黒い眼のオペラ

黒い眼のオペラ

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新着感想・ネタバレ

changpianの感想・評価
 台湾製DVDで鑑賞、だが、最後のチャプター(ラストのロング・テイクとエンディングロール)のみなぜか再生できず、その部分は日本製DVDで鑑賞。
 ずっと台湾で活動していた蔡明亮が初めて故郷マレーシアで撮った2006年の映画。基本的には、これまでの蔡明亮ワールドが展開される。セリフが少なく長回し。主人公たちは満たされることなくさまよい続ける。だが、ここには明らかにマレーシアの政治状況のメタファも存在する。主人公たちが運ぶマットレスは1998年のアヌアル副首相更迭事件のメタファである。中国系とインド系住民にも融和的な路線を目指したアヌアル副首相は解任され、イスラム国では許されない同性愛者として非難された。そして、その証拠物件として精液の付着したマットレスが提出されたのだという。また、目の周りに青いあざができたアヌアル副首相の写真もその頃報道された。したがって、原題『黒眼圏』とは、この青いあざを意味しているのである(野澤喜美子「病と不自由な身体―自由を渇望する映画人・蔡明亮」『地域研究』13-2)。それほど積極的に政治的な発言をしない蔡明亮であるが、今回のマレーシア総選挙に際しては、youTubeを通じてコメントを発表していた。マレーシア社会における少数派民族であると同時に、性的マイノリティであることも公言している蔡明亮。この映画の中には彼の政治的なメッセージが忍び込んでいるのである(外国籍労働者の問題への着目も無...
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