オマールの壁

オマールの壁

作品情報

原題 Omar
製作年 2013年
日本劇場公開日 2016年4月16日
製作国 パレスチナ
上映時間 99分
ジャンル ドラマ・恋愛

あらすじ

思慮深く真面目なパン職人のオマールは、監視塔からの銃弾を避けながら分離壁をよじのぼっては、壁の向こう側に住む恋人ナディアのもとに通っていた。長く占領状態が続くパレスチナでは、人権も自由もない。オマールはこんな毎日を変えようと仲間と共に立ち上がったが、イスラエル兵殺害容疑で捕えられてしまう。イスラエルの秘密警察より拷問を受け、一生囚われの身になるか仲間を裏切ってスパイになるかの選択を迫られるが…。

新着感想・ネタバレ

Junichi__Nakamuraの感想・評価
20160604
JB
mazda620の感想・評価
パレスチナに住むオマールの前に立ちはだかる数々の壁。オマールの壁はパレスチナとイスラエルの分離壁のことだけではなく、彼が自由を手に入れるために進む道に立つ、数々の試練のことをさしていた。
自分の生まれる国を選ぶことはできない、生まれてきた国がここだっただけ。どこに生まれようと仕事をもつ自由、恋愛する自由、意思を主張する自由があるはず。オマールは友達や恋人に会うために毎日分離壁をのぼって殺される覚悟で会いに行く。縛られた自由だけど、縛られた中で仲間や恋人と楽しい時間を過ごしていた、そんな生活の中でもっと自由になりたいっていう欲求が生まれるのは自然なことだし、張り裂けそうな主張も行動も否定なんてできない。
縛られた枠の中でも最低限の自由をもつ彼等からその最低限の自由さえ奪ってしまった時、どこにも誰にもぶつけられない怒り、どうしてこうなったんだという後悔、この国の不条理な仕組みに腹がたつ。その国に生まれてきたことも、大好きな仲間や恋人がいることも自然なことだけど、それらが壊されることは自然なことではない。恋人や仲間へ抱く怒りも、もはや全ての矛先はこの国にぶつけられる。
神は越えられない壁は与えないというけれど、彼につきつけられたその壁は越えられるか越えられないかという話ではない。ぶち破るしかなかった。生き方さえ縛られたような中で爆発した彼の意思を表したのがあの唖然とするラストなんだろうな。争いはつくづく人を苦しめる。
bluegirl_beerの感想・評価
ハードな内容だろうと予想して観に行ったが(予想どおりではあったが)、主人公とヒロインの関係部分の描写がとてもリアル、かつ甘酸っぱいモノになっていて虚をつかれた。ヒロインの仕草一つ一つが可愛らしい。

それ故に、イスラエル占領下にあるパレスチナ自治区がその身に背負うプレッシャー、過酷な現実が対照的ににありありとスクリーンに描き出される。

無意味にBGMを入れたりせず全体を通して貫かれる静寂と、パレスチナの街の荒涼とした風景が印象的だった。
ciatrをフォロー: