2021年7月9日更新

映画『バケモノの子』の声優を一覧にして紹介!小栗旬がこっそり出演していたシーンは?

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『バケモノの子』

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映画『バケモノの子』の声優には有名キャストが集結!まとめて紹介

バケモノの子
©︎NIPPON TELEVISION NETWORK

細田守監督が初めて単独で脚本を手がけ、2015年に公開された『バケモノの子』。人間の世界「渋谷」とバケモノが棲む世界「渋天街」を舞台に、荒くれ者のバケモノと孤独な少年の師弟関係を軸として、種族をこえた親子の絆を描きます。 本作の興行収入は、前作『おおかみこどもの雨と雪』(2012年)を超える58.8億円を記録しました。第39回日本アカデミー賞では最優秀アニメーション作品賞を獲得し、5作連続での受賞を成し遂げています。 細田守といえば、本職の声優をあまり起用しない監督の1人としても有名です。その代わりに毎回豪華な俳優陣を迎えて、贅沢すぎる使い方をすることも! そこでこの記事では、新冒険活劇『バケモノの子』の声優をまるっと紹介していきます。意外なあの俳優も出演していましたよ。

映画『バケモノの子』のあらすじ

不慮の事故で母親を亡くし、親戚に引き取られることになった少年。自分を厄介者扱いする彼らから逃げるため、少年は渋谷の街に飛び出しました。 路地でフードを被った2人組に「弟子になれ」と声をかけられ、最初は誘いを断ったものの、強くなりたいという思いから弟子になることを決意。不遇で孤独だった少年はバケモノの熊徹に拾われ、渋谷とは違う異世界「渋天街」へ。 熊徹から「九太」という名前を与えられ、彼との修行を経て青年になった九太。2人はなんだかんだと言いながら、擬似親子のような関係を築きました。たまたま渋谷に戻った彼は高校生の楓と出会い、触れ合ううちに自分の道を模索しはじめます。 しかし突然、人間界とバケモノ界の双方を巻き込む大事件が起こってしまい……。

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映画『バケモノの子』の声優一覧

メインキャラ熊徹役/役所広司
九太役/宮崎あおい・染谷将太
楓役/広瀬すず
百秋坊役/リリー・フランキー
多々良役/大泉洋
バケモノ界宗師役/津川雅彦
猪王山役/山路和弘
一郎彦役/黒木華・宮野真守
二郎丸役/大野百花・山口勝平
人間界チコ役/諸星すみれ
九太の父役/長塚圭史
九太の母役/麻生久美子

熊徹(くまてつ)役/役所広司

役所広司
©️ciatr

渋天街で一、二を争う強さを誇り、九太の師匠となる熊徹。乱暴な性格で同胞からも煙たがられており、嫁の来手もありませんでした。「宗師」の座につくため九太を弟子にしたことで、彼自身にも変化が生まれます。 そんな熊顔のバケモノ・熊徹を演じるのは、ベテラン俳優の役所広司です。役所は映画『渇き。』(2014年)や『三度目の殺人』(2017年)といった名作のほか、ハリウッド映画にも出演。 近年は『すばらしき世界』(2021年)をはじめ、社会派​作品への出演が目立ちました。細田監督は彼が演じる熊徹に惚れ込み、本作以降も連続して起用しています。 劇中では豪快な声の演技とキャラクターの動きとの連動に注目してみてください。

【少年期】九太役/宮崎あおい

親戚の家に向かう直前に脱走し、熊徹の弟子として迎えられた少年・九太。当初は幼い自分を置いて逝った母と、姿を現さない父親を恨んでいました。熊徹に年齢しか伝えられなかったため九太と呼ばれていますが、本名は「蓮」といいます。 悲しい境遇だった少年期の九太の声優は、清純派女優として人気を博した宮崎あおいです。 宮崎は2003年に声優デビューを果たしており、多数のアニメ作品で声優を担当。『おおかみこどもの雨と雪』には花役で出演しましたが、異性を演じるのは本作が初めてでした。透明感のある少年の声を披露しています。 2018年は第1子出産のため産休に入り、『あしたの家族』(2020年)で本格的に復帰しました。

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【青年期】九太役/染谷将太

九太は渋天街でも自暴自棄になりますが、熊徹や悪友たちとの出会いが彼を変えます。成長して18歳になった頃、偶然にも渋谷へ戻る方法を見つけたことで楓と出会い、彼女からも知識を吸収しました。 バケモノと人間、双方の暮らしを知って成長した青年期の九太役は、染谷将太。さまざまな映画やドラマに出演していますが、声優としての出演は本作で2度目となります。宮崎あおい同様に『おおかみこどもの雨と雪』に出演し、作中では田辺先生役を演じました。 実力派俳優として着実にキャリアを重ねており、近年では大河ドラマ『麒麟がくる』(2020年)で主人公・明智光秀の主君、織田信長役を好演。また細田監督の最新作『竜とそばかすの姫』(2021年)では、再びメインキャラの声優を務めます。

楓役/広瀬すず

『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』(2019年)で声優初主演を務めた広瀬すずが、本作のヒロイン・楓役を演じました。透き通った声が、楓のキャラクター性を引き立たせています。 楓は渋谷の図書館で九太と出会う女子高生。館内で騒いでいた学生を注意して報復を受けていたところを彼に救われ、一緒に勉強をするようになりました。自分を抑圧して生きていましたが、九太との出会いで彼女自身も変わることに。 広瀬すずは同世代でも特に目立った活躍を見せており、日本アカデミー賞では『三度目の殺人』(2017年)で最優秀助演女優賞、『一度死んでみた』(2020年)で優秀主演女優賞を獲得しました。

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百秋坊(ひゃくしゅうぼう)役/リリー・フランキー

豚顔をしたバケモノで心優しき僧侶・百秋坊。旧友の熊徹が連れてきた九太に厳しくも優しく接し、家事や礼儀を教えてくれました。 互いに不器用すぎて、師弟関係のあり方に悩む2人の良き理解者となる彼の声優は、個性派俳優のリリー・フランキーです。普段から俳優業やライター業などマルチタレントとして活躍していますが、『バケモノの子』の演技力をみて、さらにその多才さに脱帽するのではないでしょうか。 2013年公開の『そして父になる』以降、是枝裕和監督の作品で重宝されており、カンヌ国際映画祭でパルム・ドール(最高賞)に輝いた『万引き家族』(2018年)にも出演。2021年も『騙し絵の牙』などの話題作で存在感を放っています。

多々良(たたら)役/大泉洋

大泉洋(真戸呉緒/東京喰種)
©️ciatr

猿顔をしたバケモノで熊徹の悪友・多々良。頭はキレるものの皮肉が効いており、人間の九太に対して冷たい態度をとっていました。しかし親心のようなものが芽生え始め、百秋坊とともに彼を見守っていく存在になります。 そんな多々良を演じるのは大泉洋です。2001年に『千と千尋の神隠し』の番台役で声優デビューし、『ハウルの動く城』(2004年)などのジブリ映画に参加しています。また本作では、自身にも通じる陽気なキャラクター性を上手く表現しました。 近年は『新解釈・三國志』(2020年)や『騙し絵の牙』など、多数の主演作が公開。2020年末の「紅白歌合戦」で白組司会を務めるなど活躍は多岐に渡ります。

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宗師役/津川雅彦

宗師は渋天街に棲む10万以上のバケモノを統べる存在。彼自身は兎顔のバケモノで、高齢のため宗師の座を引退して神格化することになります。誰かと会話中でもあちこちに移動し、特に意味もなく相手を翻弄するなどお茶目な一面も! 熊徹も逆らえない宗師を演じたは、伊丹映画の常連としても知られた名優・津川雅彦です。 『狂った果実』(1956年)でスターダムに上り詰め、日活の看板役者として活躍。フリー転身後はスキャンダルなどで窮地に立たされるも、悪役の演技で人気を博しました。晩年も「HiGH&LOW」や「相棒」シリーズなどの話題作に出演し、第一線で活躍を続けます。 2018年8月4日、最愛の妻・朝丘雪路の後を追うように心不全のため78歳で死去しました。

猪王山(いおうぜん)役/山路和弘

猪顔のバケモノ・猪王山は、渋天街の誰もが強さと品格を認める存在。主宰する武術館には多くの弟子がおり、有力者として多忙な日々を送ります。 次代宗師の最有力候補を演じるのは、俳優・声優・ナレーターの山路和弘です。 1977年から「劇団青年座」所属の舞台役者として活動する傍ら、高橋伴明、原田眞人らの監督作の常連となり、地上波の作品でも活躍。声優としては、ジェイソン・ステイサムら海外俳優の吹き替えや、「進撃の巨人」シリーズのケニー・アッカーマン役などで知られます。 近年は「いだてん」(2019年)、『麒麟がくる』(2020年)と2年連続で大河ドラマに出演。2022年前期の朝ドラ『ちむどんどん』では、久々だという善人の役柄を演じます。

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【少年期】一郎彦(いちろうひこ)役/黒木華

一郎彦は猪王山の長男で、なぜかいつも豚顔の帽子をかぶっています。偉大な父親譲りの強さ、そして品格を幼くして兼ね備えた優等生。 立派なバケモノになりたいと夢見る一郎彦の声優は、若手演技派女優の黒木華です。 黒木は『おおかみこどもの雨と雪』で声優デビューし、本作、そして『未来のミライ』と3作連続で細田作品の声優に起用されました。女優としての活躍はさらに目ざましく、2014年には『小さいおうち』でベルリン国際映画祭の銀熊賞(女優賞)を獲得。 近年は映画『日日是好日』(2018年)、ドラマ『凪のお暇』(2019年)などで話題を集めたほか、『浅田家!』(2020年)で自身3度目の日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞しました。

【青年期】一郎彦役/宮野真守

精悍な顔つきに成長し、念動力(バケモノの力ではない)を身に着けた青年期の一郎彦。自身の生い立ちを知った彼の心には、次第に闇が巣食っていきました。 そんな一郎彦を演じたのは、歌手・俳優としても活躍する人気声優の宮野真守です。 小学生時代から子役として活動し、2001年に海外ドラマの吹き替えで声優デビュー。2010年前後から声優業中心にシフトし、『DEATH NOTE』(2006年)の夜神月役、「機動戦士ガンダム00」シリーズの刹那・F・セイエイ役などを担当しました。 近年は『ハイキュー!! TO THE TOP』(2020年)の宮侑役で注目を集めたほか、男性声優として初の「紅白歌合戦」出演も果たし、一般の知名度も上昇中です。

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【少年期】二郎丸(じろうまる)役/大野百花

猪王山の次男であり、無類の食いしん坊でもある次郎丸。天真爛漫な性格で強さに憧れているため、父親と兄を誇りに思っています。人間に偏見を持っていたものの、のちに考えを改めて九太の親友になりました。 次郎丸の少年期を演じるのは、『おおかみこどもの雨と雪』から連続で出演した大野百花です。 大野は幼稚園時代から子役として活躍し、映画『きな子〜見習い警察犬の物語〜』(2010年)では、番場新奈役を演じています。同作で第34回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞し将来を期待されていましたが、本作以降の出演歴はありません。 去就に関する確かな情報はないため、学業を優先して休業している可能性もあります。

【青年期】二郎丸役/山口勝平

青年期になるとかなり落ち着き、誰とでも親しくできる好青年に成長した次郎丸。九太に「どっちの父親が勝っても恨みっこなし!」と誓うなど、良好な関係を築いています。 青年期の次郎丸を演じた声優は、声優・俳優として第一線で活躍する山口勝平です。 山口は1985年に舞台俳優としてデビューし、1988年に声優デビュー。翌年に『らんま1/2』の主役・早乙女乱馬役に抜擢されたのを機に、高橋留美子原作のアニメで重宝されてきました。 『名探偵コナン』の工藤新一/怪盗キッドなどの2枚目から、『ONE PIECE』のウソップといったコメディ要員、マスコットキャラまで幅広く演じます。『半妖の夜叉姫』(2020年)では犬夜叉役を続投し、往年のファンを喜ばせました。

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チコ役/諸星すみれ

チコは九太と渋谷の路地裏で出会い、その後も行動をともにしていく小動物です。バケモノとも普通の動物とも違う存在らしく、ある意味では本作最大の謎といえます。 チコの声優を務めたのは、『サマーウォーズ』にも声優として起用された諸星すみれです。諸星は3歳の時に子役としてデビューし、声優・女優・歌手として活躍。世界的ヒット作『アナと雪の女王』(2014年)では、アナの子ども時代の声を担当しました。 そのほかの出演作には、「東京喰種トーキョーグール」シリーズの笛口雛実役、「ハイキュー‼」シリーズの谷地仁花役などがあります。

九太の父役/長塚圭史

妻の親族によって強制的に離婚させられ、離れ離れに暮らしていた九太の実の父親。妻が事故死した際も彼には連絡がなく、葬儀に参加することが叶いませんでした。 九太の父を演じたのは、劇作家・演出家・俳優とマルチに活躍している長塚圭史です。 活躍の場は舞台がメインですが、『容疑者Xの献身』(2008年)や2021年内公開予定の『シン・ウルトラマン』、朝ドラ『あさが来た』(2015年)などにも出演。ほかのキャストと比べて声優経験は少ないようです。

九太の母役/麻生久美子

九太を女手ひとつで育てていたものの、彼が9歳の時に不慮の事故で亡くなった実の母親。九太の前に幻(幽霊)として現れ、苦悩する我が子にアドバイスを与えます。 九太の母を演じた麻生久美子は、細田作品の常連として知られるキャストの1人です。 『おおかみこどもの雨と雪』では堀田の奥さん役、『未来のミライ』ではおかあさん役を演じており、本作含め3度出演しています。1988年公開の『カンゾー先生』で女優として地位を確立し、近年はドラマ『MIU404』(2020年)、『あのときキスしておけば』(2021年)などに出演しました。

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実はあの小栗旬や谷村美月もノンクレジットで出演!?

キャスト一覧からも明らかですが、細田監督は同じ俳優を続けて起用する傾向があります。 たとえば『時をかける少女』(2006年)で声優デビューし、今や常連となっている谷村美月。本作ではノンクレジットですが、Twitter上で出演したことを報告しています。 細田作品ではカメオ出演も珍しくなく、アナウンサー役の桝太一は『おおかみこどもの雨と雪』でも同様の役を演じており、連続での起用となりました。 またエンドロールには「小栗旬」の名があり、どの役なの!?と話題を呼びました。小栗が出演したのは、九太が高等学校卒業程度認定試験を受験する云々のシーン。住民票を取りに訪れた渋谷区役所で、応対してくれた眼鏡の職員を演じました。 小栗が監督のファンだった縁での起用との噂もありますが、彼ほどの有名俳優が初めて出演してくれたのにこの扱いで良かったのか?と気になってしまいますね。

監督を務めたのは『サマーウォーズ』などの細田守

未来のミライ 細田守
©️ciatr

『バケモノの子』の監督を務めたのは、『サマーウォーズ』などの代表作を持つ細田守。彼は学生時代の自主制作を経て、1991年に東映動画(東映アニメーション)に入社しました。 劇場版「デジモンアドベンチャー」シリーズなどの監督として経験を積み、2005年にフリーに転身。翌年に『時をかける少女』で高く評価されます。 初の長編オリジナル作品『サマーウォーズ』、「スタジオ地図」設立後の第1作目『おおかみこどもの雨と雪』と、“家族のあり方”をテーマとして掲げて制作を行ってきました。 本作で“父と子”をテーマに選んだ背景には、2児の父になった影響もあると語っています。 現代社会の変容とともに、家族のあり方も変化していくのは必然。それを考えた時、子どもの道標として大人たちはどうあるべきなのか。答えを提示するというよりも、親としての新しい姿を観客と一緒に模索したい、という監督の想いが込められた映画です。

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主題歌はMr.Childrenの「Starting Over」

『バケモノの子』の主題歌には、Mr.Childrenの「Starting Over」が起用されました。 細田監督曰くこの曲は、“少年が思春期の戸惑いを打ち破る、戦いの唄”とのこと。恐怖や不安をエサに膨らんでいく感情を「モンスター」に例え、それに打ち勝とうとする様子を綴った歌詞が印象的なミディアム・バラードです。 曲名を和訳すると「再出発」となり、九太と重ねながら聴くとグッとくるものがあります。 ボーカルの桜井は本作について「凄い映画を観てしまった。1人の父親として、それから試行錯誤を繰り返す作家のハシクレとして、込み上げてくる感情に胸が苦しくなった・この素晴らしい作品に、微力でも携われることに大きな誇りを感じています」とコメントしました。

映画『バケモノの子』ではさまざまな声優が世界観を彩る!

『バケモノの子』

日常の中にある非日常を描き、独特のノスタルジックな作風でファンを魅了する細田守監督。彼がヒットメーカーとなった裏に、声優たちの存在があることは確かでしょう。 『バケモノの子』も例外ではなく、個性豊かな声優が作品の魅力を引き立たせました。外見や性別が役柄に影響しないからこそ、知らない一面が見られるのもポイント。大人へのメッセージ性が強い映画ですが、子どもも充分楽しめるのは間違いありません! 鑑賞済みの人もまだ観たことがない人も、ぜひ家族と一緒に鑑賞してみてください。

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