2017年10月30日更新

ギレルモ・デル・トロの幻想的でおかしな映画10選

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ギレルモ・デル・トロ
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ギレルモ・デル・トロのプロフィール

ギレルモ・デル・トロは1964年、メキシコ生まれの映画監督です。10代の頃から映画製作に興味を持っていたデル・トロは、『エクソシスト』で特殊メイクを担当したディック・スミスから特殊メイクと特殊効果を学びました。 メキシコで特殊メイクのスーパーバイザーやテレビ番組のプロデューサーとして活動した後、監督・脚本を務めたヴァンパイア映画『クロノス』で世界的に注目を浴びることになります。 自他ともに認める“オタク”で、親日家としても知られるデルトロ映画10選を紹介します。

1.ギレルモ・デル・トロ監督初の長編映画『クロノス』【1998年】

taichimachima ギレルモ・デル・トロ長編デビュー作。この触れ込みを聞いて観ないわけにはいきませんでした。 結果、傑作。 ひょんなことから不老不死となった古物商ヘスス。彼を不老不死にした謎の物体クロノスを巡るお話なんですが、このクロノスの造形がかっこいい!その他デル・トロ監督のこだわりが随所に見られます。この人のメカ好き(というか歯車好き?)はこの頃からなのか、と感心する映画でした。 ストーリーはありがちですが、その分非常にシンプル。そしてとにかくヘススの孫アウロラがべらぼーに可愛いんです。健気というか純粋というかなんというか。 もちろんデル・トロ映画常連のあの人もいますよ。

ギレルモ・デル・トロ監督にとって初の長編映画で、その後のキャリアを決定づけるブレイクスルーとなりました。 1536年のメキシコ・ベラクルスで錬金術師が作った「クロノス」という機械を、400年後、骨董商のヘススが偶然見つけます。 所有者に永遠の命を与えるクロノスを知らぬ間に作動させたヘススは一瞬にして若返りましたが、その代償として吸血鬼へと変貌。 低予算ながら、デル・トロ作品で頻繁に使われる昆虫のモチーフや、ダークで幻想的な独特の世界観が凝縮されていると評価されています。

2.ギレルモ・デル・トロのハリウッドデビュー作『ミミック』【1998年】

tophelos 2012/05/18 DVD 大好きなギレルモ・デル・トロ監督のアメリカデビュー作。古い作品なので今のド派手な表現に比べると物足りなさを感じるのは否めないが、クリーチャの造形や物語全体に流れるトーンはギレルモ・デル・トロ監督のテイストがハッキリと出ている。昆虫が人間に擬態するというギミックがなかなか面白い。作品全体としては明らかに「エイリアン」の影響下にあるが、SF的というよりはやはりファンタジー要素が強い。続編もあるらしいが、ギレルモ・デル・トロ監督ではないらしいのでどうしたもんか。

ギレルモ・デル・トロのハリウッドでの初監督作品となるSFホラーです。 昆虫学者のスーザンは、強い感染力を持った病原菌を媒介するゴキブリを殺す昆虫を遺伝子操作により作り出しました。しかしその昆虫は進化によりヒトを擬態するようになり、人類は絶滅の危機に陥ります。 タイトルの”Mimic”は“擬態する”という意味です。デルトロ監督の愛してやまない昆虫、モンスター、暗闇へのこだわりが詰まった作品になりました。

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3.ギレルモ・デル・トロ監督の新境地『ブレイド2』【2002年】

southpumpkin 人気B級アクション「ブレイド」の続編をあの日本大好き、ロボット大好きのギレルモ・デル・トロ監督が撮った超楽しい映画です。楽しい。本当に楽しい。 ストーリーは相変わらず前作同様どこかで観たことあるものです。今回は主人公側とヴァンパイア側に加え、これがまた造形の気持ち悪い第三勢力の登場により、前作敵同士だった主人公とヴァンパイアが手を組むのですが・・・。というストーリー。前作のキャストに加え、これまた個性豊かな人々が登場するのも物語を更に熱くさせます。 そしてギレルモ・デル・トロ監督の影響なのか、さらに日本っぽさが増しています。ブレイドが住んでいる部屋は完全に和を意識したものでしょうし、序盤の的も明らかに忍者を意識していたように思います。前作よりもCGアクション多めでしたが、こちらもなかなか楽しめます。
yamamo26 一作目に引き続き観賞。 こちらはアクションの比重が多く、さらに楽しめました。

マーベルコミックが原作の映画『ブレイド』シリーズ3部作の2作目です。本作で監督を務めたことにより、デル・トロはより多くの人に知られる存在となりました。

ヴァンパイア・ハンターである主人公のブレイドは、人間とヴァンパイアの血統を持つ型破りのヒーローです。人類とヴァンパイアの脅威となるヴァンパイアの突然変異で生まれた“死神族”を打倒するため、最強チームと共に戦います。 ペースが速いアクションシーンと未来的な舞台設定にデルトロの手腕が発揮されており、シリーズの中でも特に人気の高い作品です。

4.スペインの巨匠ペドロ・アルモドバルからの招待で実現した『デビルズ・バックボーン』【2004年】

tophelos 2012/01/01 DVD 「パンズ・ラビリンス」のギレルモ・デル・トロ監督作。時代設定もスペイン内戦時代でほぼ同じだと思われるが、その事に対するメッセージ性は「パンズ・ラビリンス」程には強くない。物語に色濃く影を落としてはいるが、あくまでも舞台として登場人物たちの境遇を形成する要素としての設定だと思われる。ホラーとしてプロモーションされていはいるが、正しくはダークファンタジーである。ここでもやはり最も恐ろしいのは幽霊やモンスターではなく人間なのである。

『オール・アバウト・マイ・マザー』のペドロ・アルモドバルが製作を担当したスペイン・メキシコ合作のホラー・ミステリー。 内戦終結直後のスペインで、父親を内戦により亡くした12歳の少年カルロスは不気味な雰囲気の孤児院で暮らすことに。 孤児院には幽霊が出ることや、隠された秘密があることを知ったカルロスは、それらの謎を解き明かそうとします。 スペインで起こった内戦の深刻さや孤児となった子供の苦悩とホラーの要素が融合し、デル・トロならではの恐ろしくも心揺さぶられる作品になっています。

5.ギレルモ・デル・トロ監督 悲願の映画化『ヘルボーイ』【2004年】

taichimachima ご存じギレルモ・デル・トロ監督のアメコミ映画です。ストーリーの進行において若干説明が足りないのではと思うようなシーンもありますが、おそらく彼が考えた構想や登場人物の設定を存分に伝えるには上映時間が足りないのでしょう(笑)調べてみるとそれぐらいに造り込まれたキャラクターたちが出てきます。 予算を減らされたのが原因でしょうか、CGはややチープなところもありますが、そんなことを吹っ飛ばしてくれるぐらいヘルボーイがかっこいいです。恋に苦悩するシーンは非常に微笑ましいですが(笑) 次作ではもう少しキャラや世界観の詳細が掴めるのかな?楽しみです。

コミック『ヘルボーイ』の大ファンだったデル・トロが映画スタジオを約7年かけて説得し、製作にこぎつけた意欲作です。コミック原作者であるマイク・ミニョーラを製作総指揮に、『ブレイド2』にも出演した俳優ロン・パールマンを主演に迎えました。

ナチスの野望によって魔界から召喚されたヘルボーイ。見た目は恐ろしい悪魔ですが、人間に育てられ優しい心を持った彼は成長し、悪と戦うことを決意します。 念力を操るヒロインや半魚人も登場する奇妙で危険なファンタジーは大ヒットし、2009年には続編『ヘルボーイ ゴールデン・アーミー』が公開されました。さらに、3作目の製作も噂されているようです。

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6.奇妙なモンスターたちが潜む不気味だけれど魅惑的なファンタジーの世界『パンズ・ラビリンス』【2007年】

hiro_stunner 見る前はほのぼのファンタジーを想像してたけど全く違った。スペイン内戦の生々しさと少女が夢見るファンタジー世界がなぜか融合して不思議な世界観だった。最後は救いがあるようなないような。グロテスクなシーンも多くて見た後に楽しくなる映画ではなかったけど、引き込まれるような映画だった。
yuriN まさしくダークファンタジー! スペインの映画ってあまり期待できる部分がなかったけど、この作品は別格。 映像美が素晴らしく、ダークなシーンもファンタジーなシーンも絶妙に降り混ざり 最初から最後までハラハラドキドキ、そして切なく涙する映画。 やっぱり、ギレルモ・デル・トロ監督最高。

1944年、独裁政権下のスペインで読書好きの少女オフェリアは、義理の父親である残虐な将校から逃れようと、不気味で魅惑的な幻想の世界へと足を踏み入れます。そこで彼女を待ち受けていたのは3つの試練でした。

オフェリアが迷い込んだ迷宮は、彼女の空想なのか、それとも実在する世界なのか…。ギレルモ・デル・トロが描く少女の純朴さと、スペイン内戦の残忍さを並列させた、不運な少女の痛ましい物語です。 第79回アカデミー賞では撮影賞、美術賞、メイクアップ賞の3部門を受賞しました。

7.『ロード・オブ・ザ・リング』へと繋がるファンタジー大作『ホビット』シリーズ

『ホビット 思いがけない冒険』【2012年】

walk_life 最後の鳥のとこで最初から使えよと思わず総ツッコミをしてしまいそうになるガンダルフの魔法の出し惜しみ感は指輪の頃から変わってないとは思ったけどやっぱり映像、脚本含めファンタジーにどっぷりはまれる世界観が素晴らしい。
aratake ロード・オブ・ザ・リングを一度も見たことがない状態で鑑賞。次回はIMAX3Dで観ようと思うくらい楽しかった!ゴブリンの谷での戦いは特に惹きこまれ、浮遊感のあるカメラワークがとにかく心地よかった!子供の頃に見たら大興奮していたと思う映画だった。面白かった〜、と手放しで言えるので5点。

ホビット族のビルボ・バギンスが、悪竜スマウグに奪われた故郷ドワーフ王国を取り戻すため、仲間と共に「はなれ山」を目指す冒険物語。J.R.R.トールキンの『ホビットの冒険』が原作で、『ホビット 竜に奪われた王国』『ホビット 決戦のゆくえ』が続く3部作です。 本作は当初ギレルモ・デル・トロが監督を務める予定でしたが、スケジュールの都合で脚本を担当するという形での参加となりました。結果として3作品すべての製作に携わっています。

8.ギレルモ・デル・トロのロボット愛が溢れる『パシフィック・リム』【2013年】

B50371952 “夢見る苦労人”ギレルモ・デル・トロが遂に成し遂げた怪獣讃歌にしてロボット讃歌。 僕が初めて映画館で涙を流すことになった2013年8月が懐かしい。 掴みも最高だしスポーツ映画を参考にしたという熱いストーリーも大好き。何回見ても飽きのこない良さがある。ストーリーってのはプロットのひねりの多さじゃないんだよーとこれを見る度思う。 チェーンソードとラストで泣きました。
takuyappy プレデター以来、最高に面白い映画でした。怪獣映画やヒーロードラマで育った世代としては、感動の映画です

太平洋の海底の裂け目から現れた巨大生命体から地球を守るため、人類が人型巨大兵器「イェーガー」を開発し戦いに挑むSF超大作です。 親日家のデル・トロらしく作品に登場するロボットは、アニメ『機動戦士ガンダム』からインスピレーションを得たものもあるそうです。また、日本人女優の菊池凜子や子役の芦田愛菜が出演したことでも話題になりました。

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9.ギレルモ・デル・トロのこだわりが詰まったゴシックミステリー『クリムゾン・ピーク』【2016年】

riceballmeshi すごい良かった。ギレルモデルトロの作品、大好きです。映像がとにかく美しくて不気味で妖しくて、最高。ストーリーもこうなったらいいなの流れで全部来てくれてよかった。
ace666metal  ホラーというよりサスペンススリラー的なラブストーリーだった タイトルの通り、紅色を象徴的に見せるのはとてもシンプルで惹きつけられる トム・ヒドルストンの心情を刹那的に表現する演技が一番の見所か

家族を悲劇が襲った直後、幼馴染との恋に破れた作家志望のイーディスは、突然現れた謎の男トーマスに惹かれ結婚します。イーディスはクリムゾン・ピークに建つトーマスの屋敷に住み始めますが、そこには幽霊が出没し、ある秘密が隠されていました。

『アリス・イン・ワンダーランド』のミア・ワシコウスカや、『アベンジャーズ』のトム・ヒドルストンといった人気俳優が出演する本作。撮影のために建てられた豪華な屋敷や、美しい衣装も見どころです。 『フランケンシュタイン』の著者メアリー・シェリーや、『ユードルフォの秘密』の著者アン・ラドクリフといった、ゴシック小説の偉人たちから影響を受けたといわれるデル・トロ。 超常現象を巧みに利用して作り上げたストーリーは、単なるホラーの枠を超えたサスペンスに仕上がっています。

10. 本当に「心を通わせる」とはどういうことか。鬼才が抉り出す愛の本質『シェイプ・オブ・ウォーター』【2018年】

EllyMimy
EllyMimy 4.5

美しくて儚い夢からまだ醒めません。 デル・トロ監督からの愛やメッセージが沢山届けられたような気持ちになりました。 デル・トロ作品は正直あまり得意な方ではなかったのですが、この作品は濁流の如くの速さで心が飲み込まれました。 主人公イライザの、孤独を知る者だからこそ抱き慈しむ感情が暖かく、私自身もどちらかというとそちらの方の人間なので感情移入せずにはいられませんでした。 ひとつひとつのシーンも美しい。 善人も悪人も登場してキャラの個性もしっかり描かれていて、見ていて楽しくもなったり。 (ただ、愛猫家なので猫のシーンのみNG) 結末も好き。 賛否両論ある作品だと思うし、普段映画を観ない人たちが話題性だけで観に行ってもすんなり受け入れられない独特な異質さはあり。 でもデル・トロ作品にしてはクセもなく真っ直ぐな方だと思うので、沢山の方に観ていただきたい。 映画ファンで良かった、またこんなに素晴らしい作品に出会えて良かった、と心から思える作品でした。

モンスターに生かされ、モンスターたちの父となった人、ギレルモ・デル・トロ。アカデミー賞最多13部門ノミネートの快挙を果たした『シェイプ・オブ・ウォーター』でも新たなモンスターをこの世に送り出しました。 1962年、アメリカ。政府の極秘研究所で清掃員をしているイライザは声を出すことができません。日々の業務をこなす最中、研究所に囚われていた半魚人のような生き物と接触した彼女は、次第に異形の彼に心惹かれていきます。言葉を介したコミュニケーションを必要とせず、裸の心と心で通じ合う2人。しかし、政府主導の実験で彼は被験体にされる運命にあるのでした。 主人公イライザを演じるのはサリー・ホーキンス。助演にオクタヴィア・スペンサー、リチャード・ジェンキンス、マイケル・シャノンを迎え、異形の生物は特殊メイクを施したダグ・ジョーンズが好演しました。 映画ファンを魅力してきたデル・トロ監督の類い稀なセンス。本作でも、ため息の出るような映像美で人間性と愛の本質を探ります。ぜひ劇場でみたい、と思える作品です。