2020年3月31日更新

ピアノ・ピアニストが印象的な映画10選 美しい音楽が物語を彩る名作の数々

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『戦場のピアニスト』
©STUDIOCANAL/zetaimage

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その旋律が物語に華を添える!ピアノに関するおすすめ映画を紹介

クラシックからジャズ、ポップスやロックまで、さまざまな音楽ジャンルで欠かせないピアノ。私たちにとって最も身近な楽器のひとつで、子供の頃に習っていたという人も多いのではないでしょうか。 今回はそんなピアノに関するおすすめ映画を紹介します。天才ピアニストの成長物語やミステリー映画まで、ジャンルにとらわれず名作を集めました。また、ciatr独自の視点で、実在のピアニストに関するおすすめ映画も合わせて紹介しましょう。

『蜜蜂と遠雷』(2019年)

4人の天才ピアニストがそれぞれの想いを胸にコンテストで対決!

かつて天才少女と呼ばれた栄伝亜夜(えいでん あや)、サラリーマン奏者の高島明石(たかしま あかし)、名門ジュリアード音楽院に在学中のマサル・カルロス・レヴィ・アナトール、そして突如現れた謎の少年・風間塵(かざま じん)。 4人のピアニストがそれぞれの想いを胸に、3年に1度開かれる芳ヶ江国際ピアノコンクールで対決することに。若手ピアニストの登竜門といわれるこのコンクールで、音楽の神様に愛されていることを証明できるのは、いったい誰なのでしょうか。 松岡茉優、松坂桃李、森崎ウィン、鈴鹿央士ら若手人気キャストが集結した本作。恩田陸の同名小説を原作に、4人のピアニストの葛藤と成長を描く青春群像劇です。 コンクール本番が見どころとなる本作では、キャラクターごとに、それぞれの個性に合った実際のピアニストが演奏を担当しています。顔は映りませんが、手元のアップは本人たちのもの。それぞれのピアニストのファンも必見の作品です。

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『神童』(2007年)

葛藤する天才少女が再び音楽のよろこびを見出すまで

『神童』は、さそうあきらの同名人気コミックを原作に、天才ピアノ少女と音大浪人生の交流を爽やかに描いた作品です。 ピアノの才能に恵まれ、周囲の期待を一身に背負う13歳の少女うた。自分の才能を持て余していた彼女はある日、音大浪人生のワオと出会います。彼にピアノを教えることで、うたは音楽の真のよろこびを見出していきます。 うた役に成海璃子、ワオ役に松山ケンイチと人気、実力を兼ね備えた若手キャストを迎えた本作。ピアノ演奏に国際的に活躍するピアニストを迎え、クラシックからポップスまで幅広い音楽に彩られています。

『さよならドビュッシー』(2013年)

ピアニストを目指す少女を取り巻く思惑と秘密

ピアニストを目指す16歳の遥は、両親や祖父、従姉妹たちに囲まれ、しあわせに暮らしていました。しかしある日火事に巻き込まれ、彼女ひとりだけが生き残ってしまいます。心と体に傷を負いながらも夢を諦め切れず、音大生・岬洋介の指導の下コンクール出場を目指す遥。ところが彼女の周囲で不吉な出来事が次々と起きはじめ、ついには殺人事件まで発生していまいます。 第8回「このミステリーがすごい!」で大賞を受賞した中山七里による同名小説を映画化した本作。岬役に演技初挑戦となる現役ピアニスト清塚信也を迎えたことでも話題になりました。 遥を演じた橋本愛が実際に清塚から指導を受けて、自らこなした演奏シーンも見どころです。

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『4分間のピアニスト』(2006年)

攻撃的な女囚とその才能を見込んだピアノ教師の魂のぶつかりあい

ドイツアカデミー賞で8部門にノミネートされた、獄中の天才ピアニストとピアノ教師の魂のぶつかりあいを描いた『4分間のピアニスト』。ドイツの名女優モニカ・ブライプトロイと、オーディションで選ばれた新人ハンナー・ヘルツシュプルングが、全く違うアプローチを持つピアニスト2人を演じ本国で大ヒットを記録しました。 60年以上女子刑務所でピアノを教えているトラウデは、ある日、殺人罪で収容されている21歳のジェニーと出会います。彼女の才能を見抜いたトラウデは特別レッスンを行いますが、ジェニーは刑務所内でもたびたび暴力沙汰を起こす問題児でした。 暴力、芸術、老いや嫉妬など、数多くのテーマを持った本作、ピアノの澄んだ音色とジェニーのド派手なパフォーマンスに度肝を抜かれます。タイトルどおり、ラスト4分間の渾身の演奏シーンに感動せずにはいられないでしょう。

『僕のピアノコンチェルト』(2007年)

天才は周囲の期待に応えるべきか、それともーー?

『僕のピアノコンチェルト』
©Sony Pictures Classics/Photofest/zetaimage

ヴィトスは、初めてピアノを触った瞬間に「ハッピー・バースデイ・トゥ・ユー」を弾きこなし、幼稚園で地球温暖化について語る天才児。母ヘレンは彼に明るい未来を夢見るようになり、本格的にピアノのレッスンをはじめさせ、12歳の彼を飛び級で高校に進学させました。 そのままのヴィトスを受け入れてくれるのは、田舎で家具工房を営むおじいちゃんだけ。成長するにつれ、天才すぎるヴィトスと周囲の溝は深まっていき、彼はおじいちゃんに「普通の人になりたい」と打ち明けます。苦しむ孫に、おじいちゃんは大胆なアドバイスをし……。 バッハ、リスト、ラベル、モーツァルトなどの魅力的な楽曲で彩られる本作で、主人公ヴィトス役を務めたのは、本作が映画初出演となったテオ・ゲオルギュー。ロンドンの名門音楽学校パーセル・スクールに通う彼は、もちろん自身で演奏シーンをこなしています。

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『ピアノの森』(2007年)

楽譜すら読めない少年がピアニストとして開花していく成長物語

漫画家、一色まことの大ヒットコミックをアニメ映画化した『ピアノの森』。“ピアノの森”で育ち天才的なピアノの才能を持つ少年・一ノ瀬海と、ピアニストの家系に生まれた雨宮修平との友情と成長を描きます。 ピアニストを目指す小学5年生の修平は、転校先の田舎町で海に出会います。楽譜も読めない彼は、森のなかに置かれた壊れたピアノを演奏していました。その才能に驚いた修平は、ともにピアノの腕を磨いていくようになります。 『時をかける少女』や『パプリカ』(ともに2006年)など、クォリティの高いアニメ作品で知られるマッドハウスが製作を担当した本作。海役の上戸彩、修平役の神木隆之介など、豪華な声優キャストも注目を集めました。

『海の上のピアニスト』(1998年)

一度も船から降りたことのないピアニストの半生を描くヒューマンドラマ

『海の上のピアニスト』
©FINE LINE/zetaimage

太平洋を航海する豪華客船の機関士ダニーは、ある日船内で生まて間もない赤ん坊を見つけます。彼は親に捨てられたらしいその赤ん坊を育てることに。生まれた年にちなんで「ナインティーン・ハンドレッド(1900)」と名付けられた彼は、ふとしたことがきっかけで驚くべきピアノの才能を見せ、瞬く間にその噂は広がっていきました。 独白劇『ノヴェチェント』をもとに、『ニュー・シネマ・パラダイス』(1989年)で知られるジュゼッペ・トルナトーレが監督した本作。あるとき船に乗り込んだトランペット奏者のマックスと、ナインティーン・ハンドレッドの友情が描かれる本作では、エンニオ・モリコーネによるオリジナル楽曲が物語を彩ります。

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ciatr厳選!実在のピアニストを描いた作品

ここからは、実在したピアニストを描いたおすすめ映画をciatrが厳選して紹介します。奇跡的に戦火を生き延びたピアニストから、世紀の天才に嫉妬心を燃やしたピアニストの悲劇まで。 ピアノ演奏シーンはもちろん、深いテーマも見逃せない作品を選びました。

『グリーンブック』(2018年)

上品な黒人天才ピアニストとガサツな白人運転手が友情を育むロードムービー

実在した黒人天才ピアニスト、ドクター・シャーリーとその友人トニー・リップの実話をもとにした『グリーンブック』。アカデミー賞作品賞を受賞した本作では、差別を乗り越えて友情を育む2人の物語を、華麗なピアノ演奏が彩ります。 高級クラブの用心棒を務めるトニー・リップは、無学でガサツながらもその腕っぷしとハッタリで周囲から頼りにされていました。そんな彼は、あるときカーネギーホールに住む黒人天才ピアニスト、ドクター・シャーリーからツアーのための運転手兼ボディガードにスカウトされます。彼のツアー先はなぜか人種差別が色濃く残るアメリカ南部。黒人用の旅行ガイド「グリーンブック」を頼りに彼らは出発しますが……。 人種を超えた友情をテーマにした本作は、マハーシャラ・アリ演じるドクター・シャーリーの演奏シーンも見どころ。特に、クラシックを専門とする彼がジャズクラブで即興の演奏に加わるシーンは心が踊ります。

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『戦場のピアニスト』(2002年)

ポーランドの国民的ピアニスト奇跡の実話

『戦場のピアニスト』
©STUDIOCANAL/zetaimage

第二次世界大戦下のポーランドを舞台に、実在したユダヤ系ポーランド人のピアニスト、ウワディスワフ・シュピルマンの体験記をもとにした『戦場のピアニスト』。ロマン・ポランスキー監督による本作は、カンヌ国際映画祭でパルムドールを獲得したほか、アカデミー賞では3部門を受賞しました。 1940年、ナチスドイツ占領下のポーランド。ユダヤ系のピアニスト、シュピルマンは家族とともにゲットーへ移住することになります。その後、多くのユダヤ人が収容所送りになってしまいました。奇跡的に難を逃れ、ひっそりと身を隠して生活していたシュピルマンでしたが、ある日ついに1人のドイツ兵に見つかってしまいます。 極限のサバイバル生活のなかで、シュピルマンにできるのはピアノを弾くことだけ。主演のエイドリアン・ブロディによる吹替なしの演奏シーンは圧巻です。

『シャイン』(1996年)

精神疾患からの再起をかける伝説のピアニストを描いた感動作

『シャイン』
©Fine Line Features/Photofest/zetaimage

厳格な父のもと、ピアニストになるための英才教育を受けたデヴィッド。天才少年と呼ばれるようになった彼は、父の反対にあい一度は留学を諦めますが、コンクールでの演奏が評価され奨学金の話が持ち上がります。家出同然でイギリスに渡り、ピアノに打ち込むデヴィッドでしたが、コンクールで難曲に挑戦する緊張、父親との確執などから精神を病んでしまいました。 実在のピアニスト、デヴィッド・ヘルフゴットの半生を題材にした本作。一進一退の精神疾患の治療をつづけながら、ピアニストとして再起を果たすまでが描かれた感動作です。 ピアノ演奏はヘルフゴット本人が担当しており、手のアップのシーンは彼の手が映し出されています。主演のジェフリー・ラッシュはアカデミー賞主演男優賞を獲得しました。

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『アマデウス』(1984年)

天才モーツァルトにライバル心を燃やした男の人生とは

アカデミー賞主要8部門を受賞した『アマデウス』。天才モーツァルトの半生を、彼に強烈な対抗心を抱く音楽家アントニオ・サリエリの視点から描いた傑作です。 幼いころから音楽への愛と信仰に生きてきたサリエリ。その後、宮廷音楽家として人々の尊敬を集めるようになりますが、若き天才作曲家モーツァルトが現れたことで、その人生は一変してしまいます。 下品な性格ながら、大衆から人気を得たモーツァルトを彼は軽蔑していましたが、やがてその才能が「神の寵愛を受ける唯一最高のもの」と理解してしまい、打ちのめされます。以降、彼に激しく嫉妬するようになったサリエリは、悲劇へと突き進んで行き……。 誰もが知っているモーツァルトの名曲をふんだんに散りばめた本作では、モーツァルト役のトム・ハルスが多くの場面で吹替なしの演奏を披露している点にも注目です。

ピアノの音色やピアニストの人生……その魅力を堪能しよう!

多くの人にとって最も身近な楽器のひとつであると同時に、クラシック音楽に欠かせないピアノ。その音色や演奏は、懐かしくあたたかな気持ちになるものから、鳥肌の立つような感動を与えてくれるものまでさまざまです。 今回紹介した作品で、あらためてピアノの魅力を発見してみませんか?