2017年7月6日更新

『相棒15』の面白かった回の視聴率・ネタバレまとめ【ダークナイトが出演予定だった】

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『相棒 劇場版IV』

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大好評のうちに終了した『相棒』シーズン15

『相棒』
2016年10月12日の第1話から2017年3月22日の最終話まで、これまでと変わらず大好評のうちに幕を閉じた『相棒』のシーズン15。水谷豊扮する警視庁「特命係」係長・杉下右京を不動の主人公に、その4代目相棒・冠城亘を反町隆史が演じてから2シーズン目です。 シーズン15放送真っ只中の2月11日には、劇場版第4作目となる『相棒 -劇場版IV- 首都クライシス 人質は50万人! 特命係 最後の決断』も公開されて大きな盛り上がりをみせました。また、season11から13まで相棒だった甲斐享(ダークナイト)はseason15に出演予定でしたが、突然の芸能界引退により夢の競演は叶いませんでした。 全18回が安定の高視聴率を記録していますが、今回はその中から、特に面白かったと評判の10話を選りすぐり、各エピソードをネタバレありでご紹介します。(視聴率の数字は関東地区の平均です。)

第1話「守護神」

2016年10月12日放送・視聴率15.5%

3人の人間を呪い殺してしまったと訴える女性・来栖初恵が警察を訪ねてきます。捜査一課は冷たくあしらいますが、右京と亘は不審に思い、捜査を開始します。亘は、警察学校での研修を終え広報課に配属されていました。 呪い殺したのは、高校の同級生・ブリーダーの男性・ジムのインストラクターの3人で、自分は青森に住む祖母・トヨの持つ不思議な力を受け継いでいるのだと告白する初恵。右京は確かにその事実を確認し、また実際、背後にトヨと初恵の幼馴染・梶原の奇妙な動きを突き止めます。やがて、梶原がインストラクター殺しの真犯人だと自首。 しかし、それが真実ではないことを知っている右京らは、一人の弁護士を利用して、初恵に罠を仕掛けます。結局、3人の殺害は実際全て初恵の手によるものでした。最初の犯罪を後悔し自殺しようとしていた初恵に、呪いで殺したと思うようひそかにトヨが暗示をかけていたのです。

見どころポイント

初回2時間スペシャルとして放送され、ゲストはトヨ役で山本陽子、初恵役で小野ゆり子でした。最後に、亘は特命課に異動し見事復帰することになります。が、その前に法務省事務次官の日下部から、広報課課長の社美彌子を監視するよう命じられるという、大きな伏線が張られる重要な回です。

第2話「チェイン」

2016年10月19日放送・視聴率15.3%

羽賀という男から、独特の香りを放つ自家製シガーを吸っていた工藤春馬なる人物を探して欲しいと依頼された右京。それとは別に、桜子という女性から、やはり工藤を探して欲しいとの依頼を受けていた亘。そんなとき、野中という男の遺体が発見されます。野中は羽賀と桜子の知り合いで、しかも遺体の横には自家製シガー……。 右京らは、そのシガーから石田という男に辿り着きますが、石田は毒入りシガーで自殺。二人が探していた工藤春馬とは石田のことだったことが判明します。 やがて、18年前に桜子を虐待していた義父殺しに関わっていたのが、当時、桜子の恋人だった野中であり、野中に頼まれて毒入り煙草を作ったのが羽賀でした。別の殺人を犯してしまった野中は、2人に捜査が及ぶのを避けるため、石田に頼んで自殺したという、愛憎の人間関係が紐解かれていくのです。

見どころポイント

ゲストは羽賀役で音尾琢真、桜子役で大谷みつほでした。そして、第1話で初めて登場した浅利陽介扮するサイバーセキュリティ―対策本部の青木年男なる人物。登場の仕方も謎めいていましたが、どうやら今シーズン登場していない米沢守的立ち位置にいることが判明。どうも気にかかる存在です。

第3話「人生のお会計」

2016年10月26日放送・視聴率14.6%

医師から余命宣告を受けた一人の保険営業マン・谷中が、たまたま山本という年配の男が自宅で自殺しようとしていた現場に遭遇し、踏み止まらせることに成功します。山本は、娘を自殺に至らしめた男への復讐を口にしますが、数週間後、その山本自身が殺害されています。 捜査にあたった右京らは、山本が最近保険に入っており、受取人が谷中であること、さらに山本の娘が実際、10年前に田島という男に関わり自殺していた事実を突き止めます。田島が働いていたホストクラブに足を運ぶと、先に谷中が田島の住所を調べ上げていました。 死ぬ前に人のためになりたいと、山本に代わって田島に復讐しようとしていた谷中。しかし実は、山本は、娘のことで田島をゆすっていたという事実、それが耐えられず田島が山本を殺害したのだという真相を右京らは掴んでいました。

見どころポイント

ゲストはお笑いコンビ「アリtoキリギリス」の石井正則。意外なキャスティングでしたが、人情味あふれる谷中役は好評でした。最後は、もちろん谷中も逮捕されてしまいますが、医師から「数値が回復してきた」と言われるオチは、後味の悪くない結末でした。

第7話「フェイク」

2016年11月23日放送・視聴率14.4%

男児2人の誘拐事件が発生し、そのうちの一人、翔太が遺体で発見。もう一人の広斗の両親には多額の身代金が要求されており、翔太は巻き添えだったというのが警察の見方。ところが、翔太の母・美奈子が、なぜか亡き翔太と2人暮らしだったはずのアパートで子供と話しながら笑っているような声を亘が耳にします。 広斗の母・有里に身代金を運ばせ、真犯人を突き止めるという方策をとった捜査本部に対し、右京はなぜか犯人の行動に違和感を覚えていました。もしかして美奈子が犯行に関わっているのか? しかし結局、犯人は有里の夫、つまり広斗の父親でした。投資に失敗し、多額の借金を抱えた末の犯行だったのです。 美奈子が笑っているように聞こえたのは、実は我が子を失った哀しみから幻覚を覚えていただけのこと。死んだのは翔太ではなく、広斗だと思いこもうとしていたのです。

見どころポイント

ゲスト出演で子を失った悲劇の母・美奈子を演じたのが安達祐実です。ある意味、誰もが予想しなかった驚愕の結末でしたが、さすが安達祐実の迫真の演技力で、じゅうぶん説得力を持つものとなりました。

第8話「100%の女」

2016年11月30日放送・視聴率15.1%

外務省の官僚・棚橋が殺害される事件が発生。現場近くで女教師をしている田村紗季の目撃証言から、同じ外務省の中嶋が起訴されます。裁判員裁判が行われることになり、担当検事は、有罪率「100%の女」と言われ、次席検事のポスト目前と評される倉田映子でした。 右京らは、紗季が映子の望む方向に微妙に証言を変えていることに注目します。映子に疑問をぶつけると、法務省事務次官の日下部を通じて圧力をかけてくる始末。棚橋殺害には国際情勢が絡んでいる可能性があり、深く関わると特命係の存続そのものが危ないと言われてしまうのです。 結局、真犯人は中嶋と被害者の妻の共犯だったことが判明。二人は不倫関係にありました。しかし、謎はなぜ紗季が映子のために証言を変えたのか……。それは紗季のある弱みを映子が握っていたからであり、そこには「100%の女」と言われる映子の深い心の闇があったのです。

見どころポイント

「100%の女」と言われる検事を演じた鶴田真由の冷酷さと、最後に明かされる心の闇は見応えじゅうぶんです。国際問題が絡むかもしれないという壮大な規模と特命係の危機がせまるという緊迫感あふれる回でした。最後、映子はひっそりと退職の道を選びます。

第10話「帰還」

2017年1月1日放送・視聴率17.3%

左遷先だと言われている黒水町駐在所へ異動させられた右京と亘。そこで、前任者の警察官らが次々と失踪しているという事実が判明。一方、パーティーに出席していた警視総監・四方田のところにラテン語で「私は獣として帰還する」と記された謎の電報が届きます。そして、その場には黒水町町長である和合の姿も……。和合は、前科者を積極的に受け入れることで町の再生に成功した人物でした。 右京らが、失踪刑事たちの捜査をしていたところ、黒水町に暮らす元受刑者の槙野を監視していた刑事がついに遺体で発見。実は、四方田と槙野は因縁の関係があったのですが、なぜか四方田も何者かに殺害されてしまうのです。さらに警官失踪を追っていた女性ジャーナリストの若月詠子も……。 様々な人物が入り乱れ、右京らの捜査が混迷を極めたのは当然でした。実は全ての犯人は、さしたる動機もない愉快犯の和合でした。和合は、IT企業の社長でもあり、PCに潜ませたウィルスで警察の動きを監視していました。そして、町の住民たちの過去を利用し、警察をからかうことに喜びを見出していたのです。

見どころポイント

恒例となった元日スペシャルとして放送されただけあって、華やかな登場人物と複雑な人間模様は見応えがありました。『相棒』には珍しい、猟奇的シーンや残酷描写もスペシャルならでは。豪華ゲスト陣は、和合役で八嶋智人、若月役で伊藤歩、四方田役で永島敏行が登場し、展開を盛り上げました。

第12話「臭い飯」

2017年1月18日放送・視聴率13.3%

大手米穀販売会社タキガワの不正を訴える告発状を遺して白骨化した遺体。遺体は、蜂矢という元受刑者で、協力雇用主制度でタキガワに就職した男でした。 捜査にあたった右京は、蜂矢失踪と同時に首になっていた、亀井という老人に辿り着きます。亀井は、何度も刑務所を出たり入ったりしている累犯受刑者でしたが、無関係を主張。一方、亘行きつけのレストランのオーナーシェフであり、タキガワと不倫関係にあったしおりにも疑惑の目が向けられます。 結局、会社の食品偽装に耐えられなくなった蜂谷の自殺、そしてそれを他殺に見せかけようと遺体遺棄したのが亀井だった、という真相を突き止める右京。いくら不正を告発しても、前科者であるがゆえ誰からも真剣に聞いてもらえない、そんな状況に悔しい思いをした亀井の行動だったのです。

見どころポイント

亀井に扮した笹野高史のひょうひょうとした演技と魅力が、なんと言っても最大の見どころです。最後、右京によってすべてが明かされる泣かせどころも、笹野高史の演技で格別見応えのあるシーンとなりました。

第13話「声なき者~籠城」

2017年2月1日・視聴率14.6%

1年前の2016年2月。暴行現場から逃走した司法浪人・真渕による人質立てこもり事件が発生。現場に居合わせた右京と、当時法務省から出向の身だった亘が独自に捜査を開始します。真渕は、吉井聡美という女性と引き換えに人質解放を約束するものの、聡美はすでに3週間前に死亡していました。 聡美は、尊が依頼され身辺調査していた女性でもあり、何やら警察庁とも繋がりが……。一方、右京と亘は、真渕がクラウドソーシングに登録していた事実をつかみ、鑑識の米沢に真渕のパソコン調査を依頼します。はたして、吉井聡美という女はいったい何者なのか……。そして立てこもり犯・真渕との関係は?

見どころポイント

シーズン15のうちで唯一2話に分けた展開の、その前編にあたる第13話。1年前の話という設定であり、及川光博扮する元相棒の神戸尊、そして六角精児演じる鑑識・米沢守の再登場が、なんといってもファンにはたまりません。

第14話「声なき者~突入」

2017年2月8日放送・視聴率14.5%

立てこもり事件は依然として解決せず、膠着状態に。右京は、犯人が真渕ではなく新堂司と言う名の高校生だと推測。また尊から、聡美の死因が自殺であり、その前に幼い息子と失踪していた時期があることを知らされます。一方、亘は司の父が法務省のエリートでありながら、家庭内DVで別居中である事実を突き止めます。 司は、DVを逃れシェルターに避難していた母と妹を通じて、やはりDVに苦しんでいた聡美と知り合った可能性が……。司は、聡美の死亡を知りながら、なにゆえ真渕になりすまして謎の要求をしているのか、右京の捜査と推理が冴えわたります。 真渕は、クラウドソーシングを利用して、DVから逃げた母子たちを探し出し、父親の元へ連れ戻すという裏の仕事を請け負っていた人物でした。司は、母と妹を守るため、真渕のふりをして、その背後で暗躍する水野の犯罪を公にしようとしていたのです。最後は、母親を拉致した水野が逮捕されたことを知って安心し、司は自ら投降します。

見どころポイント

第13話に続く後編として、1年前の立てこもり事件解決の顛末が描かれます。そしてこの事件は、2月11日公開の劇場版第4弾の重要な布石となっており、そのためにも見逃せない展開です。

最終回「悪魔の証明」

2017年3月22日放送・視聴率16.2%

サイバーセキュリティ対策本部の青木が、美彌子のパソコンにハッキングし、娘とおぼしき少女の写真を発見します。それに気づいた美彌子が、亘に嫌疑をかけると、なぜか亘のパソコンからハッキングした痕跡が……。一方、風間楓子という記者の手で、美彌子の隠し子発覚というセンセーショナルな暴露記事が公にされてしまいます。 掲載された写真の背景に注目した右京は、少女の父親がロシア人元スパイのヤロポロクではないかと推測。そして向かったのは、ヤロポロクに関係する2年半前の殺人事件で拘置中の内閣情報調査室室長・天野。美彌子とヤロポロクの関係を聞き出すためでした。父親がヤロポロクだとすると、美彌子はスパイと通じて国を売っていたのか。 結局、娘写真の写真流出は美彌子の自作自演。そして、美彌子を訴追できると考えていた警察幹部面々の追及に対し、ついに爆弾発言を放つのです。つまり、美彌子はヤロポロクにレイプされたのだと。そして、警察のためを思って泣き寝入りしたこと。こうして、美彌子の地位は安泰となったのですが……。

見どころポイント

ついに仲間由紀恵演じる社美彌子のプライベートが明らかになります。第1話で法務省の日下部からひそかに亘が依頼されていた美彌子監視の伏線が、ここで回収されるのですが、どうも何かあると思わせる結末でした。少なくとも右京は何かを掴んでいます。亘との関係、また、警察庁の甲斐の不気味な暗躍も気になります。このもやもや感は、次なるシーズン16への新たな布石でしょうか?