2017年7月6日更新

ビリー・ワイルダー監督のおすすめ映画10選【娯楽映画の神様】

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『ワン・ツー・スリー』

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ハリウッド黄金期に活躍したビリー・ワイルダー

ビリー・ワイルダーは1906年オーストリア生まれのアメリカ映画製作者。2002年に肺炎との闘病後95歳で亡くなるまで、50年以上に渡り60作以上の作品を制作したワイルダーは脚本や演出も努め、アーティスト、ジャーナリストでもありました。

後期に顕著となった制作スタイル

撮影自体が注目を集めるようなものでは観客がストーリーに入り込めなくなるというのがワイルダーの持論で、彼の映画のプロットとセリフはしっかりとしていて記憶に残るものになっています。 しかしこの保守的といえる監督スタイルにもかかわらず、ワイルダーの扱う主題はしばしば主流エンターテイメントの限界を押し上げることがありました。 一度主題が決まると特定の人物でイメージを広げていきますが 、どれだけ才能ある役者にも必ず限界があり、脚本に合わせようとしてそれ以上のものを強要するよりも脚本の方を役者の個性に沿わせるほうが結果うまくいく、というのが信条でした。

数々のアカデミー賞を受賞

アカデミー賞に21回ノミネートされ、内『失われた週末』、『アパートの鍵貸します』で監督賞、この2作と 『サンセット大通り』で脚本賞、また『アパートの鍵貸します』では作品賞も受賞するなど、合計6つのオスカーを勝ち獲りました。 ハリウッド黄金期の最も多芸で技巧的な映画製作者の1人として尊敬されています。

1. 美女と2人の御曹司【1954年】

Daichi_Yamada 超一級のコメディ映画。小ネタを散りばめながらも、無駄の無いストーリー。ハンフリー・ボガートの顔がビニールのハンモック越にゆらゆら揺れるのは、銭形警部が噴水越に揺れる描写の元ネタかもしれない。いや、きっとそうだ。
NakanishiMiho ロールスロイスのエンジンふかして自殺試みるシーンが印象深い。コメディ的要素も満載
ライナス(ハンフリー・ボガート)とデイヴィッド・ララビー(ウィリアム・ホールデン)は超がつく裕福な家庭の2人息子。ライナルは家業である帝国企業の運営に駆け回る仕事人間で妻や家族に費やす時間がありません。デイヴィッドは3回の離婚歴がある遊び人で、形式上は家族会社に雇われていますが実際は遊んでばかりで会社に顔を出したこともありません 。 サブリナ・フェアチャイルド(オードリー・ヘップバーン)はシャイでちょっとぎこちない、ララビー家おかかえ運転手の若い娘。幼い頃からデイヴィットに夢中だったサブリナですが、パリへ発った2年後に優雅で洗練された美しい女性へと変身して帰国するまでは目向きもされませんでした。 ふいにデイヴィッドの視線が自分に向いていることに気づくサブリナですが、同時にライナスと自分が恋に落ちていることにも気づきます。 面白おかしくて非常に魅力的な『麗しのサブリナ』。ワイルダーの数ある純コメディ作品とは一線引いた威力を持っています。

2. あの有名なモンローポーズ【1955年】

ririri511 マリリンのスカートふわ~!の有名なシーン。マリリンの可愛さ、魅力しか印象に残らなかった。まるでスクリーンを彩る華。世代を越えて愛される理由が分かる。
Satoko_Suzuki VHSにて マリリンが地下からの風を受けて、白いワンピースのスカートを押さえるシーンは余りにも有名。ですが、ストーリーも良いんです。 男の妄想炸裂なだけですが。
ワイルダーコメディの1つ、『七年目の浮気』は全く違った毛色の作品です。 トム・イーウェル演じる出版社の中年男性は心理学の草稿に目を通す傍らある確信を抱きます。7年間連れ添った妻を裏切って名も無き、そんな思惑も知らない隣人との浮気に走る運命にあるのだと。 ここでもモンローは理想的な役を再現します。また、これがあのモンローがスカートを押さえつけているアイコニックな画が登場した作品です。 心理的な緊張と弛緩を使うことで高度な満足感が得られるよう上品に作られた娯楽映画となっており、過度な演技で特徴づけられることが多いハリウッドの現代コメディからは完全に独立しています。

3. ドタバタ女装コメディ【1959年】

1231netabare マリリン・モンローが出演する映画の中でもかなり好きな作品です。一世を風靡した彼女の魅力がたっぷりの一本でした。マリリン・モンローと言えばセクシーの代名詞ですが、この作品ではそれに加えて愛らしさが一面に出ています。 また、それだけではなくコメディ作品としてかなり面白く楽しいのです。主人公のジャック・レモンとトニー・カーティスのやりとりが面白い。とゆうか、あの女装でよく乗りきれましたよね!それが巻き起こすドタバタが良い!
meshi ドタバタコメディな感じ。 マリリンモンロー映画初めてみたけど、いやはや美しいわ。可愛くて美しい。 スピード感があるので深さはそんなにないけど、飽きずに観られる作品でした。 やはりジャックレモンはいい。
聖バレンタインデーの殺戮を目撃しまったシカゴのミュージシャン、ジョー(トニー・カーティス)とジェリー(ジャック・レモン)。ギャングの親玉スパッツ・コロンボから逃れるため町を出ようと必死で仕事を探しますが、見つかったのはフロリダへと向かう女性ばかりの楽団だけでした。 女装して駅に現れた2人はジョセフィン、ダフネと名乗り、サックスとベース奏者の代わりを務めることになります。 女性に囲まれるのはもちろん楽しい2人ですが、特に気になるのは歌手でウクレレ奏者のシュガー・ケーン・コワルチェック(マリリン・モンロー)。ジョーに至っては、ジェリーことダフネが大富豪オズグッド・フィールディング3世(ジョー・E・ブラウン)に求婚される一方シュガーに言い寄ります。 やがて、身元を隠し続けようとする2人と犯罪組織トップの会合に現れたスパッツ・コロンボ一行は大混乱を巻き起こします。 黄金期コメディの決定版『お熱いのがお好き』、飛び抜けたお笑い映画です。

4. センセーショナルなスリラー映画【1953年】

Haruka_Fukuda 起承転結ではなく、結起承転な映画。 事件の首謀者ネフが一連の真相を告白するところからはじまり、物語は回想しながらネフの種明かしのナレーションがはいる。 ビリー・ワイルダーといえばコメディだけど、フィルムノワールをつくっても繊細な演出はすばらしい 車の中での男女の駆け引き 作業を終え安堵した瞬間にかからないエンジン とても感情移入しようとは思えない主人公たちの行動でも、ふと無意識に応援している自分に気づいたり ラストのひねりも素敵です
EllyMimy タイトルからしてヒッチコックの作品かと思っていましたが、 私の好きなビリー・ワイルダーの作品でした! ある殺人を犯した男が その顛末を振り返るという感じでストーリーが進みます。これが戦前の作品 だなんて、クオリティが高い!
1938年、保険会社の敏腕セールスマン、ウォルター・ネフ(フレッド・マクマレイ)は顧客の魅惑的な妻フィリス・ディートリクスン(バーバラ・スタンウィック)に出会い、2人は恋仲になります。フィリスは保険金を受け取るために夫の殺害を提案し、ウォルターは倍額の保障金を受けとれるよう計画を練ります。 ディートリクスン氏の死体が列車内で発見され警察は事故死としての判断を受け入れますが、ウォルターの親友である保険アナリストのバートン・キーズ(エドワード・G・ロビンソン)はフィリスが男の力を借りて夫を殺したのではないかという疑いを持ちます。
バーバラ・スタンウィック、フレッド・マクマレイ(深夜の告白)
ワイルダーはジャンルの制約をものともしない監督で、1940年代のアメリカンスリラー『深夜の告白』のスタイルと主題は、自身のおびただしいコメディ作品とこれ以上ないほどはっきりと相反しています。 3作目の監督作品である不倫が要のこの映画は、映画産業で徐々に崩壊へ向かう不適切なコンテンツの検閲において重要な基準となります。

5. ハリウッドの闇を描いた衝撃作【1951年】

southpumpkin なるほどこれはたしかに名作。ひょんなことから一線を退いた大女優の住む家に住み込むことになった男がプールに浮んで死ぬところから始まるお話。狂気的な妄想に取り憑かれる元大女優と、それに拍車をかける召使が住む蟻地獄のような洋館から男が抜け出せなくなるのが非常に恐ろしく感じます。 如何ともし難い加齢という存在を強く意識させます。一線を退いたおばあさんではなく、単に引きこもっている若い美人女優だったらこの話は全く成立しないはずです。主人公とおばあさんがイチャイチャしているシーンに感じられる明らかな悪意はこの映画の強いメッセージだと思います。加齢に抗うなかれ、ということです。 ラストシーンのインパクトは絶大です。グロリア・スワンソンのドヤ顔は映画史に残るシーンです。グロリア・スワンソンを調べて知ったのですが、もろ『バードマン』ですね。これで『バードマン』を観る準備が整いました。
1uhya 時代に取り残された女優ノーマの狂気に満ちた表情が凄まじい。彼女の過去への執着は憐れだが滑稽でそのバランスが絶妙だと感じた
1950年代のハリウッド、ぱっとしない脚本家のジョー・ギリス(ウィリアム・ホールデン)は脚本が映画会社に売れず、多額の借金を抱えてたため故郷で会社員になろうかと考えていた。 取り立て屋から逃れようとしていた際にタイヤがパンクしてしまい、サンセット大通りにある廃墟の駐車場に車を停めたジョー。そこで出会った屋敷の主、サイレント映画の元スター女優ノーマ・デズモンド(グロリア・スワンソン)は執事のマックス・フォン・マイアリンク(エリッヒ・フォン・シュトロハイム)と2人きりで暮らしている。 世界から隔絶されたノーマは映画業界への復帰を頑なに信じていて、元夫であり映画監督のマックスの愛情の保護下にあった。屋敷に移り住んで映画界復帰のための脚本の執筆をするよう提案を受けた三流脚本家のジョーは、やがてノーマの愛人として囲われるようになります。 ジョーが若き脚本家志望者のベティ(ナンシー・オルソン)と恋に落ちた時、嫉妬で完全に正気を失ったノーマの狂気が悲劇をもたらすことになります。

6. 花も恥じらう乙女と遊び人のラブコメ【1957年】

aimi 1957年 ビリー・ワイルダー監督 ゲーリー・クーパー、オードリー・ヘプバーン主演 は~面白かった! 超女好きのフラナガンが、謎の女の子に徐々にハマっていく様子と、 プレイボーイに恋したアリアーヌの一途さと背伸び感、 親心がよかったなぁ しかもめっちゃ笑えた~ 特にバンド隊とのお酒のやりとりが・・・笑 ラストの親父さんの気の利いたナレーションが最高!
1uhya 背伸びをしながら大人の恋愛をしようとするオードリーがものすごくかわいかった。セリフがとってもオシャレだなぁ
『昼下りの情事』はクロード・アネの小説『アリアーヌ(原題)』を映像化したロマンスコメディ映画です。 パリの探偵クロード・シャヴァッス(モーリス・シュヴァリエ)は、依頼人の妻と悪名高いアメリカの道楽人フランク・フラナガン(ゲイリー・クーパー)の浮気調査に雇われる。疑惑が確信へと変わった時、フラナガンを殺す計画が伝えられますが、それを盗み聞きしたクロードの娘のアリアーヌ(オードリー・ヘップバーン)は迫りくる脅威をフランクに警告します。 ここでフランクのような経験豊富な遊び人を演じたアリアーヌ。女泣かせのフランクは動揺しつつも翌日アメリカへ帰国、完全に熱を上げていたアリアーヌはフランクのロマンチックな冒険のニュースを追います。 1年後のパリで再開した2人。昼下がりのホテルで落ち合った時、ことありげに過去の男性達との話をひけらかすミステリアスなアリアーヌと自分の嫉妬心に驚いたフランクは、クロードに調査を依頼。事態に気づいた探偵はフランクに娘を傷つけてくれるなと頼みますが・・・。

7. 愛と仕事、どっちを選ぶ?【1960年】

Kensuke_Tamura 大好きな映画の1つです。 部屋を貸しつづけて断れないサラリーマン。 彼がエレベーターガールを口説こうとするもその子は部長の恋人。 感動のラストは何度見てもよい。
YU66 1959年ニューヨークを舞台に、いかにもアメリカンな仕草(ワインを手に持ちながらオーバーリアクションでボトボトワインがこぼれたり…)やジョークが飛び交うロマンスコメディでフッと我慢出来ずに吹出してしまう可愛らしい映画でした。 主人公が恋した女の子は上司の浮気相手ですが、愛人らしくないはつらつとしたフランは笑顔も泣き顔も全てキュートです。 そして素晴らしい当時のファッション! 男性のキャスケットやトレンチコート、 女性のツイードツーピースやヘアスタイルのオシャレな事オシャレな事…。 部長の秘書のファッションは極上でした、真似したい。
妾との逢引きのため別宅が必要だったシェルドレイク部長(フレッド・マクマレイ)は昇進を約束する代わりにバクスター(ジャック・レモン)のアパートの一室を使い始めますが、気になっていたエレーベーターガールがシェルドレイクの愛人だと知りバクスターはがっかりします。 そしてすぐにバクスターは愛する女性とキャリア昇進の間で決断を迫られることになります。 当時のお騒がせコメディに比べてより鋭く知覚的な切れ味のある『アパートの鍵貸します』は、やり手アメリカ人の倫理的2面性をおかしく皮肉った作品です。

8. 半世紀に一度のサスペンス映画【1958年】

youcacon 怪しいタイトルとパッケージしてるけどもすんごい作り込まれた法廷映画だった。50年以上前の映画とは思えません。ハイセンス。面白い話の展開。 さすが不朽の名作と言われるだけあるわ…(°_°)
1uhya 映画の終わりに「結末は誰にも言わないよう」とナレーションが入る本作、めちゃくちゃ面白かった。結末の衝撃もさながら、構図のお洒落さやセリフ回しの気の利かせ方が上手いなぁと感動。主人公の弁護士と彼を支える看護士は実は本当に夫婦だそうで、だからこその空気なのかなぁと思う。 邦題も大胆でいい。まさにこの映画を表している
尊敬された刑事弁護士フィルフリッド・ロバーツ氏(チャールズ・ロートン)は心臓発作から戻ってきたばかり。当たり障りのない民事訴訟を手がけるはずが、裕福な中年の未亡人殺害の容疑がかけられた色男レナード・ヴォール(タイロン・パワー)のケースに着手せざるを得なくなる。 そう、容疑者の妻クリスチーネ・ヴォール(マレーネ・ディートリヒ)が証言者として現れた時です。弁護側ではなく、起訴する側として。 ロンドンを舞台に繰り広げられる法廷劇『情婦』はワイルダーのダークな作品の1つです。

9. アルコール依存の悲劇を描く【1947年】

hitomisnotebook 初期のワイルダーの作品でアルコール依存症のお話で重苦しくシリアス 中後期のワイルダーの作品からするとコミカルさが無くて驚き 映画は非常に良く出来ていて構成は素晴らしく伏線は全て回収されまた映像も素晴らしい レイ・ミランドの迫真の演技も素晴らしくジェーン・ワイマンも良かったね ハッピーエンドで終わるのもまたワイルダーらしい ワイルダーってバランス感覚に優れた監督さんだね
0ken0ruk アル中の話
ドン・バーナム(レイ・ミランド)は売れない作家のアルコール中毒者。なんとかドンを10日間しらふでいさせた兄ウィック(フィリップ・テリー)と恋人のヘレン(ジェーン・ワイマン)は、田舎へ行こうと週末の小旅行を計画します。 しかし旅行前日の晩に2人を外出させたドン。お金もなく家に1人、飲みたくてたまらなくなり・・・。 『失われた週末』は “文化的、歴史的、あるいは審美的に重要”な作品として2011年にアメリカ国会図書館の国立映画レジストリに加えられました。

10. ドイツが舞台のはちゃめちゃコメディ【1962年】

1961年、壁が建てられる直前の西ベルリンでコカコーラの支部長を務めるマクナマラ(ジェームス・ギャグニー)は、西ベルリンにやってくるボスの娘スカーレット(パメラ・ティフィン)の世話をすることに。しかしこの役目、一筋縄ではいかなくなります。 スカーレットと東ドイツの共産主義者オットー(ホルスト・ブッフホルツ)が付き合っていることを知ったマクナマラは、自分の首を守るためにあの手この手でボスからこのことを隠し通そうとします。