2017年7月6日更新

宮崎あおいが本屋大賞原作映画に愛されている、そのヒミツは?

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宮崎あおい

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本屋大賞に愛される女優宮崎あおい

4歳で子役デビューして以来、着実にキャリアを重ね、映画、ドラマ、CMなど、もはや貫禄すら漂う女優の宮崎あおい。2006年の朝ドラ『純情きらり』、2008年の大河ドラマ『篤姫』などにおける主演を経て、文字通り国民的女優のひとりになりました。 たくさんの出演映画がある中で、実は本屋大賞と非常に縁が深いのは、知る人ぞ知るところ。その主なものを紹介します。

本屋大賞とは?

2004年に創設された、本屋大賞実行委員会が運営する文学賞です。一般の文学賞とは違い、作家や批評家は選考に加わらず、書店員の投票によってノミネート作品および受賞作が決定されることが特徴です。 キャッチコピーは「全国書店員が選んだいちばん! 売りたい本」。読者に近い人が選考するということで、近年、他の権威ある賞に負けず劣らず幅広く注目されています。

オキダリジョーと樹木希林の共演で描く切ない親子の物語【2007年】

リリー・フランキーが亡き母への思いをつづった自伝的小説を、オキダリジョーと樹木希林の共演で映画化しました。 女手ひとつで「ボク」を育ててくれた「オカン」。上京し、美大を出て数年後ようやくイラストやコラムの仕事が軌道に乗り始めたとき、オカンのガンが発覚します。しみじみとした親子の切ない愛情を描く感動作です。 物語を支えるように、豪華なキャストがささいな端役で登場する中、宮崎あおいは、アイドルDJに扮しました。他にも、ラジオ局のディレクター役で仲村トオル、不動産屋の事務員役で小泉今日子、診療所の医者役で柄本明らが出演しています。

リリー・フランキー著『東京タワー 〜オカンとボクと、時々、オトン〜』

2005年6月29日に発売された、リリー・フランキーの同名小説は、2006年の第3回本屋大賞を受賞しました。受賞後まもなく、200万部を超える大ベストセラーとなっています。映画化のほか、2006年と2007年に二度テレビドラマ化、2007年には舞台化もされています。

日の当たらない人々が懸命に生きる姿を、笑いと涙で描く群像劇【2008年】

人気お笑い芸人、劇団ひとりの同名小説を、岡田准一、宮崎あおい、三浦友和、西田敏行ら豪華なキャストを揃えて映画化したオムニバス風の群像劇です。 大都会東京に暮らす、ぱっとしない9人のそれぞれの人生……。年代も境遇も違う彼らの人生が、ある台風の日に交差します。日の当たらない、どこか恵まれないダメ人間たちがそれぞれの花を咲かせるため奮闘する姿を感動的に描きました。 宮崎あおいは、売れない芸人に恋をしていた母の若き日々をたどる娘の役柄で、母娘の二役を演じています。

劇団ひとり著『陰日向に咲く』

2006年1月27日発売された、劇団ひとりの小説家デビュー作です。 2007年の本屋大賞では、大賞こそ逃しましたが見事8位にランキングされ、翌年には100万部を突破する大ベストセラーになっています。映画化にあたっては熾烈な権利獲得競争があったと言われています。

医療現場を描いた現役医師の原作を映画化した感動作【2011年】

現役医師の作家・夏川草介による同名小説の映画化。主人公夫婦を、「嵐」の櫻井翔と宮崎あおいが演じました。 信州の病院に内科医として勤務する栗原一止が、写真家の妻・榛名や周囲の人々に支えられ、医師として成長していく姿を描く医療ヒューマンストーリーです。2014年には続編も公開されました。

夏川草介著『神様のカルテ』

『神様のカルテ』は、現役医師の夏川草介が、第10回小学館文庫小説賞を受賞したデビュー作で、2009年8月に発売されました。2010年には、本屋大賞の2位にランキングしています。 2作目『神様のカルテ2』、3作目『神様のカルテ3』、短編集『神様のカルテ0』も相次いで発売され、それぞれベストセラーになっています。

江戸時代に実在した天文暦学者の生涯を壮大なスケールで描く大作【2012年】

冲方丁の時代小説を、『おくりびと』の滝田洋二郎監督が映画化した娯楽大作です。江戸時代前期、日本独自の暦作りに専念した実在の人物、天文暦学者・安井算哲(後の渋川春海)の半生を描きます。 主人公には「V6」の岡田准一が扮し、宮崎あおいは妻となるえんを演じました。その他、中井貴一や松本幸四郎ら豪華なキャストも話題になりました。

冲方丁著『天地明察』

原作となった冲方丁による同名小説は、2009年1月号から7月号まで『野性時代』に連載され、人気を博しました。2010年の第7回本屋大賞では見事大賞を受賞したほか、第31回吉川英治文学新人賞受賞、第143回直木賞の候補にもなっています。

新しい辞書作りに奮闘する編集部員たちの姿をユーモラスに描いた秀作【2013年】

出版社の辞書編集部を舞台にした、三浦しをんによる同名小説の映画化です。出版社の寄せ集め編集部が、新しい辞書作りに挑む姿を描きます。 営業部から、新しい辞書『大渡海』を編纂する辞書編集部に異動し、個性的な編集部員と共に辞書づくりに没頭することになる主人公・馬締光也には松田龍平が扮しました。第37回日本アカデミー賞では最優秀作品賞ほか6部門を独占しています。 宮崎あおいは、馬締が暮らす下宿の大家の孫娘で、恋に落ちる林香具矢という女性を演じています。

三浦しをん著『舟を編む』

原作は、2011年9月16日に発売され、2012年の第9回本屋大賞を受賞しました。タイトルは、「辞書は言葉の海を渡る舟、編集者はその海を渡る舟を編んでいく」という意味です。 本映画化のほか、2016年3月にはアニメ化が発表されています。

余命宣告された青年とかつての恋人が紡ぐ壮大なヒューマン・ストーリー【2016年】

映画プロデューサーである川村元気による同名小説を、佐藤健と宮崎あおいの主演で映画化しました。 余命宣告された郵便配達員の青年の前に、青年とそっくりな悪魔が現れ、大切なものと引き換えに1日の延命を約束します。青年と悪魔と猫の不思議な7日間の物語を描きます。宮崎あおいは、青年の初恋の女性を演じました。 函館、小樽、室蘭、東京での撮影を経て、アルゼンチンのブエノスアイレスで海外ロケが行われ、その壮大なスケールが話題になりました。とりわけ、世界三大瀑布の1つであるイグアスの滝を背景にしたシーンは圧巻の見応えです。

川村元気著『世界から猫が消えたなら』

原作は、LINE公式アカウントで初の連載小説として発表され、2012年10月25日に書籍化されました。2013年の本屋大賞にノミネートされ、見事8位にランキング。2016年には累計発行部数が100万部を超えるベストセラーになっています。

『悪人』に続く吉田修一×李相日コンビの問題作【2016年】

吉田修一の原作を、『悪人』と同じく李相日監督が映画化した社会派ミステリードラマです。 残忍な殺人現場に残された「怒」の血文字、そして犯人の山神一也は逃亡……。1年後、千葉、東京、沖縄に、謎の男が現れたことから巻き起こるドラマを描きます。主演は渡辺謙、その他、森山未來、松山ケンイチ、広瀬すず、綾野剛、妻夫木聡ら、豪華なキャストが揃いました。 宮崎あおいは、千葉・房総半島に住む漁師の娘、槙愛子として登場します。

吉田修一著『怒り』

吉田修一らしい重厚な長編小説『怒り』は、2014年1月25日、上・下編の二部構成で同日発売されました。もとは、2012年10月29日から2013年10月19日まで読売新聞に掲載された連載小説でした。2015年の本屋大賞にノミネートされました。

なぜ宮崎あおいは本屋大賞に愛されるのか?

2016年も、大ヒットが記憶に新しい朝ドラ『あさが来た』における今井はつ役で、人気と実力のほどを見せた宮崎あおい。親しみやすく好感度抜群、それでいて確かな演技力でどんな役柄もこなす実力派女優として、周囲の信頼の厚さがうかがい知れます。 かたや、本屋大賞は、読者に近い書店員が選ぶということで、話題性と親しみやすさ、読む楽しさ・面白さを特徴としています。原作を愛するたくさんの読者が期待する映画化にあたっては、キャスティングに宮崎あおいの名前があがるのは、実に当然の流れだと言えるでしょう。