アンジェリカの微笑み

アンジェリカの微笑み

作品情報

原題 O ESTRANHO CASO DE ANGELICA / THE STRANGE CASE OF ANGELICA
製作年 2010年
日本劇場公開日 2015年12月5日
製作国 ポルトガル・スペイン・フランス・ブラジル
上映時間 97分
ジャンル ドラマ・恋愛

あらすじ

「遥かなる天の百合よ 枯れてもまた芽生えよ 我らの愛が滅びぬように」 アンテロ・デ・ケンタル(注1) ドウロ河流域の小さな町。雨が降りしきる夜半、町に1軒しかない写真店に、富豪の邸宅ポルタシュ館の執事がやって来て、急ぎの写真撮影を依頼する。だが、店主は明後日まで不在と知らされ途方に暮れる執事。その様子を見ていた通りがかりの男が、執事に別の写真家を紹介する。最近町にやって来た、石油関係の仕事に従事するセファルディム(注2)の青年で、写真が趣味らしい。執事は、さっそくその青年イザクの下宿を訪れる。 イザクは、若くして死んだ娘アンジェリカの写真を撮って欲しいという依頼に、最初は難色を示すが、下宿屋の女主人に勧められ執事に同行。山手にあるポルタシュ館には、アンジェリカの死を悼む親類縁者が集まっていた。  イザクの名前を聞いて、一瞬顔を曇らせるシスターの姉に、「僕個人は宗教に何の興味もない」と言って安心させるイザク。 案内された部屋の中央には、白い死に装束に身を包んだアンジェリカが、青いソファにひっそりと横たわっていた。彼女の母親に促され、カメラを向けるイザク。ところが、ファインダーを覗きピントを合わせた途端、アンジェリカが瞼を開き彼に微笑みかける。イザクは、驚いて後退るものの、気を取り直して撮影を終わらせ、早々に邸を後にする。  翌朝、写真を現像すると、3枚の写真の中の1枚に写ったアンジェリカが、再び瞼を開いて微笑む。 注1:アンテロ・デ・ケンタル=19世紀後半のポルトガル実証主義を牽引した詩人。 注2:セファルディム=15世紀前後に南欧諸国に移り住み定住したユダヤ人たち。

新着感想・ネタバレ

Satoko_Suzukiの感想・評価
2016/03/09
ポルトガルの大御所お爺ちゃんが、こんなに可愛いファンタジックなラブストーリーを撮るなんて!
監督の名前を見なければ、新人監督の3作目、くらいのフレッシュな印象を受けました。
歳をとればとるほど、言いたいことはシンプルになっていくのかしら。
たぶん比喩はあちこちに散りばめてあるようですが、私は単純に「愛に生きた男の話」と観ました。
非常にヨーロッパぽさは感じましたが、逆にギャップが面白かったです。
Junichi__Nakamuraの感想・評価
20160124
jb
____RiN____の感想・評価
監督マノエル・ド・オリヴェイラ氏、なんと1908年生まれ。丸々一世紀、時代を映した瞳が作り上げるのはどんな作品かしら、と蓋を開けてみれば、なんとロマンチックなラブレターでした。酔いました。
1950年代に初稿が製作され、その後二度の大戦を経てさらに推敲が重ねられ、まさにヴィンテージとなった映画。主演リカルドは監督の孫息子。おそらくは、監督自身の分身でしょうか、美しき死者・アンジェリカにそれは猛烈に恋します。ここまで純粋な、見目への恋なんてあるんでしょうか。これは恋ではなく、もっと純粋な美への思慕に見えました。
そんでもってさらに、ここに宗教的なあれこれを加えます。これはもちろん監督自身がホロコーストを目撃したことが大きくかかわっているのでしょうが、それよりも、これは彼と彼女の間にひかれた大きな壁のひとつに見えました。
不思議なカメラワークと幻想的な映像に引っ張られがちですが、これってば「ロミオとジュリエット」なんです。それも、青年の妄想の中だけの。
やー変態だなあ。美しき変態の大天才。大老人はこの後三本も映画撮っているんですが、日本公開はいつになることやら。
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