昼下りの情事 古都曼陀羅

昼下りの情事 古都曼陀羅

作品情報

製作年 1973年
日本劇場公開日 1973年4月4日
製作国 日本
上映時間 68分

新着感想・ネタバレ

Land_of_Mineの感想・評価
ロマンポルノ作品の中でも有名な部類に属する本作。小沼勝と言えば、この作品を思い浮かべる人が多いのではないだろうか。ある心を閉ざした女性が、おそらく経済的な理由でお見合いをすることになる物語。彼女と父親との禁断の関係から漂う緊張感が良い。狂気じみていて恐ろしさもある三角関係が素晴らしい。ハサミで乳首を切ろうとするシーンでは冷や汗をかいてしまった。ピンポン玉が、父との性的関係のメタファーとして用いられている。父との関係に囚われるあまり、見つけた本当の愛を手に入れられずにいるミナコ。「私、キスしたことないの」と言う台詞が、今まで性的な欲求を満たすためだけに利用されていたことが分かる。切ないなぁ。

本作はとにかく演出が長けている。振り返る美人画コマ撮りのように近づいてくる急速な恋を予感させるシーンや、襖を挟んで2組の男女が行為に及んでいる所を上から見下ろす画(次第にそれはピントを外し、天井裏の蜘蛛の巣越しの視点になっていく)、どれもオシャレ。

途中から、父による娘に対する責め苦が始まるが、道具として檸檬を用いているのが面白い。搾り汁を体中に塗りたくる!愛していない男に犯される屈辱のあまり、包丁で自殺を図るミナコ。傷を負わずには、禁断の愛のしがらみから抜け出す事は出来ないのだろう。古都の歴史的な建造物や置物の間で愛をはぐくむ2人の姿が実に美しい。これは許されるのか…?ゲリラ撮影の数々が物語に背徳感を与える。
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