie0728の感想・評価
深い深い愛情の話です。。。
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