2023年8月11日更新

実写映画『バービー』あらすじ・ネタバレ解説!完璧なバービーランドに込められたメッセージとは?

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『バービー』
(c)2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.

世界中の女の子から愛されているバービー人形がなんと実写映画化!ついに2023年8月11日から日本でも公開されています。 時代に合わせて、さまざまに変化してきたバービー人形。本作ではどんなバービーが描かれるのでしょうか。あらすじ・ネタバレと作品に込められたメッセージを紹介します。 ※この記事には映画『バービー』の結末までのネタバレが含まれます。ぜひ作品を鑑賞してからお読みください。

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実写映画『バービー』のあらすじは?

公開日 2023年8月11日
監督 グレタ・ガーウィグ
脚本 グレタ・ガーウィグ , ノア・バームバック
キャスト マーゴット・ロビー , ライアン・ゴズリング , アメリカ・フェレーラ

すべてが完璧で、今日も明日も明後日も夢のようなハッピーな日々がつづく「バービーランド」。バービーとボーイフレンド(?)のケンは、毎日友人たちとともにパーティ、ドライブ、サーフィンを楽しんでいました。 しかしある日、突然バービーの体と世界に異変が!困惑した彼女は、世界の秘密を知る変わり者のバービーのもとへ。

『バービー』(2023年)
©2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.

彼女の助言に従って、バービーは自分の持ち主を見つけるため、ケンとともに人間の世界に旅立ちます。ロサンゼルスにたどり着いた2人が目にしたのは、完璧とはほど遠い人間の世界。人間たちから好奇の目にさらされたうえ、女の子たちの「私達バービーは卒業したの」という言葉にバービーはショックを受けてしまいます。 さらに2人は、バービーを生み出したマテル社のCEOに追われ、やがてFBIを巻き込んだ大逃走劇に発展していき……。 はたしてバービーたちが知ることになる世界の秘密とは?そして彼女が選ぶ未来とは?

映画『バービー』ネタバレあらすじ解説

【起】バービーに異変!現実世界と関係が?

『バービー』(2023年)
©2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.

今日も明日も明後日も、完璧で夢のような毎日がつづくバービーランド。そこに住むバービーたちは、大統領や人気作家など、それぞれに重要な職業に就きながら、毎日ハッピーに過ごしていました。 しかしあるとき、“定番の”バービーに異変が起きます。足のかかとが地面につき、シャワーの水は冷たく、家の2階から落下し、バービーは困惑してしまいます。ほかのバービーたちに相談すると、バービーランドのはずれに住む、へんてこバービーならなにか知っているかもしれないと言われました。 バービーは助言を求めてへんてこバービーのもとへ。彼女によると、バービーの変化は、人間の世界とバービーランドの境目に亀裂が入ってしまったために起きたのでは、とのことでした。 そこでバービーは、人間の世界で起こっていることを確かめるため旅立ちます。

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【承】完璧とはほど遠い人間の世界

自分の持ち主を探すため、人間の世界にやってきたバービー。こっそりついてきたケンとともに、なんの手がかりもないまま捜索をはじめますが、10代の少女たちに出会ったバービーは、自分が女の子たちの人気者でないことを知り、ショックを受けます。 そんななか、バス停で知り合ったおばあさんと言葉を交わし、バービーは彼女は美しいと言います。するとおばあさんは「知っている」と言いました。 バービーが人間の世界にやってきたことがニュースになり、マテル社の重役は、彼女を捕まえることに必死になります。マテル社に連れてこられたバービーは、重役が男性ばかりなのに愕然とし、箱に入れられそうになったところを脱走。 一方ケンは、図書館で“男らしさ”についての本を読み漁っていました。

【転】バービーランドが男性優位の社会に!?

『バービー』(2023年)
©2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.

自分の持ち主であるサーシャと再会したバービー。彼女の母グロリアはマテル社に勤めており、新たなバービーをデザインしていました。しかしそれは、これまでのキラキラした理想のバービーではなく、「死を意識したバービー」や「うつ状態のバービー」といったダークなものばかり。 バービーはサーシャとグロリアの仲がうまくいっていないことを知りますが、バービーランドの混乱を治めるため、3人はバービーランドへ。しかしそこでは、一足先に戻っていたケンが人間の世界で学んだ“男らしさ”を広め、人間の世界と同じ男性優位の社会になっていました。 ショックを受けたバービーでしたが、グロリア母子をはじめ、へんてこバービーやアラン、そしてケンに従っていない数人のバービーとともに、バービーたちの洗脳を解く作戦を立てます。

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【結】自分の運命は自分で選ぶ

ケンたちに横暴をやめさせるために考えだした作戦は、男たちに男らしさを競わせること。洗脳が解けたバービーたちは、ケンたちに少しずつ気のある素振りを見せて翻弄し、作戦通り彼らは嫉妬で対立していきます。 バービーがケンと話し合うと、彼はバービーの添え物でしかない自分の存在意義に悩んでいたと告白。その話を聞いたバービーは、彼にそう感じさせていたことを謝り、2人は和解しました。 バービーを追ってきたマテル社の重役たちがバービーランドに到着すると、バービーの産みの親であるルース・ハンドラーが現れます。彼女はバービーに「人間には終りがあるが、あなたの物語は終わらない。あなたはあなたで、自分の運命を選んでほしい」と励ましの言葉をかけます。 その後、現実世界へ戻ったバービーは、グロリアとサーシャに送られ産婦人科へやってきます。そして受付で「バーバラ・ハンドラー」と名乗るのでした。

映画『バービー』の結末に込められたメッセージを解説・考察

『バービー』
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『バービー』は、かわいらしいビジュアルと笑いを織り交ぜながら、「ありのままでいい」というメッセージを力強く伝えてくれます。 映画冒頭で語られるとおり、それまで赤ちゃん人形を渡され、遊びのなかでも「母親」という役割を押し付けられていた少女たちは、ファッションドールであるバービーの登場に歓喜しました。しかし時を経て、バービーもまた“女性はこうあるべき”という役割を押し付けるものになってしまいました。完璧なプロポーションでファッショナブルで、美しい女の子です。 バービーは現実世界のバス停で出会ったおばあさんに「あなたはきれい」と言います。歳をとってシワが目立つ彼女は、「知っている」と答えます。この会話は、若くスタイルがいいことや顔の造形の良さだけが“美しさ”の条件ではないことを教えてくれます。 自分の運命を自分で決め、自力で進んでいくこと。バービーは完璧なバービーランドをあとにし、ままならない現実世界で自分の運命を切り開くために行動を起こします。彼女はありのままの自分がいちばん美しいと気がついたのです。

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バービーランドの特徴を解説!なんにでもなれる完璧な世界?

『バービー』(2023年)
(c)2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.

バービーランドは、人間の世界とは正反対の完璧な世界です。 そこでは風も吹かず、雨も降りません。重力もないので、家の2階から“羽ばたいて”車に着地することもできます。彼女たちのドリームハウスにはゴミもなく、ホコリもたまらず、散らかったりもしません。また服も汚れず、シワもなくピカピカのまま。たとえへんてこバービーの家でも、です。 バービーランドではほとんどの家がピンクですが、1軒だけ紫の家が。そこにはバービーの妹であるスキッパーと、廃盤になった妊婦人形のミッジが住んでいます。 バービーランドのバービーたちは、なんにでもなれます。大統領もバービーで、最高裁判事も全員バービー。宇宙飛行士にも、医者にもなれます。バービーにできないことはありません。 バービーの魔法のワードローブには、大好きなシャネルのアイテムがいっぱい。バービーはその前でくるりを1回転すれば着替えることができ、そこを立ち去ると明日着る服がハンガーにかかっています。また、バービーたちは毎晩ガールズナイトでダンスをし、パジャマパーティーで大盛りあがり! 一方、ケンたちは仕事をしていません。彼らはただなんとなくバービーに声をかけ、ボーイフレンドなのにキスもせず、バービーの家に泊まりたいと言っても、そこでなにをすればいいのかはわかりません。

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映画『バービー』実写キャスト一覧

バービー マーゴット・ロビー
ケン ライアン・ゴズリング
ちょっぴり不安定なバービー ケイト・マッキノン
おもちゃ会社のCEO ウィル・フェレル
グロリア アメリカ・フェレーラ
ケン シム・リウ
アラン マイケル・セラ
ルース リー・パールマン
ミッジ エメラルド・フェネル
マーメイドバービー デュア・リパ
ケン ンクーティ・ガトワ
ベストセラー人気作家バービー アレクサンドラ・シップ

バービー役/マーゴット・ロビー

『バービー』(2023年)
©2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.

本作の主人公、バービーについて詳しいことはわかっていませんが、公開されたビジュアルを見ると、元になった人気者そのもののキュートさとセクシーさ。バービー人形の設定は17歳のファッションモデルですが、実写映画では変更されている可能性が高そうです。 米エンターテインメントサイトJustJaredによると、このシーンはケンとともに子どもを学校に送り届け、ほかの保護者と雑談しているところだとか。バービーとケンに子どもが?とその設定も気になるところです。 バービーを演じるのは、『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』(2020年)などのハーレイ・クイン役で大人気のマーゴット・ロビー。2017年の『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』でアカデミー主演女優賞にノミネートされるなど、実力派としても知られる彼女は、本作ではプロデューサーも兼任しています。

ケン役/ライアン・ゴズリング

『バービー』(2023年)
©2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.

ケンは、プラチナブロンドに完璧な腹筋を誇る“イケメン”です。ファッションドールとしてのケンは、あくまでもバービーの恋人で、それ以上の役割や性格、設定を与えられていませんでした。このあたりも、実写映画化するにあたって、どのように変更されているのか気になるところですね。 ケンを演じるのは、『きみに読む物語』(2004年)や『ラ・ラ・ランド』(2016年)などで知られるライアン・ゴズリングです。『ラ・ラ・ランド』ではゴールデングローブ賞主演男優賞(ミュージカル・コメディ部門)を受賞。アカデミー賞主演男優賞にもノミネートされました。 制作側は当初からケン役は彼に、と熱望していたようで、ドリームキャストが実現したのだとか。

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ちょっぴり不安定なバービー役/ケイト・マッキノン

『バービー』ケイト・マッキノン
©2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.

バービーランドのはずれに住む“ちょっぴり不安定な”バービー。変わり者の彼女は、どうやら「世界の秘密」を知っているようです。異変に気づいたバービーに、人間の世界に行くようアドバイスします。 変わり者のバービーを演じるのは、コメディエンヌとして知られるケイト・マッキノン。長寿コメディ番組『サタデー・ナイト・ライブ』への出演のほか、映画『ゴーストバスターズ』(2016年)など数多くの作品で活躍しています。

グロリア役/アメリカ・フェレーラ

アメリカ・フェレーラ
© Adriana M. Barraza/WENN/WENN.com/Zeta Image

人間のグロリアは、バービーが探し求める「世界の秘密」の鍵を握る人物のようです。 演じるのは、映画「旅するジーンズ」シリーズや『アグリー・ベティ』(2006年〜2010年)などへの出演で知られるアメリカ・フェレーラ。2015年から2020年にかけてはテレビシリーズ『スーパーストア』で主演を務めており、映画への出演は7年ぶりです。

おもちゃ会社のCEO役/ウィル・フェレル

ウィル・フェレル
©Drew Altizer/Sipa USA/Newscom/Zeta Image

バービー人形を製造・販売しているマテル社のCEOは、人間の世界にやってきたバービーたちをなんとか捕まえようとします。 マテル社のCEOを演じるのは、アメリカで大人気のコメディアン、ウィル・フェレルです。映画『エルフ 〜サンタの国からやってきた〜』(2003年)や『俺たちフィギュアスケーター』(2007年)をはじめとした「俺たち」シリーズのほか、「ズーランダー」シリーズなどへの出演で知られています。

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映画『バービー』見どころ

『バービー』(2023年)
©2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.

『バービー』でまず目を引くのは、「バービーランド」のかわいらしい造形。作り込まれたドリームハウスや街並みの細部はCGだけでなく、実際にセットを建てたため、世界的にピンクの塗料が品薄になったことも話題に。 また、バービーたちのおしゃれなファッションにも注目。ドールの衣装をそのまま再現したような、キュートで華やかな装いは必見です。日本版本予告だけで、10種類以上の衣装が映っているので、本編ではさらにファッションで楽しませてくれるのではないでしょうか。 そして最大の見所は、バービーが知ることになる「世界の秘密」について。人間の世界での大冒険のすえに、彼女が見つける「大切なもの」とは一体なんなのでしょうか。ストーリーにも注目したいですね。

監督はグレタ・ガーウィグ

グレタ・ガーウィグ
©David Gabber/Landmark Media

本作の監督を務めるのは、『レディ・バード』(2017年)や『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』(2019年)などで知られるグレタ・ガーウィグです。彼女は公私に渡るパートナーであるノア・バームバックとともに、脚本も兼任。 フェミニズムに関して独自の価値観を持ち、独特の描き方を得意とする彼女の手腕には、本作でも期待が高まるところ。マーゴット・ロビーも、「彼女が脚本と監督を担当すると聞いたら、『じゃあ、思っているのとは違う作品になるかも……』と思ってくれるかも」と語っています。 『レディ・バード』と「ストーリー・オブ・マイライフ」でガーウィグと組んだシアーシャ・ローナンもカメオ出演すると報道されていしたが、こちらは実現しなかったようです。

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マテル社によるバービー人形とは

『バービー』(2023年)
© Warner Bros./Photofest/Zeta Image

1959年3月にカリフォルニアを拠点とするマテル社から発売されたバービー人形は、もっとも大きなおもちゃブランドのひとつで、世界で30億ドルの売り上げを誇っています。 しかし近年では、バービーの容姿が子どもたちへ間違った美の固定観念を植え付けると非難されることも。マテル社がそんな声に応え、2016年には従来のバービー人形に加え、体型や肌の色、瞳の色を選べるバービー人形が発売。 それ以降、ただの着せかえ人形としてだけではなく、ロールモデル・シリーズと呼ばれる世界の女性リーダーをモデルにしたシリーズを発売するなど、多様性と女性の可能性を意識した商品展開をしています。

実写映画化の経緯

『バービー』
(c)2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.

マテル社の映画部門は10年以上前から、バービーの実写映画を計画していました。2014年にはソニーと契約し、主演にエイミー・シュマーやアン・ハサウェイの名前があがっていましたが、スケジュールの関係でキャスティングは難航。 またクリエイティブ面での相違を理由に脚本家が降板したり、マテル社のアクションフィギュアの実写映画『マックス・スティール』が興行面で失敗するなど、多くの困難に見舞われ、製作はなかなか進みませんでした。 しかし2018年にマテル社は、ワーナー・ブラザースと契約し、計画を一新。そこから主演のマーゴット・ロビーや大物キャストやスタッフの参加が決まり、映画は2023年7月に全米公開が予定されています。

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『バービー』はアイコン映画を超えた傑作!

『バービー』(2023年)
©2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.

長い歴史を持つファッションドールの実写映画化とあって、注目が集まる『バービー』。近年は女性に性的なイメージを押し付けすぎていると批判されることも多いバービーですが、本作は「美しさ」を再定義し、新たなバービー像を提示しました。 注目の実写映画『バービー』は、2023年8月11日(金)から公開中です。