2017年7月6日更新

映画『ディパーテッド』のあらすじキャスト【ネタバレ注意】

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映画『ディパーデッド』!香港ノワールの傑作『インファナル・アフェア』を豪華キャストでリメイク!

マーティン・スコセッシ監督がメガホンをとった映画『ディパーデッド』は2006年公開の映画。本作は2002年から2003年に架けて3部作として製作された大ヒット香港映画『インファナル・アフェア』のリメイク作品です。 公開当時はあまりにも豪華すぎるキャスト、そして誰もが予想だにしなかった衝撃的ラストが話題になりました。

映画『ディパーデッド』あらすじ【ネタバレ注意】

物語は警察に潜入したギャング、コリン・サリバン(マット・デイモン)とギャングに潜入した警察ビリー・コスティガン(レオナルド・ディカプリオ)の戦いを描いたもの。物語の舞台となる街には麻薬が蔓延していて、警察とフランク・コステロ(ジャック・ニコルソン)率いる犯罪組織は過激な戦いを続けていました。 そんな過激な戦争を終焉させるために、警察は敵を内部から崩すことに。警察はビリーに犯罪組織に潜入するという任務を与えます。 一方、コステロも手を打っておりコリンを新人警察官として潜入させるのです。そのため警察の動きは全て筒抜け。何度もコステロ逮捕直前に邪魔が入ることから警察は内部にスパイがいることに気づきます。コステロもまた内部にネズミ(=スパイ)がいることに気づいていました。 自分への疑いが強まっている中、何とかスパイ容疑を晴らしたビリーはコステロと共に麻薬取引の場へと向かいます。しかしそこにはすでに警察がいました。コリンがフランクを裏切ったのです。コリンは自らの手でフランクを殺害。犯罪組織が壊滅したため、ビリーは潜入捜査から復帰します。 初めて互いに顔合わせをする2人。コリンが情報を確認するため部屋を離れている間、ビリーはコリンがが裏切者だという証拠を発見します。コリンもまたビリーが警察に復帰できないように全ての情報を消去。ここから2人の直接対決が始まるのです。 ビリーは何とかコリンを追い詰めますが、現れた警察の手によって殺害されます。なんとコステロが送ったスパイはコリンだけではありませんでした。 コリンはそのスパイをも殺害。彼の勝利かと思われましたが、ラストにはコリンの正体に気づいたディグナム巡査部長(マーク・ウォルバーグ)に殺されます。

『ディパーデッド』出演のキャスト

ビリー・コスティガン/レオナルド・ディカプリオ

レオナルド・ディカプリオは1974年生まれのカリフォルニア州出身。10歳のころから芸能の道で食べていこうと様々なオーディションを受けますが、ことごとく不合格となります。 そんな彼の転機となったのは1993年の映画『ギルバート・グレイプ』。19歳だったディカプリオは知的障害のある少年アーニー・グレイプを演じ、アカデミー賞助演男優賞にノミネートされます。映画には若かりし頃のジョニー・デップ(ギルバート・グレイプ)も出演。 その後1996年の『ロミオ+ジュリエット』ではロミオ役を演じるなど話題作にたびたび出演します。そしてスターの座を確固たるものにした作品が皆さんご存知の映画『タイタニック』でした。1997年に公開されたこの映画はたちまち大人気となり、アカデミー賞では11部門での受賞を果たします。ディカプリオは主人公のジャック・ドーソンを演じました。 スターの座を築いた彼の活躍はとどまることを知らず、2004年には映画『アビエイター』でハワード・ヒューズを演じ、2006年には今作『ディパーデッド』でマフィアに送り込まれた警察ビリーを演じました。 何度もアカデミー賞にノミネートされながらも、受賞することがなかったディカプリオでしたが、2015年の映画『レヴェナント: 蘇えりし者』で主人公のヒュー・グラスを熱演。そしてついに念願のアカデミー賞主演男優賞を受賞したのです。

コリン・サリバン/マット・デイモン

警察に送り込まれたマフィア、コリンを演じたマット・デイモンは1970年生まれマサチューセッツ州出身。彼の映画デビュー作は1988年の『ミスティック・ピザ』での端役です。その後1996年の映画『戦火の勇気』でヘロイン中毒の患者イラリオを演じます。 無名だった彼の名を一躍世界に広めたのが1997年の映画『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』です。彼はベン・アフレックと共に脚本を執筆し、アカデミー賞脚本賞を受賞します。それだけではなく主人公のウィル・ハンティングを熱演したことが評価され、アカデミー賞主演男優賞にノミネートされるのでした。 その後は多数の話題作に出演するようになります。主な代表作は2001年の映画『オーシャンズ11』でのライナス・コールドウェル役、2009年の映画『インビクタス/負けざる者たち』でのフランソワ・ピナール役、そして2015年の映画『オデッセイ』でのマーク・ワトニー役等です。

フランク・コステロ/ジャック・ニコルソン

犯罪組織のボスフランク・コステロを演じたジャック・ニコルソンは1937年生まれニュージャージー州出身。もはや説明不要のハリウッドの伝説的名優はデビューから2016年にまで12回ものアカデミー賞ノミネート経験があります。 初めてノミネートされた作品は1969年の映画『イージー・ライダー』。ジョージ・ハンソンを演じた彼はアカデミー賞助演男優賞にノミネートされました。 その後も1973年の映画『さらば冬のかもめ』でのビリー・バダスキー役、1974年の映画『チャイナタウン』でのジェイク・ギテス役でアカデミー賞主演男優賞にノミネートされます。 そんな彼が初めて受賞した作品が不朽の名作と知られる1975年の映画『カッコーの巣の上で』。彼は主人公のランドル・パトリック・マクマーフィーを演じアカデミー賞主演男優賞を受賞しました。 その後の主な代表作は1989年の映画『バットマン』でのジョーカー役、1997年の映画『恋愛小説家』でのメルヴィン・ユドール役です。『恋愛小説家』ではアカデミー賞主演男優賞を再び受賞しました。 2010年に出演した映画『幸せの始まりは』でのチャールズ役を最後に俳優業は行っていません。

ディグナム巡査部長/マーク・ウォールバーグ

ディグナム巡査部長を演じたマーク・ウォールバーグは1971年マサチューセッツ州出身。彼の映画デビューは1994年の『勇気あるもの』でのトミー・リー・ヘイウッド役です。 デビューして以来順調に出演作を積み重ねてきて2006年の『ディパーデッド』ではディグナム巡査長を好演しアカデミー賞助演男優賞にノミネートされました。 2010年の映画『ザ・ファイター』では主人公のミッキー・ウォードを演じるだけではなく、制作も務めています。多数の出演作を誇る彼ですが我々に1番馴染みのある作品と言えば2012年の映画『テッド』でしょう。彼はテッドの相棒ジョン・ベネットを演じています。

映画タイトル『ディパーデッド』の意味とは?

今作のタイトルを原題で書くと”The Departed”です。Departedには「死者」、「出発した」という意味があります。 映画を鑑賞した方ならわかるかと思いますが、今作ではメインキャラクターがほとんど死んでしまいます。フランクも、ビリーも、コリンまでもほとんどすべてのメインキャラクターが悲惨な死を遂げるのです。 映画タイトルはコリンとビリーが潜入捜査に出発した(=Departed)瞬間から、彼らは死(=Departed)に向かっているという見解もあります。 ちなみに映画のキャッチコピーは「男は、死ぬまで正体を明かせない。」。The Departedになった瞬間にビリーとコリンは本当の自分になることができたのです。

衝撃のラストを解説

今作のラストは衝撃的ですよね。ビリーがコリンを追い詰めたかと思えば、コリンはもう1人のスパイによって救われます。そしてそのスパイはビリーを殺害するのです。その後コリンはFBIで築いた地位を守るために自身の正体を知るスパイを殺害します。ここで死の連鎖は終わりません。 ディグナム巡査部長がコリンを待ち伏せして殺害。そして映画は終了します。 なぜディグナムがコリンを殺害したのか謎に感じている人は多数いるかもしれません。コリンは自分の正体を知るすべての人間を消していました。 ではどうしてディグナムがコリンの正体に気づいたのでしょうか? 1つの可能性はビリーが自身の精神科医であり、コリンの恋人のマドリンに与えたメモにあります。 ビリーはコリンがネズミ(裏切者)であると発見した後、直接マドリンに手紙を渡すのです。ディグナムがコリンを殺害したことを考慮すると、手紙にはコリンがネズミであることをディグナムに伝えるように書かかれていたと考えることができます。もちろん証拠付きで。 手紙の内容は明かされていないので、これはあくまでも推測です。

ある役者が行った究極の役作りとは!?

今作でディグナム巡査長を演じたのはマーク・ウォールバーグ。実は彼は若いころかなりやんちゃでした。高校を中退した後には、暴力やドラッグまみれの荒れた生活を送り、殺人未遂の容疑で起訴されたこともあるそうです。 警察に何度もお世話になった彼は本物の警察を何度も見てきました。そんな彼が今作でディグナムを演じるにあたり、参考にした人物が若き頃のマーク・ウォールバーグを20回以上も逮捕した警察だそうです。

『ディパーデット』驚きの製作秘話9選

フランク・コステロのモデルは実在のマフィア

ジャック・ニコルソンが演じたマフィアのドン、フランク・コステロにはモデルがいます。その人物とはかつてボストンを牛耳っていたアイルランド系マフィア、ジェームズ・“ホワイティ”・バルジャー。長年FBIの重要指名手配犯として100万ドルの懸賞金をかけられていた人物です。 ちなみにバルジャーは2011年に逮捕され、彼の半生を描いた『ブラック・スキャンダル』がジョニー・デップ主演で製作されています。

スコセッシが監督を引き受けた理由とは?

この映画の監督を引き受けた理由として、スコセッシは脚本が好きな映画と似ていたからだと答えていました。その映画とは1949年に公開された『白熱』で、警察官がマフィアの世界に潜入捜査するという題材も『ディパーテッド』と似ています。

ブラピとトムが主役だったかも!?

豪華なキャストも『ディパーテッド』の魅力のひとつ。レオナルド・ディカプリオとマット・デイモンがW主演でしたが、元々はブラッド・ピットとトム・クルーズ主演の予定だったのだそう。しかし年齢がいきすぎているという理由でその話はなしになり、代わりにブラッド・ピットはプロデューサーとして名を連ねることとなりました。

ロバート・デ・ニーロと『グッド・シェパード』が大いに関係していた

また、過去に8作品でスコセッシとタッグを組んできたロバート・デ・ニーロも出演をオファーされていました。しかしその時自身の監督作品『グッド・シェパード』を撮影中だったため、出演を断ったのだそう。 なお『グッド・シェパード』ではレオナルド・ディカプリオが主役となるはずでしたが、『ディパーテッド』への出演を理由に断られてしまいます。そこでデ・ニーロは『ディパーテッド』の撮影を早く終えていたマット・デイモンに声をかけたというわけ。そう、『グッド・シェパード』の主演はマット・デイモンなのです。

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ジャック・ニコルソンが見せた超リアルな演技

主演2人を固めるのが共演のベテラン陣。なかでもジャック・ニコルソンの存在感は抜群。スコセッシ監督によると彼はあるシーンで本物の銃をレオに突きつけていたのだそう。監督ですら知らなかったそうで、「裏切り者の匂いがするな」とつぶやいたニコルソンの演技に、レオは演技ではないリアルな恐怖の表情を浮かべたそうです。

レッドソックスの帽子は絶対に嫌!

共演者を震え上がらせる怪演の一方で、ジャック・ニコルソンにはお茶目な一面も。彼は長年ニューヨーク・ヤンキースのファンであるため、ボストン・レッドソックスの帽子をかぶることを断固拒否したそう。「そんなことできっこないよ」と本人は語ったそう。

ウォルバーグとスコセッシは険悪な関係だった?

また、ディグナム巡査部長を演じ、アカデミー賞助演男優賞にノミネートされたマーク・ウォルバーグの演技にも注目。彼は撮影中監督と緊張状態にあったという意外な事実を打ち明けています。もともとウォルバーグの撮影期間は2週間と言われていたにもかかわらず、4ヶ月だったことが原因のよう。

あるマークに隠された意味とは?

マフィアと警察の抗争というテーマのため、劇中では殺人が頻繁に起こります。そしてそのシーンでは必ずある文字が何らかの形でシーンに映し出されます。それはアルファベットの「X」。これは1932年公開の『暗黒街の顔役』で使われていたアイディアのようで、スコセッシがこの映画を好きだったことが理由のようです。

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『ギミー・シェルター』はスコセッシ映画の定番

この映画で使われたローリング・ストーンズの『ギミー・シェルター』という曲、実はスコセッシの前の映画『グッドフェローズ』や『カジノ』でも使われています。スコセッシのギャング映画のテーマ曲のような存在になっています。