2016年8月16日更新 2,210view

ディズニー映画の原点がここに!『ファンタジア』の魅力に迫る11の秘密

数あるディズニー作品の中でも最高傑作とされ、原点とも言われているのが1940年公開の『ファンタジア』です。斬新なアイデアと豊かなインスピレーションにあふれた世界は今なお色あせていません。ここでは『ファンタジア』の秘密に迫っていきます。

ディズニー作品の最高峰映画『ファンタジア』

公開当時のポスター

1923年に創立した「ディズニー」。『眠れる森の美女』や『白雪姫』から『ラプンツェル』まで古典的な童話をモチーフにしたアニメーション作品を数多く手がけるほか、『アナと雪の女王』や『ズートピア』など近年でも数多くの話題作を生んでいます。

質の高さに定評のあるディズニー作品の中でも一際評価が高いのが『ファンタジア』です。1940年に公開された本作は実験的な要素をふんだんに取り入れた意欲的な作品であり、ここで培われたアイデアや技術は後のディズニー作品の中にも脈々と受け継がれているのです。

ここではディズニーの原点とも言える『ファンタジア』の魅力について迫っていきます。

1.きっかけは偶然の出会い?

ウォルト・ディズニー

映画『ファンタジア』で劇中音楽のオーケストラの指揮をとったのは当時世界的に有名だった指揮者レオポルド・ストコフスキーです。

超有名指揮者・ストコフスキーがディズニー映画で指揮をすることになったきっかけはある偶然の出来事だったといいます。

ある夜、ハリウッドのレストランでたまたま出会ったストコフスキーとウォルト・ディズニー。自然と話はふたりが現在取り組んでいるプロジェクトに及び、「魔法使いの弟子」を題材に音楽作品をつくるという構想を話しました。

すると話を聞いたストコフスキーがぜひ指揮をやりたい、と申し出たんだとか。当時、超有名指揮者であったストコフスキー自らのオファーに、ウォルトは首を縦に振るしかなかったそうです。

相当なお金がかかったでしょうが、結果としてストコフスキーはこの作品でウォルト・ディズニーとともにアカデミー賞特別賞を受賞しています。

2.ディズニー初のステレオ映画

Fantasia-Orchestra

ディズニーもストコフスキーもとにかく”本気”でした。プロットや絵柄へのこだわり、演奏の収録に対する熱意はもちろん、映画を上映する環境にもこだわったのです。

音楽を題材にした作品だったため、音に対するこだわりには凄まじいものがありました。その結果、『ファンタジア』は初めてステレオ録音で撮影された映画となりました。ディズニーの音響スタッフは精密な音響システムを作り出し、それを”ファンタサウンド”と名付けました。

できあがった高クオリティのサウンドを再生するためには、劇場に90のスピーカーが必要だったそうで、上映前にディズニーの技術者が劇場に出向き、スピーカーを取り付けるという面倒な作業を行わなければならなかったそうです。

3.はじめは興行収入が振るわなかった

魔法使いの弟子

出典: damuseum.com

傑作との呼び声も高い本作ですが、公開当初の興行収入はいまひとつだったのだとか。

『ファンタジア』では、とても高度かつ複雑な音響システムを使用していたため、上映できる映画館が限られていたということが一つの理由だそうです。

もう一つの要因は第二次世界大戦。この大戦が起こったことで、本作は海外での公開が遅れてしまいました。

しかしながら、終戦後に世界で高い評価を受け、多くの人に親しまれる作品になったことはご存知のとおりです。

4.滑り込みセーフ!

アヴェ・マリア

伝説はこれだけではありません。初回の放映の当日、実はフィルムは完成しておらず、未完成のまま映画館に運ばれました。

フィナーレの『アヴェ・マリア』の章が完成し、映画館に送り届けられたのは上映開始のわずか4時間前だったんだそう!今では考えられないことですが、ともかく、公開は無事に行われたのでした。

最後までこだわったかいがあり、『アヴェ・マリア』の章は映像の美しさもずば抜けて優れていて、フィナーレを飾るにふさわしい作品となっています。

5.モデルは本物のバレリーナ

Fantasia-Ballet1

こだわっていたのは音楽だけではありません。ウォルトは絵柄や、キャラクターの「動き」にも熱意を注いでいます。

第6章『時の踊り』ではカバやワニ、ダチョウといった動物たちが華麗なダンスを繰り広げます。コミカルな見た目な彼らですが、その動きはとても滑らかで活き活きとしています。

それもそのはず、実はこの章のアニメーションを手掛けるために、本物のバレリーナにモデルを依頼していたのです。さらにウォルトは動物園にも通いつめ、動物たちの動きをもじっくりと観察していたといいます。

6.「あの人」のモデルは?

Yen-Sid-Fantasia

『ファンタジア』といえば『魔法使いの弟子』生き生きとしたミッキーもさることながら、師匠の魔法使い「イェン・シッド」を忘れてはいけません。威厳のある顔立ちはインパクト大です。

彼のビジュアルのモデルとなったのは映画俳優のナイジェル・ド・ブルリエだと言われています。グッとせり上がった眉毛がポイントですよ。

また「Eyn Sid」どいう名前は「Disney」を逆さに綴ったもの!ウォルトの愛着が覗えます。

7.スタッフも画面に出てきてます!

撮影風景

曲の間に度々登場するオーケストラや指揮者の影。華やかなアニメーションとの対比も相まってとても印象的なカットです。でも実はこれ、楽団員の人たちではないんです。

楽団員を演じているのはアニメの制作スタッフやハリウッドのミュージシャンたち。よーく見てみるとJ.ポール.スミス(ディズニー音楽を数多く手がけた作曲家)や、ミッキーマウスの声優(ジミー・マクドナルド)などマニアにはたまらない顔ぶれも!

8.好きに塗っていいんだよ

自由な発想で

ウォルトは『ファンタジア』の細部までこだわりぬきました。彼の発想力とリーダーシップが作品の完成度を押し上げたことは疑うまでもありません。しかし、一方でウォルトは部下の力量を信じる人でもありました。

資料集めに注力する一方。色彩の設定は現場のアニメーターに一任していたといいます。この決断によって現場の士気を上げ、さらに職人たちの自由な発想を取り入れることで作品をより深いものにすることが出来たのです。

9.ミッキーも進化している!

よりしなやかな表現が可能に

ディズニーといえばミッキーマウス。『ファンタジア』でも大活躍の人気キャラクターです。実はこの「ミッキー」にも手が加えられているってご存知でしたか?

アニメーターのフレッド・ムーアはそれまでの華奢で軽快なデザインを一新し、より大きな頭と白目を持った大きな目、そしてナシ型の動体に肉厚の手のひら、ふっくらとしたビジュアルに仕立てました。

この改良はミッキーの動きに深みをもたらし、よりダイナミックな感情表現が可能となったのです。

10.フィルムの修復に2年!

fantasia

公開50週年を迎える1990年にあたり、全世界550の劇場で再公開されました。この記念行事に合わせてフィルムの修復が行われたのですが、それに要した時間はなんと2年!
スタッフロールや休憩など一部の映像はカットされましたが、当時の映像が鮮やかに蘇ったことは大きな話題を呼びました。

11.リメイク映画も公開

ニコラス・ケイジ

『ファンタジア』の中でも最も有名な『魔法使いの弟子』ですが、同じタイトルの実写映画が2010年に公開されています。

これは『ファンタジア』から着想を得て制作されたもので制作、主演ともにニコラス・ケイジです。彼はこの作品について「子供の頃に自分が見て感銘を受けた『ファンタジア』を現代の家族にも見て欲しいと思って製作した」と語っています。

ストーリーは魔法バトルを取り入れた壮大なもので、元の作品を知らない若い世代でも十分に楽しめる内容となっています。

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