牡蠣工場

牡蠣工場

作品情報

製作年 2015年
製作国 日本・アメリカ
ジャンル ドキュメンタリー>人物・団体

監督・スタッフ・キャスト

新着感想・ネタバレ

Ryosuke_Ohbaの感想・評価
岡山県の牡蠣工場の仕事風景を中心に、地元の人たちの生活を淡々と映したドキュメンタリーです。

ポスターや事前情報では、グローバリゼーションの波が日本の牡蠣工場にも押し寄せてきたという内容とのことでしたが、私は違った角度から観てなかなか面白いドキュメンタリーだなと思いました。

私自身、若い時分は、福井の旅館で仲居として働いたり、四国のレストランでウェイターをやったりと職と地を転々として生きてきましたが、新しい職場に行くたびに感じていたよそ者感をこのドキュメンタリーからリアルに感じました。

34歳の仕事ができない中国人が、来て5日で帰っていったと言う地元のおじさんたち。まったく同じ図を私は何度も地方転々期に目にしました。地元感の強い職場では、仲間を作らないと生きていけないのです。

言葉が通じない中国人に日本語で仕事を教えるおじさん。自身も震災後に岡山にやって来たおじさんが、来たばかり中国人をぎこちなく出迎えて、牡蠣を食べさせてあげていたのが印象的でした。私も、福井の旅館に行った初日に、自販機で飲み物買ってもらったなぁと思い出しました。

地元の人たちは友好的に出迎えようとしてくれますが、その中のほんのひと匙の悪意のない排他的な空気が、よそ者を絶望させてしまうことがあります。そういった絶望の予感のようなものも感じました。

と、しごく私的なまとまりのない感想になってしまいましたが、この映画には地方のリアルがあります。都会を捨てて地方に行く前にこの映画を観ておくことをおすすめします。人によっては、都会以上に消耗することもありますから。
B50371952の感想・評価
海中から引き上げられたワイヤーにびっしりとこびりついた牡蠣をクレーンと人力でカゴに落としていく。さながら蜘蛛の糸に縋る人間にも見えた。ここは岡山県牛窓の牡蠣工場。
システマティックに、合理的に建てられた工場でおばちゃんたちが神業的な技量で牡蠣を剥く11月のある日。
どこか遠い異国の話にも重える東日本大震災の影がここ岡山にも確かにある。
一次産業の後継者は年々おらず、中国からの労働者を受け入れていく。「中国」「チャイナ」という呼称でしか紹介されない彼らの無個性さが不気味。加えて「中国人はだめ」といってはばからないおっちゃんの威力…。
招かれざる客か、誰のための首輪か、本当の名前は…寓意の天使白猫のシロにあなたは何を見るだろうか。
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