2017年7月6日更新

『イップ・マン』シリーズ全作を大解説!【ドニー・イェン主演】

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イップ・マン 継承『』
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“イップ・マン映画”ブームの火付け役『イップ・マン』シリーズとは

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『イップ・マン』シリーズとは、ウィルソン・イップ監督、ドニー・イェン主演による2008年から2015年の間に製作された『イップ・マン 序章』、『イップ・マン 葉問』、そして『イップ・マン 伝承』の3作品を指します。 中国・香港に実在した拳法家のイップ・マン(葉問)を主人公としたアクション映画で、第1作『イップ・マン 序章』の大ヒットを機に、彼を主人公にした映画が数多く作られることとなりました。

主人公となった実在の人物イップ・マン(葉問)とは

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実在のイップ・マンは1893年に広東省で生まれ、わずか7歳で詠春拳の陳華順の弟子となります。その後、日中戦争の影響で香港に渡り詠春拳の道場を開き、そこで実践した論理的かつ合理的な指導法により、詠春拳普及の立役者となりました。 争いを好まぬ性格で、拳法はケンカの道具ではないと常々語っていたとされ、1972年に79歳で亡くなっています。

“宇宙最強の男”ドニー・イェンの代表作となった

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シリーズ3作品で主演を務めたアクションスターのドニー・イェンは、それまでにも主演作品はあったものの、圧倒的な強さを誇るこのイップ・マン役のイメージが定着し、ついには“宇宙最強の男”というキャッチフレーズがつくほどの人気となりました。その活躍は海を渡ってハリウッドにも広がり、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』、『トリプルX:再起動』などの話題作に出演しています。

『イップ・マン』シリーズの主なキャスト

イップ・マン(葉問)/ドニー・イェン

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詠春拳の達人のイップ・マン。無益な争いを好まない人格者ですが、時として家族や町民のために卓越した拳法を繰り出します。 イップ・マンを演じるにあたり、ドニー・イェンは約10キロ近い減量を施したうえ、他の映画撮影に臨んでいた際にも、ホテルの部屋で木人樁(もくじんしょう)と呼ばれる人型の訓練道具で詠春拳の型を身につけました。その甲斐あってか、イップ・マンの実の息子からも絶賛されました。

ウィンシン/リン・ホン

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© 2012 Getty Images
シリーズ全作を通してイップ・マンの妻として登場するウィンシン。数々の困難に巻き込まれながらも、少々不器用な夫をを支えます。 ウィンシン役のリン・ホンはモデル出身の美人女優で、『イップ・マン 序章』が本格女優デビュー作となりました。そのは女優としての評価を高め、第3作『イップ・マン 伝承』では多くの観客の涙を誘ったとさらなる称賛を受けました。

日本軍将校・三浦/池内博之

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『イップ・マン 序章』の敵役となった日本軍将校にして空手の名手である三浦。非情な性格でありながら、武道家としての誇りも持ち合わせた人物です。 三浦を演じた池内博之は、撮影の1カ月前からアクション監督のサモ・ハン・キンポーの元で特訓を行いました。また、三浦を単なる悪役ではないキャラクターとして造詣しようと、自ら監督のウィルソン・イップに提案しています。なお池内は、2013年の『スイートハート・チョコレート』と、2016年のジャッキー・チェン主演作『鉄道飛虎(Railroad Tigers)』(原題)といった中国映画に連続出演しています。

ホン/サモ・ハン・キンポー

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『イップ・マン 葉問』に登場する洪拳の達人ホン。詠春拳の達人のイップ・マンと相対しますが、互いに実力を認め合うようになります。 ホン役のサモ・ハン・キンポーは、日本では「デブゴン」の愛称で知られる、ジャッキー・チェンやユン・ピョウと並ぶ中国・香港映画の重鎮。『イップ・マン 序章』と『イップ・マン 葉問』ではアクション監督も兼任しており、『イップ・マン 葉問』出演直前に心臓の手術を受けていたにもかかわらず、激しいアクションシーンをこなしました。

葉問伝説はここから始まった、栄えあるシリーズ序章【2008年】

puchipuchigumi 強くて心優しいが、武術に打ち込みすぎるのを良く思っていない家族。 それが日露戦争によって、日本軍に対して怒りと信念を溢れんばかりに出すようになり、妻も寄り添うようになる。 そういったドニー•ウェンの演技も見事であり、要所での迫力あるアクションシーンもまたかっこいい。 ブルース•リー唯一の師匠というのも、納得してしまう。 外国から見た日本軍を見られるという意味でも、興味深かった。 大分悪者として描かれていて、どこまで現実かは分からないが、しっかりと受け止めなければならない歴史なのかもしれない。
1930年代の中国広東省仏山にて平和に暮らしていたイップ・マンは、間もなく発生した日中戦争により町は日本軍の占領下となり、極貧生活を強いられることになります。イップ・マンが町一番の武術家と知った日本軍は、彼に詠春拳を教えるよう強要しますが…。 『イップ・マン』シリーズの第1作にして、後の“イップ・マン映画”ブームの礎となりました。日本軍統治下の中国が主舞台とあって日本人キャストも多数出演しており、なかでも敵役となった池内博之の演技が評価されました。

男の意地とプライドを懸けてイップ・マンが闘うシリーズ第2章【2010年】

puchipuchigumi 強いだけでなく、正に正義というような魅力的なキャラクターは健在。 ツイスターに勝った後の、勝ち負けでなく尊重し合うべきことを説いたスピーチなどはその象徴。 前作の日本人のような悪役を、今作は西洋人が引き受けさせられている。 日本人よりは、明らかに強い敵として描かれていたように思う。 ホンがツイスターに殴られるシーンは、直視し難いほどに残酷。
mamoru323 ブルースリーの師匠である実在の人物イップマン。武道がどうすれば人のためになるのか悩み考え行動する、これぞリアルヒーロー。
1950年、日本軍から逃れるべく家族を連れ香港に移住したイップ・マンは、妻ウィンシンの妊娠費用を稼ぐために詠春拳の道場を開きます。しかし、その土地を仕切る洪拳の達人ホンとの派閥争いに巻き込まれる一方で、中国武術を侮辱したイギリス人ボクサーが現れ…。 前作『イップ・マン 序章』のヒットを受け製作された第2作で、ここからドニー・イェンの“宇宙最強の男”のイメージが定着しました。中盤で繰り広げられる、ホン役のサモ・ハン・キンポーとの一騎打ちは必見です。

マイク・タイソンやあの伝説アクションスターも登場する?シリーズ最終章【2015年】

1959年、家族と平穏な日々を過ごしていたイップ・マンの前に、土地を奪おうとする悪徳不動産業者が現れます。町の平穏を取り戻すべく立ち上がるイップ・マンでしたが、実はそこには、真の詠春拳をめぐる闘いも含まれていたのです…。 2015年製作のシリーズ第3作にして最終作。アクション監督が『マトリックス』トリロジーで知られるユエン・ウーピンに代わったことで、さらにアクロバティックなアクションが繰り広げられます。元プロボクサーのマイク・タイソンが共演するほか、サービス的要素として「ある」アクションスターも登場。日本では2017年4月22日に公開されるので、誰がどのように登場するかはご自身の目で確かめましょう。

イップ・マンの教えを継承した世界的アクションスター

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イップ・マンの元で詠春拳を学んだ門下生は数多く、その中には世界的アクションスターとなったブルース・リーもいたのは知る人も多いでしょう。彼は詠春拳を学んだ後に18歳で渡米し、詠春拳を下地とした「振藩功夫」(「振藩」とはブルースの本名)を経て、さらに独自の思想による武道・哲学「截拳道(ジークンドー)」を創設しました。

日本での公開は2作目の『イップ・マン 葉問』が最初だった

『イップ・マン 葉問』
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日本では、1作目の『イップ・マン 序章』は日本人が敵役だったことから公開が見送られ、2作目の『イップ・マン 葉問』が2011年2月12日に公開されました。しかし、『イップ・マン 序章』公開を望む声が大きかったことから、『イップ・マン 葉問』のメイン公開館の新宿武蔵野館での観客動員が5,000人を超えれば、『イップ・マン 序章』が一般公開されるという条件が設けられました。 結果として見事にその条件は果たされ、『イップ・マン 序章』は同年2月19日に一般公開されました。

葉問をモデルとした実話ベースの映画も

Claude_Higano カンフーの真髄をみた ウォンカーウァイ監督らしい、多くを語らず映像で魅せる感じはさすが お馴染みのキャストに新鮮味はなし 相変わらずチャンツィイーが美しすぎる
ドニー・イェンの『イップ・マン』シリーズは、イップ・マン本人のイメージを膨らませたフィクション要素が強いですが、実話を主体にしたとされるイップ・マン映画もあります。 2013年製作のウォン・カーウァイ監督による『グランドマスター』は、1930年代に起こったという、さまざまな流派に分かれた中国拳法界の統一を担う後継者選びにまつわる争いをベースにしたと云われています。もっとも、細かい部分では史実と異なる面もあるようです。