2021年8月2日更新

『猫の恩返し』のあらすじを分かりやすく紹介!結末や登場人物もネタバレ解説

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『猫の恩返し』バロン

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『猫の恩返し』のあらすじをネタバレ紹介!明るいファンタジーのラストとは?

2002年に公開されたスタジオジブリのアニメーション映画『猫の恩返し』は、同じくジブリ映画『耳をすませば』(1995年)のスピンオフ的位置づけの作品。『耳をすませば』の主人公・雫が劇中で創作する物語として、原作者の柊あおいが描いた『バロン 猫の男爵』を原作としています。 『猫の恩返し』は猫の世界へ招かれる女子高生を描いた物語で、明るく楽しいファンタジーとして子供から大人まで幅広く愛される作品となりました。 本記事では、映画『猫の恩返し』のあらすじをネタバレありでラストまで紹介。また、主要キャラクターとその声優も紹介します。 ※本編を未視聴の方はネタバレにご注意ください。

『猫の恩返し』あらすじ

ハルが不思議な猫を助ける

猫の恩返し

ごく普通の女子高生・吉岡ハルは、友達のひろみとラクロス部から帰る途中、トラックに轢かれそうになった猫をラケットで助けます。 猫は2本足で立ち上がり、日本語でお礼をして立ち去りました。不思議な猫の正体は、猫の国の王子であるルーンなのでした。

恩返しの始まりと猫の国への招待

恩返しとして猫の国から大量のラケットや猫じゃらしなどが贈られてきますが、ハルには不要なものばかり。 困っていたハルの前に現れた猫の国の第2秘書ナトルにそのことを告げると、「では猫の国に招待しましょう」と一方的に約束されます。 猫の国の王である猫王は、ハルをルーンの妃にしようと目論んでいるのでした。

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猫の男爵バロンの登場

猫の恩返し
©︎BUENA VISTA

どうしようかと悩んでいたハルは「猫の事務所を探して」という何者かのメッセージを受け、太った猫ムタによって異世界にある猫の事務所に導かれます。そこで猫の男爵バロンと、その相棒であるカラスのトトに出会います。

猫の国で猫化していくハル

猫の恩返し

バロンはナトルの誘いは怪しいと指摘し、ムタも「猫の国は自分の時間が生きられないやつが行く場所」と忠告しますが、ハルは猫の国の第1秘書ナトリ率いる集団によって連れ去られてしまいます。 猫の国に到着したハルはルーンの未来の妃として丁重にもてなされ、「このまま猫になっていいかも」と思い、見た目も猫に近づいていってしまいます。

猫の国からの脱出作戦

猫の恩返し

猫の国の城に匿われ脱出を諦めたハルの前に、変装して潜入したバロンが現れます。 ハルはバロンとムタの助けを借りて、進路を妨害する迷路や塔を攻略しながら進みます。あと1歩のところで猫王の罠に嵌められそうになりながらも、トトと仲間のカラスらの助けもあって脱出に成功します。 人間界に帰還し学校の屋上で告白するハルに、バロンは「また困ったことがあったら、猫の事務所は開かれる」と言い残して、彼らの世界へと帰っていくのでした。

『猫の恩返し』の魅力とは?「普通」の主人公のファンタジーだから楽しい

猫の恩返し

映画『猫の恩返し』の魅力のひとつとして、「人間の言葉を話す猫たちの世界」というファンタジー色の強い世界観を、「ごく普通」の主人公の存在が和らげているということが挙げられます。 主人公・ハルは、どこにでもいる普通の、少し正義感が強い女子高生。日常の中で猫を助けたのをきっかけに、誰も見たことがない世界への冒険が始まります。また、猫たちが猫の可愛らしさを残しつつも人間くさく感情移入しやすいという点も、人々を夢中にした理由でしょう。 それまでのスタジオジブリ作品は『もののけ姫』や『風の谷のナウシカ』を中心に、メッセージ性が強くシリアスな印象でした。しかし、本作は明るく親しみやすいファンタジー。気軽に冒険に没頭できる、楽しい作品です!

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『猫の恩返し』主要登場人物を紹介!

人間世界では置物や動物として存在し、異世界で正体を現す不思議なキャラクターが多い本作の主要登場人物をご紹介します。

吉岡ハル役/池脇千鶴

ラクロスに励む健康的女子高生

猫の恩返し

ラクロス部に所属する快活な女子高生ですが、やや自己判断能力に欠けたところがあり、流されやすい性格。気になっていた男子に彼女がいると知り落ち込むなど、ごく普通で等身大な姿が可愛らしい女の子です。 ハルの声を務めたのは、女優の池脇千鶴。NHK連続テレビ小説『ほんまもん』(2001年)の主演で知名度をあげ、『猫の恩返し』で声優に初挑戦しました。 近年も映画『怒り』(2016年)や『万引き家族』(2018年)などに出演し、2021年放送のドラマ『その女、ジルバ』では主演を務めています。

バロン役/袴田吉彦

ドイツ貴族ふうの名を持つ英国紳士な猫

『猫の恩返し』
© 2002 猫乃手堂・Studio Ghibli・NDHMT

本名はフンベルト・フォン・ジッキンゲン。人間界ではドールハウスで猫の人形として存在している、異世界の相談所・地球屋のマスターである紳士です。いかなる状況でも冷静な判断を下せる性格と、剣術を含めた高い身体能力でハルを助けます。 バロンの声を演じたのは、俳優の袴田吉彦です。1992年に映画『二十才の微熱』の主役で俳優デビューし、現在も様々な映画・ドラマで活躍しています。2021年には出演映画『あなたの番です 劇場版』が公開予定。 声優を務めるのは、ディズニー映画『ダイナソー』(2000年)での主役以来2度目です。

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ムタ役/渡辺哲

猫の世界では稀代の大泥棒

猫の恩返し

本名はルナルド・ムーン。人間界ではふてぶてしい太った野良猫として、商店街を徘徊している猫です。猫の国の壁画に伝説の泥棒として描かれている不老不死の猫ですが、バロンには敵わないのでつき従っています。 ムタの声を演じたのは俳優の渡辺哲。1985年に黒澤明監督作品『乱』で映画デビューを果たして以降、数多くの映画・ドラマに出演。近年も映画『望み』(2020年)やドラマ『ネメシス』(2021年)をはじめ話題作に出演し続けています。 また、ジブリ映画『もののけ姫』(1997年)では、山犬の声を担当していました。

ルーン役/山田孝之

生真面目な猫の国の王子様

猫の恩返し

傲慢な父である猫王を反面教師にし、自分は真面目にしようと努めている猫の国の王子です。白猫のユキと恋仲にあり、結婚したいと願っています。 ルーンの声を演じたのは、当時19歳の人気俳優・山田孝之。映画「闇金ウシジマくん」シリーズや、ドラマ「勇者ヨシヒコ」シリーズ、Netflixで全世界配信されているドラマ『全裸監督』などの主演で知られています。

猫王役/丹波哲朗

傍若無人な猫の国の王様

ルーンの父親にして猫の国を治める王様です。誰も逆らえないのをいいことに傍若無人に振舞い、溺愛するルーンの為に人間の妃として、ハルを強引に猫の国に呼び寄せた張本人です。 猫王の声を演じたのは、俳優の丹波哲郎です。1952年に俳優デビューし、数々のギャング映画・任侠映画などで幅広く活躍。日本を舞台とした「007」シリーズ第11作の『007は二度死ぬ』(1967年)などへの出演により、世界的にも知られています。 2006年9月24日に84歳で他界されたため、『猫の恩返し』は丹波哲郎の数少ない声優出演作のひとつとなりました。

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ユキ役/前田亜季

ルーン王子の恋人(恋猫)

幼い頃のハルにお魚クッキーをもらったことがあり、以後お魚クッキーが好物になった白猫です。猫の国の城で給仕として働いていますが、ルーン王子と恋愛関係にあります。 ユキの声を演じたのは、女優の前田亜季。映画『バトル・ロワイアル』(2000年)やNHK連続ドラマ小小説『ごちそうさん』などに出演しているほか、子役時代にはNHK教育『天才てれびくん』てれび戦士に出演していたことで知られています。

トト役/斎藤洋介

陽が落ちると動き出すカラス

猫の恩返し

トトはバロンやムタの仲間のカラス。普段は石像(ガーゴイル)の姿をしており、陽が落ちると知性を持って動き出します。ハルたちを助けてくれますが、ムタとは喧嘩が絶えません。ムタからはよく「鳥目」とバカにされています。 トトの声を演じたのは、俳優の斉藤洋介。ドラマ『家なき子』(1994年)や『聖者の行進』(1998年)で注目を集め、幅広いドラマや映画、そしてバラエティでも活躍しました。2018年にはヒットドラマ『アンナチュラル』にも出演。2020年に69歳で他界されました。

『猫の恩返し』のあらすじを知って作品をもっと楽しもう!

『猫の恩返し』は、ジブリ作品の中でも異色な雰囲気を持つ、明るく楽しいファンタジーです。猫たちとの不思議な出会いや、個性豊かな彼らの活躍、猫の国からの脱出劇など見どころも多く、なんだかほのぼのと癒されます。 あらすじやキャラクター、声優キャストの情報を踏まえて、ぜひ作品を余すところなく楽しみましょう!