2017年7月6日更新

アカデミー賞はSFに厳しい?!アカデミー賞受賞を逃したSF映画

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アカデミー賞

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SF映画ではアカデミー賞獲得は難しい!?

アカデミー賞は映画の祭典として世界一の規模を誇り、世界中が注目する映画賞です。しかし、本当にアカデミー賞受賞イコール良い映画と言えるのでしょうか? そもそもアカデミー賞の各賞を選出するのは、映画芸術科学アカデミーの会員で、その会員の内訳はハリウッドの映画関連の業界人が殆どで、第三者的な会員は多勢に影響を与える程の人数はいません。 そうなるとMPAA(日本で言う映倫のようなもの)との関係は無視出来ず、必然として社会派、文芸的な作品選出され易くなります。SFに限らず、
もほぼ選出されないのはその為です。 しかし、中にはSFと言うジャンルを超え、アメリカ映画史においてエポックメイキング的映画も多々あるのですが、SFと言うだけで選出されないものも多いのです。 良品と言っても、映画は嗜好で変わります。ある人にとっての良い作品は、ある人にとっては悪い作品である事は否めません。そこで今回は良品である事も当然なのですが、賞と無縁な歴史的SF作品をご紹介していきます。 *ここでご紹介するアカデミー賞受賞と言うのは作品賞、監督賞、主演男優賞、主演女優賞、助演男優賞、助演女優賞、脚本賞、脚色賞の主要8部門に限定したものです。

10年20年早過ぎた天才キューブリックの宇宙観

言わずと知れたスタンリー・キューブリックによるSF映画の古典です。本作以前と、以降ではSFの在り方が全く変わっています。当時のみならず、現在においても10年早かった映画と言われています。CG全盛の昨今の映画製作方法でも、これほどのクオリティが出せるか疑問に思うほどです。 1968年のアメリカ・イギリス合作の映画ですが、流石のアカデミー賞の審査員達もこの映画は完全に無視する事が出来ず、監督、脚本の2部門にノミネートはされましたが、これほどの映画をもってしても受賞には至らなかったのです。

陰謀論まで囁かれる善玉宇宙人を描いた未知との遭遇

大御所スティーブン・スピルバーグが『ジョーズ』大ヒット後に製作した映画です。 真正面から、地球へ訪れている宇宙人とのコンタクトに関して描いており、友好的な宇宙人との交流を描いた最初のSF映画と言えます。『2001年宇宙の旅』に負けず劣らずの素晴らしい映像と、複雑でありながら目を離せないストーリー。どこを取っても間違いなく、その後のSF映画に強い影響を与えた作品です。 本作は1977年のアメリカ製作の映画です。ドラマ性も高く、俳優陣もスタッフも一流でしたが、監督、助演女優の2部門のみのノミネートだけで受賞は出来ませんでした。

アニメ的なのに大興奮!コアなファンが多いスターウォーズ

コアなファンが多く、社会現象にまでなった1977年のアメリカ製作の映画です。 監督は現在大御所のジョージ・ルーカス。今回はエピソード4を取り上げておりますが、本作はシリーズもので後に5作作られる事になります。しかし、その全てが尽く賞から漏れてしまいました。今作は監督、脚本、作品、助演男優の4部門にノミネートはされましたが、受賞は逃しています。 マンガの様なストーリーとは言え、同年の『未知との遭遇』と並んで後年のSF映画に計り知れない影響を与えた映画である事は間違いありません。

性的且つ凶悪さを兼ね備えたH.R.ギーガの最高峰デザインエイリアン

エイリアンは1979年アメリカ製作の映画です。監督は『ブレード・ランナー』、『ハンニバル』、『グラディエーター』など名だたる映画でメガホンを取ったリドリー・スコットです。 H.R.ギーガーによる全く新しい敵性宇宙人が描かれ、多くの観客が度肝を抜かれました。映像も1979年当時のものとは思えないクオリティの高さで、今観ても全く古さを感じさせません。映画の画像デザインの基礎を作った映画とも言えます。 後進に与えた影響はこの映画もまた非常に大きいのですが、賞と言う点では涙を飲んだ作品です。続編も3作作られ、新人監督の登竜門的位置にもなっていますが、2作目はクオリティが低いものの他の3作目、4作目は1作目同様SF映画の代表と呼べる作品ですが、受賞は逃しています。

近未来描写は原作者もお気に入りブレードランナー

こちらも『エイリアン』と同じくリドリー・スコットがメガホンを取った1982年のアメリカ製作の映画です。この映画がアカデミー賞の主要部門に受賞しないのはおかしいと賛同される方は多いかと思います。 『2001年宇宙の旅』同様、ある意味芸術作品と呼べるSF作品で、この2作においてアカデミー受賞歴が無い事を疑問視する人は少なくありません。コアなファンが実に多い本作。DVDなどやブルーレイ等は、編集の違うものがこれでもか!と言う程出ています。それほど影響が大きい作品です。 本作は現在パート2を製作中との事ですが、残念ながらリドリー・スコットは監督を途中降板しました。
扮するエッカードは当初出演予定が無かったのですが、最新情報では映画後半に出て来ると言うファン垂涎の情報も入ってきています。

まとめ

いかがでしたか。 SF映画なだけに視覚効果や、特殊効果、音響や衣裳デザインなどの賞には受賞するケースも少なくは無いのですが、主要部門にはノミネートさえされない作品も多々あります。MPAAは性的なもの、残酷なものに関して徹底的に、そして基準なく厳しく規制するのですが、この規制のレベルで興行収入は大きく変わります。当然そうなればアカデミー賞がMPAAの意志に反した映画を大っぴらに推す事は出来ません。そんな利害が大きく作用している賞ですが、受賞すればその映画に関わった人達は一生安泰とも言われる賞ですので、出来レースと言われても笑顔でスルーするしか無いのです。良い映画は単純に大衆が良いと評価しますので、賞と作品が良いと言う事には結局繋がりが無いと言えます。 ここでご紹介した映画は多くのファンがおり、しかも長くいつまでも愛し続けられている映画ばかりです。正に、大衆が、観客が、良いと言う評価を下した映画達、未見の方は必見のSF映画です。