2023年3月9日更新

映画『HERO』(2015)あらすじネタバレを相関図つきで考察!ラストシーンで描かれた2人の関係は?

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『HERO』劇場版第1弾&第2弾

木村拓哉がこれまでにいなかった主人公の検事・久利生公平に扮し、驚異的な視聴率を記録した大ヒットドラマの映画化作品『HERO』。2015年の年間映画興行ランキング(洋画含む)で第8位、興行収入46億7000万円を記録。邦画の中では実写作品のNo.1に輝きました。 劇場版は2007年の1作目に続き2作目。ドラマ映画のヒットが難しくなっている中での快挙とも言える結果を残しました。この記事では映画『HERO』(2015)のあらすじをネタバレありで解説します。

キャスト 木村拓哉 , 松たか子‎ , 北川景子
スタッフ 監督:鈴木雅之 脚本:福田靖
上映時間 119分

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映画『HERO』(2015)のあらすじ

前回までのおさらい

ラフな出で立ちと中卒で司法試験合格という型破りな検事・久利生公平は事務官の雨宮舞子と衝突しながらも東京地検城西支部のメンバーの助けもあり難事件を解決。 地方支部を転々としたのち久利生は城西支部に戻ってきました。雨宮は難波支部の検事になり、久利生は新たな相棒、事務官の麻木千佳と再び事件を解決していきます。

今作のあらすじ

ネウストリア公国大使館の裏通りで起こった交通事故。死亡者が出たことから、検察も事故の捜査に加わることになります。 しかし、検事・久利生と事務官・麻木千佳が事故を起こした運転手の取調べを進めるうちに、死亡した女性が別の恐喝事件の重要な証人であったことが判明。単なる事故ではないと感じた久利生は、恐喝事件を追っていた検事・雨宮舞子と合同捜査を開始します。 日本の司法が通用しない「治外法権」が存在する大使館での聞き込みは困難を極め、捜査はなかなか進展しません。国の壁が立ちはだかる中で、事件の真相にたどり着くことができるのか……。久利生と雨宮、そして城西支部メンバーが問題に立ち向かいます。

『HERO』(2015)相関図

映画『HERO』(2015)結末までのネタバレ

【起】大使館裏の交通事故

誰かに追われていたコンパニオンの三城紗江子が車に轢かれ死亡する事故が発生。東京地検城西支部の久利生検事は運転手の徳本を取調べ中、被害者が裸足だった点に着目します。 一方大阪地検難波支部の雨宮検事は暴力団・ニ崎会が関わる恐喝事件の証人だった三城の死亡を事件だと断言し、久利生のもとへ出向きました。 久利生と雨宮、そして事務官の麻木は事故現場へ。久利生は三城はネウストリア大使館から逃げたと推測します。さらに三城と大使館員が話している写真を入手しました。

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【承】治外法権の壁

治外法権を突破するため国境を越える物を考えていた久利生はネウストリア料理店で1人で酒を飲む外国人から「ネウストリア人はスポーツのペタンクが好き」と教わりました。 後日店で居合わせた大使館員とペタンクで交流し、写真の人物はコールマンという名前だと判明します。しかし久利生は外務省に呼び出され「貿易交渉の邪魔をするな」と松葉外務省欧州局長から釘を刺されてしまいます。 その夜、おでんの屋台で食事を取る久利生は突っ込んできたダンプに轢かれてしまい……。

【転】久利生と雨宮のタッグ復活

雨宮は見舞いに訪れます。久利生は軽傷で済み、この事件で城西支部と雨宮は団結して捜査に乗り出しました。 捜査の結果、大使館員と二崎会が何かを取引している様子を目撃します。三城の同僚からは事故直前の留守電を入手。三城の緊迫した声とともに後ろから音楽が聞こえてきました。さらにとあるダンプカーからちくわを発見し、運転手を捕らえます。運転手はコールマンと知り合いだったのです。 そして雨宮は父が貿易会社を営む婚約者から大使館で行われるパーティの招待状を譲り受けます。

【結末】外交問題にも発展した事件のラストは……

久利生と雨宮はパーティに潜入し、靴の飾りを発見します。警備員に捕まりますが、ローラン大使が釈放。大使はペタングを教えてくれた人物でした。さらに帰り際時計から留守電の音楽を耳にします。 久利生は松葉局長に「靴の飾り、取引現場、ダンプの運転手から押収した覚醒剤、留守電の音楽」の証拠から大使館員が薬物取引をしていると糾弾し、取引現場の人物はNo.2のヴェルネだと聞き出します。 翌日、大使からヴェルネは本国で裁き、外交特権のないコールマンを引き渡すと言われました。その裏では久利生の熱量に動かされた松葉が交渉していたのです。コールマンは参考人として呼ばれ、徳本は不起訴処分に。 その後貿易交渉は無事締結されました。雨宮は婚約者に別れを告げ、久利生はネウストリアにいるヴェルネを追いかけます。

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【考察】ラストシーンで匂わせ!2人の関係は?

『HERO』シリーズで毎回注目を集めるのは、久利生と雨宮の恋の行方。ドラマでは互いに異性として意識するようなシーンを多くみせながらも発展しない、というパターンが繰り返されました。 映画『HERO』では、雨宮は貿易会社の御曹司とお見合いの後に婚約するというエピソードも登場。 さらに、雨宮が事件をきっかけに久利生と再会したことから婚約に悩むようになり婚約破棄を決断するまでの展開をもみせます。 久利生は雨宮のことを「好きだった」と話したり、ラストにはまたの再会を願う雨宮の様子が描かれますが、結果的には、いつもの曖昧な終わりかた。なんとなく気持ちは表されたという点ではドラマよりもスッキリ感があるかもしれません。

映画『HERO』(2015)のロケ地は?

本作で度々登場し、事件の舞台ともなったネウストリア公国大使館。あの荘厳な建物は神戸にある兵庫県公館です。また検察庁難波支部の一部も神戸の建物を使っており、本作は神戸で多くの撮影が行われました。

ラストシーンのロケ地だけフランス!?

久利生と麻木がレストランから出てカメラが引くと美しいネウストリアの光景が広がる圧巻のラストシーン。なんとラスト数十秒のためだけにフランスで撮影が行われているんです。 そしてネウストリア公国は架空の国ですが、6世紀から10世紀頃まで現在のフランス北部にはネウストリアという国が実在していました。

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ドラマ版とキャスト/登場人物を比較!

木村拓哉と松たか子のコンビが復活!

松たか子

ドラマ『HERO』第1期では、木村拓哉扮する久利生公平と事務官・雨宮舞子(松たか子)とのコンビが見所のひとつとなっていました。ドラマ第2期では、松たか子のレギュラー出演はなく、劇中、事務官を辞めて検事になったという設定のみが語られました。 しかし、映画『HERO』で再び登場。大阪地検難波支部の検事と、肩書きを新たに戻ってきます。『HERO』シリーズ初期から好評のコンビ復活とあって、ドラマからのファンにとっては嬉しい設定となりました。

北川景子はヒーローを支えるヒロイン役でドラマから引き続きの出演

北川景子

ドラマ『HERO』第2期から登場した北川景子演じる事務官・麻木千佳。事務官の仕事を割り切って行っており、時間外にも働く久利生の担当に不満を持っていたものの、ひたすら事件の真相を追い求める姿を見て改心していきます。 また、元ヤンキーという設定で、冷静さと鋭さを持ち合わせた人物でもあります。 映画『HERO』でもその立場は変わりませんが、担当事務官として成長してきた麻木舞子の存在感には注目です。

佐藤浩市ら、映画を引き立てるサブキャスト陣

松葉圭介役/佐藤浩市

佐藤浩市

外務省欧州局長の松葉圭介を演じた佐藤浩市。本作では、大使館近くで起きた事件が扱われることから、物語の中でも鍵となる重要な存在になります。 佐藤浩市は、俳優・三國連太郎を父に持つ実力派俳優。映画『美味しんぼ』や、ドラマ『忠臣蔵1/47』、ドラマ『鍵のかかった部屋』など数多くの作品に出演、役の幅も広く、様々な演技をみせています。また、三谷幸喜作品に出演することが多く、映画『ザ・マジックアワー』では主人公を演じました。

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徳本健也役/新井浩文

新井浩文

物語の発端となった交通事故の加害者・徳本健也を演じた新井浩文。交通事後の取り調べでは、被害者が飛び出してきたことを主張しました。 新井浩文は、2001年に映画『GO』でデビューして以来、様々な作品に出演。2012年には映画『アウトレイジビヨンド』、2015年にはテレビドラマ『ど根性ガエル』に出演するなど、多くの役柄をこなす演技派俳優として活動を続けています。

一ノ瀬隆史役/大倉孝二

雨宮舞子の担当事務官・一ノ瀬隆史を演じた大倉孝二。映画では、事件の真相を追究する雨宮をサポートしていきます。 大倉孝二は、劇団ナイロン100℃にも所属する俳優。コミカルな役を演じることも多く、映画『ピンポン』や映画『舞妓haaaan!!!』、ドラマ『西遊記』などにも出演。確かな存在感を残しながらも、作品を引き立てる俳優として活躍しています。

牛丸豊の娘役/近藤春菜(ハリセンボン)

近藤春菜

ドラマ第2期で、牛丸豊検事(角野卓造)の娘と結婚した、田村雅史(杉本哲太)。「牛丸検事とソックリな娘」という情報があるものの、その姿は公開されることがありませんでした。 しかし、映画では牛丸検事の娘が登場。 田村検事の携帯画面に設定された写真、そこには牛丸検事の娘役・ハリセンボンの近藤春菜の姿が映し出されます。写真でのみの出演となりましたが、ドラマで語られた「ソックリ」という情報に間違いはありませんでした。

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映画『HERO』の感想・評価まとめ

『HERO』シリーズはファンが多く、ドラマ第1期からすべて観ているという人も多数。ファンにとっては、ブレのない演出が良いといった感想が多く聞かれました。

Masakazu__Ueoka 以前から好きで見ているドラマで、ブレない軸で行動して行く内容が好きだな。後は、笑える間が沢山あるのがいい!
Nocchi 大使館が舞台でも久利生検事の無茶振りは健在。 松たか子、北川景子の組み合わせも良かった。

しかし、映画という点では物足りなさを感じたという意見もありました。また、2007年の映画『HERO』と比較してしまい、2015年の映画『HERO』は映画というよりもドラマという印象が強く感じたなどの評価もありました。

toshibakuon 松たか子演じる雨宮が久しぶりに登場し合同捜査で治外法権の外国大使館に挑んだけど少し都合が良い展開に進んだのが気になった。城西支部の人達にもっとスポットを当ててほしいけど映画だから時間の関係で難しいのかな?このシリーズは連続ドラマでじっくり観たい。
pamjoyrv 普通に面白かったけど、前作に比べると“HERO”感は薄かった気がする。前作では法廷での久利生の熱のこもった台詞に「正に“HERO”だな」と感動したので。でも事故の加害者になってしまった男性にとってはやっぱり久利生が“HERO”だったのだろうと思います。今作は城西支部のチーム感が強く出ている作品に感じました。

再び、その姿を映画かドラマで見ることができるのかも、ファンにとっては気になるところですね。

映画『HERO』(2015)は邦画ナンバーワンの傑作!

シリーズファン歓喜の久利生と雨宮の関係性に進展が見られた本作。さらに事件は大使館を巻き込むスケールの大きさで最後までハラハラさせられる展開が待っていました。 「HERO」ファンはもちろん、ドラマ未読の方も十分楽しめる作品です!