2016年11月3日更新 277view

京マチ子、映画『羅生門』でも知られる女優を紹介!

昭和の大スター・京マチ子。当時では稀有な「セクシー系女優」としてファンを魅了し、主演作品が国際的な映画祭でのきなみ賞を取ったことから「グランプリ女優」とも呼ばれました。ここでは、そんな京マチ子についてご紹介します。

昭和を代表する世界的女優・京マチ子

京マチ子 画像

京マチ子(きょう・マチこ)は、大阪府出身、1924年3月25日生まれ。昭和の銀幕を煌びやかに飾った女優です。

大阪松竹少女歌劇団からスカウトで大映へ入社すると、 黒澤明や溝口健二をはじめとしたそうそうたる巨匠の作品で主演を務め、大映の看板女優として絶大な人気を博しました。これまでに出演した映画の数は、ちょうど100本だそうです。

映画からテレビドラマへ活動の場を移してからも多くの作品で活躍し、その長年の功績が称えられ、1987年には紫綬褒章を、1994年には勲四等宝冠章を受賞しました。ここでは、世界にも名を轟かせた大女優・京マチ子についてまとめていきます。

フェロモン全開!日本のセクシー系女優

京マチ子 画像3

大阪松竹少女歌劇団でレビューダンサーとして活躍していた京が大映へ引き抜かれデビューしたのが1949年。当時としては長身で、日本人離れした豊満なスタイルに妖艶さを漂わせた京の登場は衝撃的だったそうです。

賞賛されるのはルックスだけではありません。大胆でセクシーでありながら、決して品を失うことのない京の演技スタイルに多くのファンが魅了されたといいます。

「つつましさ」が主流であり美徳とされていた当時において、唯一無二の存在だったと言えるのではないでしょうか。

京マチ子の出演作をピックアップ!

『痴人の愛』【1949年】

『痴人の愛』

谷崎潤一郎の小説を原作に、木村恵吾が監督を務めた作品です。

技師である真面目な男がカフェで見初めたナオミを引き取って思い通りの女性に調教しようとしますが、逆にナオミの奴隷のようになっていくという男女の愛欲絵図を描きました。

技師の男が宇野重吉、京はナオミ役で、男を罵り馬にする女王さまっぷりは、さすが日本が誇る肉体派女優です。

『羅生門』【1950年】

芥川龍之介の短編小説『藪の中』に『羅生門』もプラスして黒澤明が監督を務めました。

ある侍の死に関して関係者たちの言い分が食い違う様子を、それぞれの視点で生々しく描き、人間のエゴをあぶり出した作品です。

侍夫婦を襲う盗賊を三船敏郎が演じ、京が務めたのは侍の妻・真砂役。可憐さの中に激しい情念を秘めた魅惑的な妻を熱演しています。

『雨月物語』【1953年】

上田秋成の『雨月物語』をベースにした作品で、監督は溝口健二です。

戦国の世、村から逃げ出した欲望にまみれた男と、男を惑わせ憑りつこうとする亡霊の女を中心に物語は展開されます。京が演じたのは艶めかしい亡霊・若狭でした。

『地獄門』【1953年】

菊池寛の『袈裟の良人』にヒントを得た作品。衣笠貞之助が脚色と監督です。

平安時代末期の混乱の中、ある武将が人妻に恋をし強引に奪おうと試み、人妻は一策を講じて悲しい結末へと導きます。長谷川一夫が人妻に言い寄る武将を、京は貞操を守る人妻・袈裟を演じました。

『黒蜥蜴』【1962】

『黒蜥蜴』

江戸川乱歩の人気小説を、井上梅次が監督を務め映画化。

宝石を狙う女盗賊・黒蜥蜴と名探偵・明智小五郎との対決がいささかB級テイストで描かれていますが、それがまたいい味を出しており、黒蜥蜴(緑川夫人)を演じた京のSM女王さながらの鞭使いは必見です。

海外でも大反響!グランプリ女優

『八月十五夜の茶屋』【1956年】

『八月十五夜の茶屋』

1950年代、前述した『羅生門』や『雨月物語』、『地獄門』は、国際的な映画祭でグランプリをはじめとする多くの賞を獲得し、世界に日本映画のクオリティの高さを知らしめました。

これらの作品で主演女優を務めていた京は、いつしか「グランプリ女優」の異名を持つようになり、当然海外からのオファーも多くあったそうです。

その声に応えて沖縄を舞台にしたハリウッドのコメディ作品『八月十五夜の茶屋』に芸者役として出演した京は、マーロン・ブランドらと共演し、コミカルな演技と見事な日本舞踊を披露し好評を得ています。

テレビドラマや舞台でも活躍

時代劇『必殺仕舞人』

『必殺仕舞人』

銀幕で大活躍を続けた京ですが、大映の倒産と共にその活動の場はテレビドラマや舞台へと移りました。

横溝正史・金田一耕助シリーズのドラマ『犬神家の一族』では犬神松子役、時代劇『必殺シリーズ』では坂東京山役やお国役などを務め、熟女の色香を見せています。

2000年頃から女優活動は控え気味になっていますが、80歳を超えても舞台に立ち、2006年明治座『女たちの忠臣蔵』に特別出演した際には浅野内匠頭の妻・瑤泉院を演じたそうです。

大女優の恋が知りたい!

京マチ子 画像4

これだけ魅力的な美女ですから周囲の男性が放っておくはずはないのですが、不思議と浮いた話は出ませんでした。仕事が一番の恋人だったのか、独身を通しています。

京の代表作のひとつである『羅生門』に関して、実はすでに別の女優の起用が予定されていたところ、京が眉をそり落とし役への意気込みを訴えたため京に決まったという話があります。

『いとはん物語』【1957年】

『いとはん物語』

また、映画『いとはん物語』では、義歯も使った究極のブサイクメイクで見事に醜女になりきりました。京の女優魂が感じられるエピソードであり、いかに女優という仕事に愛情と情熱を注いでいたかが分かります。

京マチ子の現在は?

京マチ子『男はつらいよ』

明治座での『女たちの忠臣蔵』以降の女優活動はないようで、2016年現在は生まれ故郷の大阪に戻り暮らしているそうです。

ほぼ引退状態の京ですが、2014年1月19日のピーター(池畑慎之介)のブログ記事には、京と食事の席を共にした様子が綴られ、90歳を超えても美しく達者な姿が紹介されました。

京マチ子 ピーター

出典: ameblo.jp

また、2015年には早稲田大学演劇博物館にて「映画女優 京マチ子展」が開催されましたが、これは京自身が博物館に多くの貴重な資料を寄贈したことから実現したのだそうです。

「映画女優 京マチ子展」

出典: natalie.mu

展示会では、京が出演した作品にまつわる受賞トロフィーをはじめ、写真やポスター、紫綬褒章と勲四等宝冠章もお披露目されたのだとか。寄贈を受けた博物館の木原圭翔は、以下のように京の近況を語っています。

「ご高齢だけど本当にお元気に見えた。記憶も明晰で、出演された映画について、思い出話をいろいろされた。モノに執着されないようで(寄贈物の扱いなどは)『全部お任せします』という形だった」

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