2017年7月6日更新

映画『愛と哀しみの果て』に出演していたキャストの現在【アカデミー賞】

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愛と哀しみの果て

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『愛と哀しみの果て』は国と人への深い愛と哀しみを描く大作

アカデミー作品賞、監督賞をはじめ、アカデミー賞7部門、その他映画賞を含め28の映画賞を受賞した本作は、スティーヴン・スピルバーグ監督を押さえてアカデミー賞を受賞したことでも話題になりました。 1913年のデンマークから物語は始まります。裕福で独身のカレン・ブリクセンが友人のブロア・ブリクセンに「便宜上の結婚」を申し入れ、ブロアが同意。二人はアフリカで酪農場を始める計画を立て、アフリカに到着し、結婚式を挙げた二人ですが、運命は次第にカレンの期待から逸れ、思わぬところへ彼女を導いていきます・・・。 主演の二人に大物俳優を起用した他、共にイギリスの超名優もこっそり登場している本作ですが、作品に登場した俳優陣は現在どうしているのでしょうか?その気になる現在をご紹介します。

カレン・ディネーセン/メリル・ストリープ

彼女の女優としての経歴は輝かしいものです。カレン・ディネーセンを演じた『愛と哀しみの果て』でアカデミー賞主演女優賞にノミネートされました。迷いながらも力強く生きる女性を演じたその演技は当時の最高レベルとまで賞されました。 この映画があまりにも人気と成功を博したため、高額ギャラや「演技に人間味がない」などの批判も受けましたが、『クライ・イン・ザ・ダーク』(1988)でカンヌ国際映画祭女優賞など、いくつかの映画賞を受賞し、英語の「訛り」の演技に磨きをかけるなど、着々とキャリアを積んでいきました。 90年代にも、『マディソン郡の橋』(1995年)でアカデミー主演女優賞にノミネートされ、『マイルーム』(1996年)ではゴールデン・グローブ賞の助演女優賞を受賞するなど高い評価を受けています。 ゴールデングローブ賞、主演女優賞受賞を受賞した『プラダを着た悪魔』(2006年)での演技が印象に残っている人も多いでしょう。2000年代には、スティーブン・スピルバーグ監督の『A.I』に声優として出演したり、『かもめ』で20年ぶりに舞台に復帰するなど活動の幅を広げつつあります。 2011年公開の『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』では、通算3度目のアカデミー主演女優賞を受賞しました。まさにハリウッドスターの「大御所」といえるメリル・ストリープ。その活動から目が離せません。

デニス/ロバート・レッドフォード

ロバート・レッドフォードが演じたのは、カレンの友人であり、後に恋人となるデニスでした。90年代、2000年代になってもスター街道を歩み続けています。 1993年の『幸福の条件』の役は彼の最高の演技とも評され、2001年のアクション大作、『スパイ・ゲーム』は、ブラッド・ピットとロバート・レッドフォードの新旧イケメン俳優の共演で話題になりました。2002年には映画での生涯を通じての経験を評価されアカデミー名誉賞を受賞しています。 また映画監督としてもキャリアを積んでおり『普通の人々』(1980年)では、アカデミー監督賞とゴールデングローブ賞 監督賞を受賞。寡作ではありますが、社会的な関心に基づいた映画を継続して撮り続けています。

デラメア男爵/マイケル・ガフ

植民地開拓の功労者デラメア男爵を演じたのはイギリス人俳優マイケル・ガフです。 1989年の『バットマン』に始まる4本の『バットマン』シリーズで、執事アルフレッドを演じていた、と言うと思い出す人も多いかもしれません。『愛と哀しみの果て』の後の彼の一番の仕事はアルフレッド役なのです。 また彼はティム・バートンのお気に入りの俳優の一人で『スリーピー・ホロウ』(1999年)、『ティム・バートンのコープスブライド』(2005年)、『アリス・イン・ワンダーランド』(2010年)にも出演しています。

ブロア男爵/クラウス・マリア・ブランダウアー

オーストリア人のブランダウアーが演じたのは、カレンの夫となるブロア男爵。『愛と哀しみの果て』でもアカデミー賞 助演男優賞にノミネートされた彼は、その後も活躍を続け、いくつもの俳優賞を受賞することになります。 『ハヌッセン』(1988年)で、ヨーロッパ映画賞の最優秀男優賞にノミネートされ、『ウィーンに燃えて』(1988年)ではドイツ映画賞についで権威のある、バイエルン映画賞 最優秀男優賞を受賞するなど、ヨーロッパ映画界で確かな評価を得ています。 アメリカ映画にも度々起用され、2000年には『アカデミー 栄光と悲劇』でゴールデングローブ賞助演男優賞にノミネートされています。俳優業以外でも、『マリオと魔術師』(1994年)では監督として才能を開花させ、アンドレイ・タルコフスキー賞を受賞しました。今後の彼の様々な活躍に期待が膨らみますね。

コール/マイケル・キッチン

デニスの友人のコールを演じたのは、マイケル・キッチンでした。 ジェームズボンドシリーズの『007 ゴールデンアイ』(1995年)、『007 ワールド・イズ・ノット・イナフ』(1999年)をはじめ、映画はもちろんTVや舞台でも多彩な役柄をコンスタントに演じています。 TVドラマ『刑事フォイル』(2002年~2015年)では、主演を射止めました。NHKBSプレミアムで、2017年1月から15話からの吹き替え版が放送される予定だそうです。

ジョセフ・バイン卿/レスリー・フィリップス

1934年生まれのレスリー・フィリップスは本作で、アフリカ総督であるジョセフ・バイン卿を演じました。 1985年以降もベテラン俳優として活躍を続け、スティーブン・スピルバーグ監督の『太陽の帝国』(1987年)や『トゥーム・レイダー』(2001)などの大作にも出演したこともありました。 そして...ハリーポッターシリーズの「寮の組み分け帽子」の声優もやっていたなんて知っていましたか?

ベルフィールド伯爵夫人/レイチェル・ケンプソン

1910年生まれのレイチェル・ケンプソンが演じたのは、ベルフィールド伯爵夫人でした。本作の製作年は85年でしたが、レイチェルが夫と死別したのも1985年。1986年には自伝も出版しています。 1985年以降、彼女は『天国の盗人』(1988)、『ワーニャ伯父さん』(1991)『デジャヴ』(1997)でも活躍されていますが、1985年以前の作品での印象が強いですね。