2018年10月1日更新

ケネス・ブラナー、『オリエント急行殺人事件』で監督も務める多才な俳優の魅力に迫る

このページにはプロモーションが含まれています
ケネス・ブラナー

AD

名門「ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー」に入団

ケネス・ブラナー(本名:ケネス・チャールズ・ブラナー)は、1960年12月10日に北アイルランドのベルファストで生まれた、イギリス人俳優、映画監督です。 ケネスは王立演劇学校を首席で卒業してから、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーで多くの舞台に出演しました。 その後、ルネサンス・シアター・カンパニーを仲間と共に設立し、シェイクスピアの演目を多く公演してきました。 ケネスの映画スクリーンデビューは『炎のランナー』(1981年)で、その後も数々の作品に出演。

そして、『ヘンリー5世』(1989年)ではアカデミー賞監督賞と主演男優賞に、『マリリン 7日間の恋』(2011年)では、アカデミー賞助演男優賞にノミネートされました。 また彼は舞台、映画のみならず、テレビでも活躍しておりテレビ映画『謀議』(2001年)では、エミー賞主演男優賞を獲得しました。 出演作のひとつである、闇の魔術の防衛術の教員、ギルデロイ・ロックハート役を演じた『ハリー・ポッターと秘密の部屋』(2002年)では、日本でも広く知られました。 ケネスのキャリアは俳優業にとどまらず、映画監督としても多くの作品を手がけ、最近では『マイティ・ソー』(2011年)や『シンデレラ』(2015年)に制作陣として携わっています。

AD

新しい劇団を立ち上げ数々の公演を成功させる

ケネスは、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーで数々の舞台作品に出演するも、既にあった劇団ではやれることに限度があると感じ、同じ意志を持つ仲間たちと集い「ルネサンス・シアター・カンパニー(以下、RTC)」を旗揚げしました。 ケネスはRTCで座長として、『真夏の世の夢』や『リア王』などといったシェイクスピア作品の劇を上演し、好評を博しました。 その人気ぶりはというと、劇団があるイギリスのみならず、国外でも上演するほどで、1990年には日本へも『真夏の世の夢』と『リア王』を上演しに来ています。 また、RTCのパトロンがイギリス王室のウェールズ公チャールズであるということは有名であり、2005年に彼が再婚した際、ケネスも結婚式に招待されたそうです。

映画『ヘンリー五世』で監督・主演

物語の舞台は、15世紀前半の英仏百年戦争の末期のイギリスでは、ヘンリー4世崩御後に即位したヘンリー5世がフランス王位をも継承する権利があると主張し、フランスへの進駐を決意します。 作品では、王位であるからこその苦しみや悩み、そしてヘンリー5世の王としての人柄を描き上げており、そしてリアリズムを突き詰めたクライマックス、アジンコートの決戦のシーンは圧巻です。 長らく舞台でシェイクスピア作品に携わってきたケネスが、より作品を掘り下げ映画化した渾身の一作です。

AD

アカデミー監督賞・主演男優賞、両方でノミネート

ケネスは『ヘンリー5世』で、第62回アカデミー賞監督賞・主演男優賞にノミネートされました。 そして、今日において、シェイクスピアの作品を題材にした映画作品で、主演を演じた者がアカデミー賞にノミネートされたことは現在まで現れていません。 それだけでも栄誉あることですが、ケネスは監督としても作品に携わり、アカデミー賞には監督賞でもノミネートされ、受賞は逃したものの、非常に凄いことですね。

『ハリー・ポッターと秘密の部屋』でギルデロイ・ロックハート役に

ケネスは、『ハリー・ポッターと秘密の部屋』(2002年)で、ギルデロイ・ロックハート先生役を演じています。 ギルデロイ・ロックハートとは、1作目『賢者の石』で学期中に殉職した前任のクィレル先生の後任として赴任してきた闇の魔術の防衛術の教員です。 彼は、ハンサムなルックスと自他共に認める高いカリスマ性を持ち合わせた先生で、常に多くの武勇伝を語っては女子生徒を中心とする人気を集めていました。 しかし、実は、彼が話すことには真実ではないことが多く含まれており、彼の武勇伝を語ったとされていた著書の内容も、そのほとんどが真実には程遠いものでした。 また、普段は常に笑顔を浮かべてウィンクを欠かさないロックハート先生ですが、自身の立場が危うくなると、生徒に向かって平気で忘却呪文をかけようとするなど、保身のためならなんでもするという冷酷な面も持ち合わせていました。ケネスは、そんな表と裏の顔を持つロックハート先生を演じ、好評でした。

AD

「ハリポタ」で元夫婦が共演!?

ロックハート先生役で『ハリー・ポッターと秘密の部屋』(2002年)に出演したケネスですが、1989年に結婚し1995年に離婚した元妻で女優のエマ・トンプソンも同シリーズに出演しています。

エマは、3作目『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』(2004年)以降に登場する占い学の教員で、普段は的外れな占いをしていますが、稀にダンブルドア校長も一目置く驚異的な予知をすることがあるシビル・トレローニー先生役を演じています。 ケネスとエマは、離婚までは共演する事もありましたが、離婚後は長らく作品に揃って登場する事はありませんでした。 しかし、シリーズ5作目の『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』(2007年)では、同じ場面では共演していないながらもロックハート役としてカメオ出演したケネスとトレローニー役のエマが同じ作品に登場しました。

また、ケネスの元恋人で、エマとの離婚の原因と言われているヘレナ・ボナム=カーターは、『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』(2007年)以降、死喰い人のベラトリックス・レストレンジ役で同シリーズに出演し、エマとも共演しています。

しかし、関係者によると、撮影現場が険悪な雰囲気になることはなかったと述べており、お互いに過去のことは既に水に流しているのかもしれませんね。 また、ケネスとエマは、『パイレーツ・ロック』(2009年)で再び共演しています。 俳優業に監督業と幅広く活躍するケネスの今後にも注目していきたいですね。