ボーダレス ぼくの船の国境線

ボーダレス ぼくの船の国境線

作品情報

原題 Bedone Marz
製作年 2014年
日本劇場公開日 2015年10月17日
製作国 イラン

新着感想・ネタバレ

Ryosuke_Ohbaの感想・評価
2015年は『ザ・トライブ』『草原の実験』とセリフなしの傑作ミニシアター映画が公開された年でした。

本作も序盤はほぼセリフなし。30分くらい経って、ようやくセリフがあります。同じ日に『マイ・ファニー・レディ』を観たのですが、セリフ量の差が凄まじかったです。

ほぼセリフなし、と書きましたが、数少ないセリフも、通常のセリフとしての役割を果たしていません。本作の登場人物は4人。イラン人、イラク人、アメリカ人、赤ちゃんです。赤ちゃんを除く3人にそれぞれセリフがありますが、3人とも言語が違うため、数少ないセリフは言語によるコミュニケーションが不能であることをさらに補強するという役割を持っています。そういった意味では、セリフが全くない『ザ・トライブ』『草原の実験』よりもディスコミュニケーションな映画であると言えるでしょう。

また本作は、戦争映画という文脈でも語ることができます。イラン人の少年の目から見た戦争を描いているというものですので、是非とも『アメリカン・スナイパー』とともに観ていただきたい作品です。『アメリカン・スナイパー』を今年のメインストリーム戦争映画代表とするなら、本作はミニシアター戦争映画の代表。『アメリカン・スナイパー』ほど万人に勧められる作品ではありませんが、エンターテインメント性のないミニシアター映画でも問題なく観れる、むしろそういった作品の方が好きだという方には、本作を全力でプッシュさせていただきたいと思います。

観る際のポイントとして、前半と後半の少年の行動の違い、というところに注目してみるといいかもしれません。
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