2018年11月19日更新

「死霊館」シリーズ時系列&相関関係を含めて徹底解説【アナベル】

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死霊館の人形 アナベル
©Warner Bros. Entertainment Inc.

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「死霊館」シリーズの時系列&相関関係を徹底解説【ネタバレ注意】

アナベル 死霊人形の誕生
(c)2017 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC

実在する心霊研究家エドとロレイン・ウォーレン夫妻を主人公に、「ソウ」シリーズなどで有名なジェームズ・ワン監督が手掛けたホラー映画シリーズ「死霊館」。一作目公開から5年が過ぎた2018年現在も、スピンオフ作品の公開が待機しています。 人気の「死霊館」シリーズの相関関係を時系列に沿ってご紹介します。

※本記事には「死霊館」シリーズ全作のネタバレと捉えられる情報が記載されています。

「死霊館」シリーズの時系列は?

2018年に公開された『死霊館のシスター』が、このシリーズの時系列としては一番最初になります。 このシリーズの元凶といっても過言ではない「ヴァラク」という悪魔の起源が明かされる本作。その後、お馴染みの「アナベル」の誕生を描いたスピンオフ2作が登場し、記念すべき『死霊館』、そして続編「エンフィールド事件」に続いていくのです。 ここから、時系列順に各作品のあらすじ・他の作品との相関関係を紹介していきたいと思います。

全シリーズの出来事を時系列で紹介!

【1863年】(死霊館) ジェドソン・シャーマンが屋敷を建ててバスシーバと結婚。しかし、自分の生後7日後の子供を儀式の生贄にしようとしたことにより、彼女が魔女であることが発覚。追い詰められたバスシーバは自殺。以降、屋敷のある土地は呪われることになる。 【1930年代】(死霊館)バスシーバが住んでいた屋敷に、ウォーカー夫人と息子が移住。しかし、息子ローリーが近くの森で失踪、夫人は地下室で自殺。その後、違う男の子が池で溺れたり、メイドが自殺を遂げる。

死霊館のシスター
©︎2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.

【暗黒時代】(死霊館のシスター)ルーマニアの城で、城主である公爵が悪魔崇拝の儀式をし、ヴァラクを召喚する。しかし、教会がこれを抑え封印。その後、その城は修道院となる。 【1945年】(死霊館のシスター)第二次世界大戦の影響で、被弾した修道院の一部が損壊。これによりヴァラクが解放される。 (アナベル 死霊人形の誕生)人形師のサミュエルの娘である“ビー”ことアナベルが、不慮の事故によって他界。夫妻は彼女を悪魔との取引を介して、この世に蘇らせようとする。 【1952年】(死霊館のシスター)ヴァラクより惨殺されていったシスターのうち、最後の生き残りであったシスターが自害。数日後、アイリーンと神父が調査に向かう。

アナベル 死霊人形の誕生
©2017 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC

【1957年】(死霊人形の誕生)サミュエルが孤児院の少女たちを家に受け入れる。そこでジャニスがアナベル人形と出会い、悪魔が乗り移る。ジャニスこと“アナベル ”は後に、ヒギンズ夫妻に引き取られる。 【1960年】(死霊館)ウォーレン夫妻が心霊現象に関する研究活動をはじめる。 【1962年】(死霊館、エンフィールド事件)ルーマニアでヴァラクに憑かれた“フレンチー”こと、モーリスを悪魔払いする。この時、ロレインは「エンフィールド事件」でエドが死ぬ予知夢を見て、8日間飲まず食わずで部屋に閉じこもることに。

【1967年初頭】(死霊人形の誕生、死霊館の人形)ヒギンズ夫妻宅に、成人してカルト集団の一員になっていたアナベルが侵入し、彼らを殺害。その後、アナベル人形を所持していた隣の家に住むミアとジョンを襲う。二人は九死に一生を得て、アナベル(ジャニス)は人形を抱えて、悪魔の魂を人形に戻す。 【1967年後期】(死霊館の人形)人形の件が一件落着したミアとジョンが引っ越す。しかし、人形は店で誰か別の人物に買われていく。 【1971年】(死霊館)ペロン一家がバスシーバの屋敷に引っ越してくる。しかし、怪奇現象が起きたため、ウォーレン夫妻がこれを解決する。その直後、アミティヴィル事件の依頼がくる。

【1974年】(エンフィールド事件)アミティヴィルで起きた一家惨殺事件について、ロレインが透視する。しかし、この事件が世間から彼らの調査が“でっち上げ”であるといわれる所以になる。 【1977年】(エンフィールド事件)ウォーレン夫妻が、エンフィールド事件を調査する。ロレインは少女に取り憑いた老人の霊を追い出すことに成功。しかし、老人の霊を操っていた真の悪・ヴァラクと対峙し、悪魔払いを成功させる。

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1. 『死霊館のシスター』(舞台は1952年、ルーマニア)

『死霊館のシスター』あらすじ

1952年、ルーマニアの修道院で一人の修道女が自ら命を絶つという事件が発生。しかし、単なる自殺とは違った不可解な点が多いことから、バチカンは真相を究明するためにバーク神父と不思議な力を持つシスターの見習いであるアイリーンを派遣します。 調査にやってきた彼らは、修道院に物資を運ぶ仕事をしている遺体の第一発見者の青年フレンチーという青年に出会います。その後、問題の修道院に招かれた彼らは泊まることになるのですが、そこからシスターの格好をした悪魔「ヴァラク」と対峙していくことに。 シスターの死の真相、ヴァラクの起源に迫っていく作品となっています。

他作品との関わり①『アナベル 死霊人形の誕生』

このヴァラクは、『アナベル 死霊人形の誕生』に登場したシスターのシャーロットがルーマニアで修道女仲間と撮った写真の中に映り込んでいました。また、本作のエンドロール後の映像で『死霊館のシスター』の前振りとして登場したぐらいで、作品自体には深い関わりはありませんでした。 シャーロットとの関わりも実は不可解です。シャーロットの写真は、彼女がルーマニアの修道院時代のものだと話していました。しかし、『死霊館のシスター』ではアイリーンと接していたシスターが実はすでに全員死んでいて、亡霊だったことがクライマックスで明かされます。冒頭で自殺を遂げたシスターは、最後の生き残りでした。 すると、写真に映っているので、ヴァラクはシャーロットがいた時から修道院にいたことになりますが、彼女はシスターが皆殺しになる前に無事、修道院を脱出できたことになります。しかし、残念ながらそういった背景は一切語られていないため、真相は不明です。

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他作品との関わり②『死霊館』

死霊館のシスター
©2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.

シスター・アイリーンと神父を助けながら、共にヴァラクに立ち向かっていったフレンチーという少年が、『死霊館』に強く関わってきます。映画のラストでフレンチーという名前がニックネームであり、本名が「モーリス」であることが発覚します。 このモーリスという男は、実は『死霊館』でウォーレン夫妻が大学の講義中に見せていた悪魔払いのビデオの中に登場した男だったのです。ロレインは彼(に取り憑いているヴァラク)によって、恐ろしいヴィジョンを見せられ、数日間部屋にこもってしまいました。 ちなみに、アメリカのコネチカット州にあるウォーレン夫妻のオカルト博物館には『死霊館のシスター』でアイリーンが滞在していた部屋に飾ってあったシスターの写真があるので、ぜひ見つけてみてください。

他作品との関わり③『死霊館 エンフィールド事件』

ヴァラクがシリーズで初めて姿を表したのが、『死霊館 エンフィールド事件』です。モーリスに憑いた後、ヴァラクは「エンフィールド事件」の惨劇の舞台となるホジソン家に取り憑きました。 そしてロレインの夢に度々出現し、自分を破滅させようとしている彼女の邪魔をしたり、夫エドの命を狙います。ロレインは最終的に悪魔の名前を突き止め、ヴァラクを支配して退けることに成功しました。

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2. 『アナベル 死霊人形の誕生』(舞台は1945年・1957年、アメリカ)

『アナベル 死霊人形の誕生』あらすじ

1945年、人形職人であったサミュエルと妻の愛娘であったビーが不慮の事故によってこの世を去ってしまいました。 それから12年後の1957年、聖ユースタス女子孤児院から、6人の孤児とシスター・シャーロットがサミュエルの家にやってきます。自宅の空間を孤児院に提供することで受け入れられた少女たちでしたが、そのうちの一人ジャニスが家で不可解な出来事が起きているこに気づきます。 彼女は「入ってはいけない部屋」で、鍵のかかったクローゼットの中にいるアナベルを発見。それから悪魔が少女たちや夫妻の牙を剥きます。

他作品との関わり①『アナベル 死霊館の人形』

本作と関わりが深いのは、スピンオフの第一作目である『アナベル 死霊館の人形』です。本作で悪魔に取り憑かれたジャニスは、アナベルが封印されていた聖書が張り巡らされている部屋に閉じ込められます。しかし、そこから脱出して行方不明に。 数年後、失踪したと思われたジャニスは他の孤児院にいて、「アナベル」と名乗っていました。彼女はヒギンズ夫妻に引き取られるですが、その後大人になってからカルトに入り家を出てしまいます。そして12年後、実家に戻ってきたアナベルはヒギンズ夫妻を殺し、アナベル人形の新たな持ち主である隣人のミア・フォームを襲います。 つまり、ミアを襲った後で人形に邪悪な魂を移したのはジャニスであり、中に入った魂はビー(アナベル)の悪霊だったのです。

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3. 『アナベル 死霊館の人形』(舞台は1967初期、アメリカ)

『アナベル 死霊館の人形』あらすじ

『アナベル 死霊館の人形』
© 2014 Warner Bros. Entertainment Inc.

1967年、アンティークドールのコレクターであるミアは、ある日夫のジョンから以前から欲しかった人形をプレゼントされます。 しかしその日の夜、隣家の夫婦が悪魔崇拝のカルトに入信した娘とその恋人に殺害され、異変を察知して様子を見に行ったミアも襲われてしまいます。両親を殺した娘は、ミアの人形を持ったまま自殺を図りました。 その後、子供を産み引っ越したミアは捨てたはずの人形を新居で見つけ、身の回りで奇妙なことが次々と起こり始めます。ミアは危険を感じ、教会の神父に人形を預けることにするのですが……。

他作品との関わり①『死霊館』

死霊館の人形 アナベル
©Warner Bros. Entertainment Inc.

『アナベル 死霊館の人形』はもともと、『死霊館』に登場した不気味な人形アナベルについて描いた作品でした。人形の誕生自体に焦点を当てたのはスピンオフ2作品目の『アナベル 死霊人形の誕生』でしたが、人形の悪行に関して焦点が当てられたのは本作です。 また、直接的な時系列としてミアが人形を手放した後、人形は紆余曲折を経てデビーという女性の手に渡り、ウォーレン夫妻が彼女から話を聞く流れになります。

4. 『死霊館』(舞台は1971年、アメリカ)

『死霊館』あらすじ

死霊館
©Warner Bros. Entertainment Inc.

非聖職者で唯一カトリック教会から公認を受けた悪魔研究家のエドと、その妻で霊能力者であるロレインのウォーレン夫妻。彼らは超常現象研究家として有名になり、不可解な事件の調査をしていました。 1971年のある日、彼らのもとにロードアイランド州に住むペロン一家から調査依頼が舞い込みます。念願のマイホームを手にいれたペロン一家は、引っ越し翌日から不気味な現象に悩まされていたのです。

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他作品との関わり:全作品!

本作は記念すべきシリーズ第一作目にして、他作品の全てと繋がりをもっている傑作です。『死霊館』を軸にして物語は繋がっているため、絶対的に見ておくべき! また、『死霊館』は作品単体で屋敷を巡る時系列が存在するので、それについては先述の通りです。

5. 『死霊館 エンフィールド事件』(舞台はイギリス、1977年)

『死霊館 エンフィールド事件』あらすじ

イギリスのエンフィールドに住むシングルマザーのペギーとその4人の子供たちは、1977年のある日を境に、家の中の不可解な現象に悩まされるようになりました。 教会から彼らの家の調査を依頼されたウォーレン夫妻は、危機感を抱きながらも調査に訪れます。事件はペギーの娘、ジャネットのいたずらということにされてしまいますが、真相を見抜いたウォーレン夫妻は一家を助けに向かいます。

他作品との関わり①『死霊館のシスター』

本作でロレインが対峙するのは、かねてからの宿敵である悪魔・ヴァラク。『死霊館』の時にしていた授業の講義で紹介したモーリスに対する悪魔払いで、自分を消滅させようとしているロレインに対して敵対意識をもったヴァラクは、彼女に固執するようになったのです。 しかし、度々彼女のヴィジョン(幻視)に出てくることで、自分の名前を明かしてしまいました。このヴァラクの正体が描かれたのが『死霊館のシスター』です。『死霊館のシスター』でヴァラクは蛇を使っていましたが、「エンフィールド事件」ですでにロレインの口から「地獄の公爵」「蛇どもの首領」と正体が明かされていました。

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超常現象研究家ウォーレン夫妻は実在する!

「死霊館」シリーズの主人公、エドとロレインのウォーレン夫妻は、実在する有名な超常現象研究家です。1974年に起こった「アミティビル事件」の調査・解明などで有名になった夫妻は、これまでに1万件以上の超常現象を調査したことで知られています。 夫のエドは2006年に亡くなりましたが、妻ロレインは現在も超常現象の調査や過去の調査で得た証拠を展示する博物館の管理などを続けており、シリーズ第1作目の『死霊館』では、脚本の監修も手がけました。

死霊館シリーズはまだまだ続く!

これまで5作品登場していて、すでにそれぞれの作品が緻密に関わっていてなかなか整理することが難しいでしょう。しかし、「死霊館」シリーズはこれに止まらず、2018年11月の現段階で少なくとも3作品は製作が決定しています。 一つは『アナベル3(仮題)』。本作は、ウォーレン夫妻の娘がアナベル人形のターゲットになる模様。そのため、レド役のパトリック・ウィルソンと、ロレイン役のヴェラ・ファーミガの出演が決定しています。全米公開は2019年7月を予定しています。

2つ目は『死霊館3(仮題)』。こちらは2019年から撮影がスタートし、監督がジェームズ・ワンではなく、新鋭のマイケル・シャベスに決定していることのみ、現段階で確認がとれます。 最後は『The Crooked Man (原題)』です。これは、「エンフィールド事件」に登場した“へそ曲がり男”のスピンオフ作品となり、詳細は不明です。 ヒーロー映画以外でここまでユニバース化するのも珍しい。「死霊館」シリーズは2010年以降、誰よりも愛されているホラー作品といえるでしょう。