あの夏、いちばん静かな海。

あの夏、いちばん静かな海。

作品情報

新着感想・ネタバレ

____RiN____の感想・評価
あの有名な淀川長治をして、「モダン、粋、上手い」と言わしめた北野作品において、この作品は一番の異色作ではないかと思います。黒澤明にも絶賛された今作、美しい映像と久石譲によるノスタルジックな音楽に綴られ、彼のもっとも得意とする暴力表現を封印し、聾唖の恋人たちを主人公に据え、純粋に恋愛をのみ表現する映画です。
ソナチネ以降、「キタノブルー」とファンの間で評された青の表現は、この映画でこそ強く感じました。海のブルーは言うまでもなく、全編を通して寒色のフィルターを通したような、哀し気な静謐さが満ちます。
会話を交わさない恋人たちは、つかず離れず、すべてを共有しているかのように沈黙を交わします。村上春樹が「完璧な恋人」と評した、まるで二人で一つであるかのような恋人たちを映像にするとこうなるのでは、と思いました。
それは理想的で完璧で美しいものであるとともに、どこか破滅的に見え、それが意図したものかはわかりませんが、恐ろしくすらありました。

ひたむきな茂の姿勢とか、それを見守る貴子の眼差しとか、そんな二人に心動かされる周りとか、夜、手をつないで歩くふたりとか、言い出したらきりがないくらい好きなシーン、登場人物があるのですが、まとめると、好きだなあ…としみじみ思います。北野作品に対しての思いはもう、恋です。
bonkuraman69の感想・評価
無声映画に挑戦したのではないでしょうか。
この映画をみて思う事は台詞の存在意義です。実は台詞は必要なのかという事です。無声時代の技法、テクニックを使えば充分に映画になるのですね。工夫せずに台詞で説明してしまったりする昨今には耳の痛い映画じゃないでしょうか。
Leo__Nakabayashiの感想・評価
テレビ
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