2018年3月7日更新

ドラマ『てるてる家族』のあらすじ・登場人物・キャスト【ネタバレあり】

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てるてる家族の昭和歌謡アルバム

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岩田家・四姉妹の成長を描いた『てるてる家族』

ドラマ『てるてる家族』は、NHK連続テレビ小説として2003年に放送されました。戦後の大阪を舞台に、石原さとみがヒロインを務め、夢を追いかける岩田家の四姉妹を中心に笑いと涙の日々を描いた物語です。 原作は、作家や作詞家として活躍するなかにし礼の小説『てるてる坊主の照子さん』であり、岩田家のモデルとなっているのは、なかにしの妻の実家だそうです。 昭和の名曲がたくさん盛り込まれ、ミュージカル仕立てが斬新な『てるてる家族』。今回は、根強いファンを持つ人気作の『てるてる家族』についてまとめてみました。

ドラマ『てるてる家族』のあらすじ

銀行員を辞め修行の末、製パン店を始めた岩田春男。妻・照子との間には、春子・夏子・秋子・冬子という4人の娘がいます。 ある時、照子は当時では珍しいテレビを置いた喫茶店を開店させ、これが大当たり。スケートリンクの食堂経営もしたことをきっかけに、長女の春子がフィギュアスケートを始めました。 春子は選手として開花し、次女の夏子もスカウトされ芸能界へ。優等生の三女の秋子は平凡な生活の中に自分の幸せを見出し、末っ子で甘えん坊の冬子は自分にとってなくてはならない“太陽”のようなもの、夢中で挑戦したいと思える“何か”を考えます。

ドラマ『てるてる家族』の主要キャスト

岩田冬子/石原さとみ

本作のヒロイン・岩田冬子は、岩田家の四女で末っ子。才能のある姉たちを羨ましく思い宝塚音楽学校を受験しました。冬子のモデルは、なかにし礼の妻・石田ゆりです。 そんな冬子は、東京都出身、1986年生まれの石原さとみ(いしはら・さとみ)が演じ、ナレーションも兼任しました。 ホリプロタレントスカウトキャラバンをきっかけに芸能界入りし、本作の冬子役で知名度を上げ、多くのドラマや映画で活躍。2016年は、大ヒット映画『シン・ゴジラ』で得意の英語を披露するほか、ドラマ『地味にスゴイ! 校閲ガール・河野悦子』では主演を務めています。

岩田春子/紺野まひる

岩田家の長女で努力家の春子。フィギュアスケートの才能を伸ばし、オリンピック選手になりました。元フィギュアスケート選手の石田治子がモデルです。 春子は、大阪府出身、1977年生まれの紺野まひる(こんの・まひる)が演じました。 宝塚歌劇団で娘役として活躍し、退団後は本作や『花ざかりの君たちへ〜イケメン♂パラダイス〜』など、ドラマを中心に出演を重ねます。2008年に一般男性と結婚し、2児の母に。女優活動も続けており、2016年11月の舞台『扉の向こう側』ではジェシカ役を務めています。

岩田夏子/上原多香子

岩田家の次女・夏子。美人で華やかな夏子もフィギュアスケート選手でしたが、スカウトで芸能界へ入りました。モデルとなっているのは、歌手であり女優のいしだあゆみです。 夏子は、沖縄県出身、1983年生まれの上原多香子(うえはら・たかこ)が演じました。 人気グループ「SPEED」として『White Love』などのヒット曲を連発し一世を風靡します。解散後は女優としての活動が多くなり、ドラマや映画だけでなく舞台にも挑戦。2016年は、ミュージカル『TARO URASHIMA』で乙姫役を務めました。

岩田秋子/上野樹里

成績優秀な三女・秋子。ヒラメキがあり芸術家肌で、行き詰まった時にはマンボを踊って気分転換。 そんな秋子を演じたのは、兵庫県出身、1986年生まれの上野樹里(うえの・じゅり)です。 「クレアラシル」のイメージガールで芸能界デビュー。本作の秋子役がブレイクのきっかけとなり、『スウィングガールズ』や『のだめカンタービレ』で人気を不動のものにしました。2016年は、10月公開の『お父さんと伊藤さん』で主人公・彩を演じ、プライベートでは5月に「TRICERATOPS」の和田唱との結婚を発表しています。

岩田春男/岸谷五朗

照子の夫であり、四姉妹の父親です。銀行員を辞め、自宅で製パン店を開業。性格はおっとりとしていて、お見合い結婚の照子の尻に敷かれているようです。 春男を演じたのは、東京都出身、1964年生まれの岸谷五朗(きしたに・ごろう)で、春男の父親・長介役も兼任しました。 三宅裕司主宰の劇団「SET」の看板俳優として活躍し、退団後は『みにくいアヒルの子』平泉玩助役をはじめとする数多くのドラマや映画に出演。2016年は、『地味にスゴイ! 校閲ガール・河野悦子』で石原さとみ演じる河野悦子の上司を務め、再び共演しています。

岩田照子/浅野ゆう子

春男の妻で、四姉妹の母・照子。どんなことも良い方に考える楽天家で行動力もあるため、テレビ喫茶を大当たりさせました。家族の節目などには「てるてる坊主」を吊るして願掛けをしています。 四姉妹の肝っ玉かあさん・照子を演じたのは、兵庫県出身、1960年生まれの浅野ゆう子(あさの・ゆうこ)です。 アイドル歌手やモデルを経て、本格的に女優に転身。『君の瞳をタイホする!』や『抱きしめたい!』などでブレイクし、トレンディドラマの女王と呼ばれました。その後も多くの作品で活躍し、2016年版『大奥』では大奥総取締の大崎局役を務めています。

岩田ヨネ/藤村志保

春男の母・岩田ヨネ。若くして夫を亡くし、女手一つで子どもを育てました。作品中で他界しますが、幽霊となってしばしば登場します。 そんなヨネは、神奈川県出身、1939年生まれの藤村志保(ふじむら・しほ)が演じました。 大映の女優として活躍し、テレビドラマにも出演。『太閤記』や『風林火山』などの大河ドラマのほか、多くの作品で凛とした存在感を見せています。2014年1月に背骨の圧迫骨折という大怪我を負い全快しましたが、その後は女優活動を控えているようです。

川島弘子/森口博子

照子の遠縁にあたり、岩田家に住み込みで働く川島弘子。家を空けることが多い照子に代わって家事全般をこなし、四姉妹にとって母親のような、姉のような存在です。 川島弘子は、福岡県出身、1968年生まれの森口博子(もりぐち・ひろこ)が演じました。 NHK『勝ち抜き歌謡天国』をきっかけにアイドル歌手としてデビューしますが、なかなか芽が出ずバラエティ路線に転向。歌唱力を武器に歌マネなどで人気を博し、「バラドル」としてブレイクしました。女優業にも挑戦し、息の長い活躍を続けています。芸能生活30年を超えてもキュートさ健在!

桑原和人/錦戸亮

和ちゃんこと桑原和人は、冬子の初恋の相手。岩田家の製パン店にパンの耳をもらいにきて、ふたりは出会いました。 桑原和人を演じたのは、大阪府出身、1984年生まれの錦戸亮(にしきど・りょう)です。 ジャニーズアイドルとして活動しながら俳優業も精力的に行い、本作での桑原和人役のほか『1リットルの涙』麻生遥斗役などでも高い評価を得ました。その後も多くの作品で活躍し、2018年公開予定の『羊の木』では主人公の月末一役を務めるそうです。

佐藤浪利/杉浦太陽

ロンドン帰りのお金持ちの息子、佐藤浪利。通称「ローリー」です。初めは冬子を好きになり、その後秋子に想いが移りました。和人と冬子のキューピッド的存在です。 ローリーこと佐藤浪利は、大阪府出身、1981年生まれの杉浦太陽(すぎうら・たいよう)が演じました。 『ウルトラマンコスモス』のドラマや劇場版で主人公の春野ムサシ役を務め、『劇場版 ウルトラマンギンガS 決戦! ウルトラ10勇士!!』で14年ぶりにウルトラマンに復帰。2016年には、妻・辻希美との結婚10周年を迎え、公私ともに充実しているようです。

四姉妹が見つけた道【ネタバレ】

本作では、四姉妹のそれぞれが描かれました。 長女の春子は、フィギュアスケートの才能を伸ばし、オリンピック選手に成長。次女の夏子も春子とフィギュアスケートを習いますが、ジュニア選手権大会の演技を見ていた芸能関係者にスカウトされ、紅白へも出場するほどの歌手になりました。 一方、成績優秀な三女の秋子は平凡な生活の中に創造性を見出すという独自のスタイルを確立。子どもの頃、即席ラーメン(日清のチキンラーメン)の開発を手伝っていた秋子らしい選択です。 「なるようになる」がモットーであり、なかなか自分の道が定まらないヒロインの冬子。華やかな姉2人に影響され宝塚音楽学校に入りますが、ようやく本当にやりたいことを見つけます。 卒業後はパン職人を目指して父のもとで修業をし、母の喫茶店を「ベーカリーてるてる家族」としてリニューアルさせました。 和人との恋の行方はというと、和人がローリーからアドバイスを受け、白いタキシード姿に白い羽と白い鳩を背負い、エルヴィス・プレスリーの『ラヴ・ミー・テンダー』を歌いながら登場。ジャニーズコンサートを思わせる宙吊りからの華麗な着地と「ラヴ・ミー・テンダーや」という決め台詞で冬子への告白を果たし、両想いとなっています。 本作は実在の人物をモデルに実話も多く描かれていますが、和人に関しては架空の人物。しかし、冬子のモデルとなった石田ゆりの夫・なかにし礼と境遇が一部重なるそうです。

応募者2036人の中からヒロインを勝ち取った石原さとみ

ドラマ『てるてる家族』のヒロインのオーディションには2036人が応募し、石原さとみが選ばれました。芸能界に入りたての瑞々しい16歳の大抜擢です。 女優になりたいと思ったのは中学1年の頃からで、猛反対した母親が諦めさせるつもりで一度だけの挑戦を許した「ホリプロスカウトキャラバン」で3万人の中からグランプリを獲得したのだとか。 天性の才能と女優への強い想いで、自身の道を切り開いた石原さとみ。母親も合格を喜んでくれたといいます。

ヒロインのモデルとなった石田ゆりとは?

本作で石原が演じた冬子のモデルは、なかにし礼の妻である石田ゆり。フィギュアスケート選手の石田治子や歌手のいしだあゆみを姉に持ち、活躍する姉たちに憧れ宝塚音楽学校で学びましたが、宝塚歌劇団には入らず歌手としてデビューします。 シングル4枚とアルバム2枚を発表し、シングルの全曲で作詞を担当したのがなかにしであり、それを縁に結婚に至り芸能界を引退しました。その後、『ムー一族』や『風光る・亜紀子』などへの出演歴があります。 石田ゆりをモデルにした末っ子・冬子は、強さを秘めた元気いっぱいの甘えん坊。石原は共演者たちから「冬子そのまんま」と言われ、のびのびと演じたそうです。

上野樹里は「尻文字」で秋子役をゲット?!

以前小さな事務所に所属していた上野は、仕事をほとんどオーディションで得ていたそうです。本作の最終オーディションでは特技の披露を求められ、何かおもしろいことをやろう!と思い「尻文字」をしたのだとか。 この天然で大胆な行動が審査員に大きなインパクトを与え、ヒロインの冬子は逃したものの秋子役を獲得。当初、秋子は優等生で真面目という設定だったそうですが、行き詰まると突然マンボを踊り出すキャラクターに変えられたといいます。 上野らしいエピソードですが、オーディションでは何という文字を書いたのか気になるところです。

難役を演じ切り、錦戸亮は新人賞を受賞!

本作で錦戸亮が演じた桑原和人は、父と兄を失い、貧しい生活の中、苦労を重ねた青年。アイドルグループとして活動する普段の錦戸とも、これまでに経験した役とも違うタイプであり、恋愛の姿勢に関してもそのネガティブさに共感ができなかったそうです。
「僕だったら、もっとズバズバ言いますよ。もどかしくて、(役の)気持ちが理解できませんでした」
しかし、岸谷五朗のさりげなくて的確なアドバイスにより乗り切れ、役に対しての向き合い方を学べたのだとか。錦戸は本作での演技が認められ、「第7回ドラマグランプリ」で新人賞に輝き、その後の俳優としての活躍に繋げています。

懐かしい名曲に彩られた『てるてる家族』

『てるてる家族』を語る上で、音楽も欠かせません。当時を象徴する昭和の名曲や映画音楽がしばしば挿入され、キャストたちが歌い踊ります。登場した楽曲は60を超え、もちろん夏子のモデル・いしだあゆみの『ブルー・ライト・ヨコハマ』も歌われました。 視聴率はいまひとつふるわなかったものの、斬新なミュージカル仕立てや石原さとみら絶賛売り出し中の俳優たちの好演もあり、ネットでは大きな話題となった人気作。挿入された曲の著作権の関係で全てを収録したDVD発売は難しいそうで、該当曲をカットした総集編がリリースされています。 朝ドラ伝説の踊るテレビ小説『てるてる家族』。興味のある方は、一度チェックしてみてはいかがでしょうか。