2023年7月22日更新

映画『真夏の方程式』のあらすじやネタバレを解説!悲しすぎる結末は?【映画「ガリレオ」第2弾】

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映画『真夏の方程式』のあらすじや号泣必死の結末までネタバレ解説

映画『真夏の方程式』は、『新参者』や『放課後』などの作品を排出しているベストセラー作家東野圭吾による原作小説を映画化した作品です。物理学者・湯川学を主人公とする「ガリレオ」シリーズの1つであり、シリーズ3作目の長編小説でした。 テレビドラマ「ガリレオ」シリーズ、劇場版第1作『容疑者Xの献身』の大ヒットを受け、劇場版パート2として満を持して2013年に映画化されたのが本作です。前作から5年ぶりの製作であり、パートナーの交替もありました。

『真夏の方程式』のあらすじ

物語の舞台は美しい海が残っている玻璃ヶ浦。玻璃ヶ浦では資源開発計画が進められており、湯川学がこの計画のアドバイザーとして現地に招かれることから物語は始まります。 海を守ろうとする開発反対派と開発推進派が激しく対立していたところに、湯川は中立の立場から意見を述べたのでした。 湯川は反対派の急先鋒である環境保護活動家の女性・川畑成美の両親が営む旅館、「緑岩荘」に湯川は宿泊し、恭平という少年に再会しました。彼は川畑夫婦の甥で夏休みだけこちらに来ているのですが、湯川は電車の中でも恭平に会っていたのでした。 翌日、玻璃ヶ浦で遺体が発見されます。身元は緑岩荘のもう1人の宿泊客、塚原正治と断定され、海岸を散歩中に足をすべらせた転落死と見られました。 ところが塚原は元・刑事で、15年前に三宅伸子というホステスが殺された事件が実は冤罪ではないかと疑い、調査のために玻璃ヶ浦に来ていたことが判明します。 塚原は15年前の殺人事件の犯人、仙波英俊を探していたらしいのです。塚原の死因に疑いをもった東京の警視庁から岸谷美砂刑事が派遣され、湯川に協力を仰ぎます。調査が進むにつれ、川畑夫妻・田中伸子・仙波英俊の意外な関係が浮かび上がってくるのです。

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『真夏の方程式』の悲しい結末とは?【ネタバレ注意】

三宅伸子を殺害したのは誰?

まず冒頭の非常に印象的なシーン。誰かが走っているところが本人の視点で撮られていて、やがてその人物がナイフで女性を刺し、女性が真っ赤な傘を落とすと、その傘は下を通っている線路の上に落ちていきます。これは三宅伸子殺害の場面だったのです。刺したのは当時14歳だった川畑成美です。 成美がなぜ、三宅伸子を刺したのか?成美は川畑節子と仙波英俊(白龍)が不倫をした末にできた子どもだったのです。そのことで金をせびりに来た三宅伸子と川畑成美が口論になり、興奮した成美は三宅伸子を刺殺してしまったというわけです。そのことを知った仙波英俊は実の娘である成美をかばって、殺人事件の犯人として警察に自首しました

塚原正治はどのように殺害された?

その事件を当時担当していた塚原正治は仙波が冤罪であると確信し、退職後も独自に調査を続けていました。では、塚原正治はなぜ、どのように殺害されたか? 検視の結果、塚原正治の死因は一酸化炭素中毒と判明します。塚原の泊まっていた部屋のボイラーが故障していて煙が充満してしまい、窒息死。旅館の評判が落ちることを恐れた川畑重治が遺体を海岸に捨て、転落死のように装ったということで、過失致死で逮捕されます。 しかし、湯川学は真相に気づいていました。「このままでは、ある人物の人生がねじ曲げられてしまう」と考えて動きます。川畑重治はすべてを知っていて、このままでは塚原に15年前の事件の真相が暴かれてしまうと考えて、故意に塚原の部屋に煙が充満するように仕向けたのです。 ところが、足の悪い重治は煙突に上れません。重治は恭平に「ロケット花火が煙突に入らないように」と嘘をついて、恭平に濡れた段ボールで煙突をふさがせます。重治は実の子ではないものの、成美を心から愛していたのでした。

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湯川が気にかけた恭平のその後とは?

湯川が気にかけていたのは、恭平がいつか真相に気づいて知らぬうちに自分が実行犯になっていたことに罪悪感を抱くのではないかということです。湯川は、打ちのめされている成美に恭平を守る役割を託します。 湯川は玻璃ヶ浦を去るときに、恭平に言います。「問題には必ず答えがある。(中略)君がその答えを見つけるまで、僕も一緒に考える。一緒に悩み続ける。忘れるな。君は1人じゃない。」と。 この湯川のセリフこそ、タイトルの『真夏の方程式』を指していると読み取ることもできます。湯川は、今後1人で悩み苦しんでしまうであろう恭平に、すぐに「答え」が出るような問題ではないのだと、自分でも悩むような問題なのだと伝えようとしたのではないでしょうか。 子供嫌いの湯川にしては、珍しく優しい言葉でもあります。恭平のその後は描かれていませんが、きっと恭平の今後の人生において湯川の「君は1人じゃない」という言葉、そして「真夏の方程式」は、心強い存在となったことでしょう。

映画『真夏の方程式』のロケ地は?

映画『真夏の方程式』の舞台は、青い海が美しい「玻璃ヶ浦」という架空の小さな町。では、どこで撮影が行われたのでしょうか?実は都心からさほど遠くない西伊豆町浮島(ふとう)がメインのロケ地なのです。「緑岩荘」として撮影されたのは「五輪館」という民宿で、実際に宿泊もできるようです。 玻璃ヶ浦は浮島海岸で、映画の通りの風光明媚な海岸です。海水浴シーズンは観光客も多いのでしょうが、オフシーズンは少しひなびたような何とも言えない味わいのある町並みが楽しめるようです。 また、玻璃ヶ浦駅のシーンは愛媛県の高浜駅で撮影されたそうです。趣のある駅舎を楽しむのも一興でしょう。

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『真夏の方程式』の登場人物・キャスト

湯川学役/福山雅治

湯川学は「ガリレオ」シリーズの主人公にして探偵役。帝都大学物理学助教授(准教授)であり、物理学のみならず様々な雑学に関する知識の持ち主です。「ガリレオ」は、難事件を論理的に解き明かす見事な手腕から、警察がつけたあだ名ですが、本人は嫌がっています。 ドラマ版、映画版では「実に面白い」が口癖ですが、原作にはありません。福山雅治のクールなイメージを決定づけた当たり役と言えるでしょう。 湯川は子どもが苦手ですが、本作では恭平という少年との交流が重要なプロットになっています。理科が不得意だという恭平のためにペットボトル・ロケットを作って、海岸で飛ばすシーンがあります。 本作で少年と絡むシーンの福山の演技は、直前に撮影した『そして父になる』の影響が強いのでは?と見る向きもあるようです。

川畑成美役/杏

川畑成美は、玻璃ヶ浦の海を守る環境活動をしている女性。かなり過激な活動さえしており、そのために湯川と対立します。物語の終盤でその行動原理には成美が抱えている秘密に原因があることを、湯川が示唆します。 歯に衣着せぬ意見を述べるものの、実は影の部分を隠している、という難しい役に女優の杏が挑戦しています。

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岸谷美砂役/吉高由里子

岸谷美砂は、柴崎コウ演じる内海薫に代わって登場した、原作にないオリジナルキャラクター。内海が海外研修に行くので、代わりに湯川の担当になった国立大学出のキャリア刑事という設定です。 自信家でプライドが高く時として無神経な発言をしてしまうので、捜査にむしろ支障が出てしまうのではとハラハラするほどです。内海薫とは正反対とも言えるキャラクターを吉高由里子が演じきります。

川畑重治役/前田吟

川畑重治は成美の父親で、玻璃ヶ浦の旅館・緑岩荘の主人です。膝を壊していて杖をついているという事実が後に重大な帰結をもたらします。 娘を心から愛していて、そのためには何でもするという人物を、名バイプレーヤー前田吟が熱演しています

川畑節子役/風吹ジュン

川畑節子は成美の母親で、重治の妻。冒頭のシーンで何か重大な秘密を隠しているらしいことが示されます。演じるのは、最近ではめっきりお母さん役が似合うようになった風吹ジュンです

柄崎恭平役/山﨑光

柄崎恭平は、川畑節子の弟の息子で、成美の従弟に当たります。小学校5年生で、夏休みを親戚の経営する旅館で過ごすために玻璃ヶ浦に来ました。湯川学の科学的知識に敬意を覚えているので、湯川からも一目置かれます。実は殺人事件で重大な役割を演じさせられていたことが判明し、湯川を苦悩させます。 そんな難しい役どころの恭平を演じたのは当時9歳だった山﨑光。2023年現在でも映画やドラマ作品を中心に活躍しています。

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映画「ガリレオ」第3弾『沈黙のパレード』が2022年公開!

2021年7月、「ガリレオ」劇場版第3弾として、映画『沈黙のパレード』が2022年9月16日に公開予定であることが発表されました!「ガリレオ」シリーズの映画が公開されるのは、2013年の『真夏の方程式』以来9年ぶりとなります。 『沈黙のパレード』の原作は、2018年に「ガリレオ」シリーズ第9弾として出版された東野圭吾の同タイトル推理小説。湯川学役を福山雅治が続投するほか、連続ドラマや映画『容疑者xの献身』(2008年)に湯川のパートナーとして登場した刑事・内海薫役の柴咲コウが復活することがわかっています!

『真夏の方程式』を復習して「ガリレオ」シリーズを楽しもう

「ガリレオ」シリーズの映画『真夏の方程式』。その結末は、シリーズ映画第1弾の『容疑者Xの献身』を超えるほど悲しいもので、心に鋭く突き刺さります。 結末を知っていても、実力派俳優陣の演技込みの映像で見ると、感情移入して感動できるはず。