2016年11月6日更新 202view

レナード・ローゼンマン、『スタートレック』の作曲やテレビドラマの作曲を多く手掛けた作曲家を紹介!

1950年代から70年代にかけて『エデンの東』や『理由なき反抗』、そして『スタートレック』『バリー・リンドン』といった名作の作曲を担当した音楽家レナード・ローゼンマンをご存知ですか?2008年に亡くなったこの映画作曲家について、詳しく見ていきましょう。

音楽家レナード・ローゼンマンって知ってる?

レナード・ローゼンマン

レナード・ローゼンマンという名を聞いたことがあるでしょうか。彼はジェームズ・ディーン主演の『エデンの東』や『理由なき反抗』の作曲家として、また『スタートレック』といった大人気テレビシリーズの作曲家として知られる音楽家です。

アカデミー賞にも2度輝いたことのあるこの名作曲家レナード・ローゼンマンについてくわしく見ていきましょう。

レナード・ローゼンマンの生い立ち

ローゼンマンとジェームズ・ディーン

レナード・ローゼンマンは1924年ブルックリン生まれ。生粋のニューヨークっ子です。第2次世界大戦に従軍した後、カリフォルニア大学バークレー校で音楽を学びます。

さらにアルノルト・シェーンベルクといった前衛派の作曲家に師事。ここで学んだアヴァンギャルドな作曲スタイルは、60年代以降彼が多く担当することとなるSF映画に生きています。

ジェームズ・ディーンと共に

1950年代、レナード・ローゼンマンはジェームズ・ディーンと共に暮らしていた時期がありました。彼はディーンにピアノのレッスンをしていたそうです。そんなディーンがローゼンマンを監督のエリア・カザンに紹介したことが、彼の映画作曲家としての人生を決定付けることになりました。

『エデンの東』と『理由なき反抗』といったディーンの主演作の作曲を担当することとなった彼は、親しみやすいワルツ風の音楽でディーン演じる主人公の繊細な心の動きを見事に描写しています。それにしても初めて作曲を担当した映画が超有名作『エデンの東』とは驚きですね。

このようにローゼンマンと親交のあったジェームズ・ディーンですが、残念ながら1955年に24歳の若さで交通事故で亡くなり、永遠のスターとして伝説になりました。

数々のテレビシリーズに楽曲提供!

コンバット!

1950年代後半から1970年代にかけて、ローゼンマンは映画はもちろん、当時時代を風靡した様々なテレビシリーズのテーマ音楽を作曲しています。例えば『ミステリーゾーン』、『ガンスモーク』や『Law of the Plainsman(原題)』といったウェスタン、そして日本でも大人気となった『コンバット!』などです。

『コンバット!』のテーマソングは日本でも有名で、現在でもCMやバラエティなどでよく流れています。

キューブリック作品『バリー・リンドン』でアカデミー賞受賞!

1975年にレナード・ローゼンマンは、伝記映画『バリー・リンドン』において鬼才スタンリー・キューブリック監督と共に仕事をすることになります。本作はアイルランドの農家に生まれた主人公の一生を描いた、キューブリック唯一の伝記ものです。

この作品は4つのアカデミー賞を受賞しましたが、そのうちの1つがローゼンマンに対して贈られたものでした。

伝統的な民謡やヘンデル、ヴィヴァルディといったバロック音楽が多く使われていますが、これらを巧みに編曲し、さらにオリジナルのスコアを加えたサウンドトラックは、映画に重厚さを加えています。

『スタートレック』と『猿の惑星』の作曲も!

70年代以降、レナード・ローゼンマンはSF映画に多く起用されることとなります。その代表作が『スタートレックIV 故郷への長い道』そして『続・猿の惑星』。

十二音階法と呼ばれる作曲法(オクターブ内の12の音をすべて均等に用いることにより、調に束縛されない音楽をつくる技法)を使って、ローゼンマンはアヴァンギャルドなテーマ音楽を作り上げますが、これが未来や異世界を舞台にしたSF作品にぴったりと合うものだったのです。

『ロボコップ2』のサントラは不評?

低予算で作られたものの大ヒットを記録した1987年のサイボーグ映画『ロボコップ』。ローゼンマンはその続編である『ロボコップ2』のサウンドトラックも担当しています。しかし、これは特にロボコップのファンからあまり良い評価を受けていません。

その理由としては、彼が前作の音楽を一切使用しなかったこと、また「ロボコップ」という言葉が歌われるコーラスを採用したことなどが挙げられます。

ローゼンマンの映画音楽に対する態度

レナード・ローゼンマン

数え切れないほどの映画に音楽家として携わってきたレナード・ローゼンマンには、映画音楽に対して彼なりの見方があります。

僕は直接映画の脚本に入るようにしている。音楽を通して、観客が映画を見ただけでは知覚できないその映画のイメージを語りたいんだ。例えば、僕は男女がキスをしているシーンに対して、背筋が凍るような音楽を書く。そうするとすぐにこれはただの恋愛映画じゃないことがわかるから。そういうチャレンジがあると、楽しいと感じるね。
引用:imdb.com

また彼は、映画において音楽とは、監督が初めて映画に対するコントロールを奪われる場所であるとも述べていました。

製作者とのコミュニケーションはとても大事だ。なぜなら、自分が映画に参加する頃にはもう、監督を含めた製作者たちは数年間もその企画の中に身を置いているのだからね。僕はたった6週間かそこらで、映画のイメージを結晶化することを求められる。製作者にとってこれがストレスになるのは当然だよ。音楽は唯一、彼らがコントロールできない時だから。
引用:imdb.com

2008年に亡くなったレナード・ローゼンマン…その遺産とは?

ローゼンマン死去

1950年代から半世紀にも渡ってハリウッドの第一線で活躍を続けてきたレナード・ローゼンマンですが、晩年には認知症を患い、2008年に心臓発作により83歳で亡くなりました。

ジェームズ・ディーンとの出会いがなければ、きっと大学で音楽理論を教えていただろう彼は、現代の映画音楽家には珍しい、映画と前衛的な表現派コンサート音楽の架け橋として活躍しました。

ジャズのバックグラウンドから誕生する映画音楽家が多い中で、彼は異質な存在です。ハリウッド映画の音楽に十二音階法を初めて持ち込んだのもレナード・ローゼンマン。まさしく新たな時代を築いた映画音楽家だったのです。

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