ロバート・ダウニー・Jr.版『ドクター・ドリトル』(2020)最新情報と過去シリーズをおさらい

世界的ベストセラーを基にした、映画『ドクター・ドリトル』が2020年3月20日に公開決定しました！ 「アイアンマン」や「シャーロック・ホームズ」人気シリーズで知られるロバート・ダウニー・Jr.が、動物と会話ができる主人公・ドリトルを演じます。また動物たちの声を演じるキャストも超豪華！スタッフにも『アリス・イン・ワンダーランド』や『マレフィセント』のメンバーが集結しています。 この記事では、そんな2020年公開の『ドクター・ドリトル』の最新情報や、過去の実写化作品を紹介します。

動物と話せるドリトル先生は名医ながらも変わり者なため、世間と離れて動物たちと暮らしていました。しかし若き女王が重い病に倒れてしまい、唯一の治療法を見つけるためにドリトルは伝説の島へ旅に出ます。 旅の仲間は助手のスタビンズ少年と、頑固なオウム、臆病なゴリラ、とぼけたアヒル、陽気なシロクマ、皮肉屋のダチョウなどの個性豊かな面々。さらに道中では、メガネをかけた忠実な犬や、おしゃべりなキリン、賢くて勇敢なキツネ、昆虫など数多くの生き物が登場します。やがてドリトル先生の過去、そして国を揺るがす巨大な陰謀が明らかに――。

イギリス人小説家ヒュー・ロフティングによる、動物語を話すドリトル先生の冒険を描いた「ドリトル先生アフリカゆき」が出版されたのが1922年。映画は大人気となったこの児童文学人気小説シリーズを元に作られています。 ちなみに日本国内では「ドリトル先生航海記」が、第1作「ドリトル先生アフリカゆき」よりも先に翻訳発行されたため、「ドリトル先生」シリーズの代表作として扱われています。 日本の児童向け文学全集では「ドリトル先生航海記」のみが収録されている場合も多く、小説版ドリトル先生といえばこの作品をイメージする人も多いのではないでしょうか。 舞台となっているのは、ヴィクトリア女王の元で、産業革命に加えて植民地帝国として繁栄を続けているイギリス。科学技術の革新と博物学の隆盛の真っ只中の19世紀半ばの時代です。 そんな時代を背景に、「ドクター・ドリトル」シリーズでは主に冒険と異文化への好奇心、外国語の必要性、人種や階層を超えた交流、生き物との交流などがポップに描かれています。

「アイアンマン」シリーズのトニー・スタークや「シャーロック・ホームズ」シリーズのシャーロック・ホームズで知られるロバート・ダウニー・Jr.が、本作でドリトル先生を演じます。 変わり者で浮世離れしたドリトル先生。予告では、彼がどんな動物でも信頼していることがわかります。またコートを着てクルクルとハットを回して被る姿は、ホームズを彷彿とさせるものですね。 原作ではハンプティダンプティに例えられる真ん丸な肥満体型のドリトルですが、意外にも身体能力は高い様子。予告映像を見るに、映画でのアクションにも期待できそうです。

ドリトル先生の元に集まる動物たちは、ハリウッドの豪華俳優が声を演じます。 ドリトル先生が最も信頼を寄せるオウムのポリネシア役に、「ハリー・ポッター」シリーズのシビル・トレローニー役で知られるエマ・トンプソン。2018年に映画『ボヘミアン・ラプソディ』が大ヒットした主演のラミ・マレックが演じるのは、臆病なゴリラのチーチーです。 また、熱血おとぼけアヒルのダブダブを、2011年の映画『ヘルプ ～心がつなぐストーリー』でアカデミー助演女優賞を受賞したオクタヴィア・スペンサーが演じます。 さらには、キツネのチュチュに2007年の映画『エディット・ピアフ〜愛の讃歌〜』の主演でアカデミー主演女優賞に輝いたマリオン・コティヤール、「ハリー・ポッター」シリーズのヴォルデモート役で知られるレイフ・ファインズがトラのバリーを演じます。キリンのベッツィを演じるのは、全米のティーンから絶大な人気を誇るセレーナ・ゴメス。

眼鏡をかけた犬のジップを、MCU作品でロバート・ダウニー・Jr.と共演したトム・ホランドが演じることにも注目です。トム・ホランドは2016年以降の「スパイダーマン」シリーズで、スパイダーマン/ピーター・パーカーを演じています。

人気の小説シリーズとあって過去に何度も映像化されている「ドクター・ドリトル」シリーズ。 今までに映画化された作品では、それぞれが多分に脚色されたストーリーや物語設定をもち、原作のイメージとはかけ離れたオリジナルの「ドクター・ドリトル」として愛されてきました。　

プレイボーイとして名を馳せ、レクシー・ハリソン（レックスとセクシーを合わせたあだ名）とまで呼ばれたイケメン男優、レックス・ハリソンがドクター・ドリトルを演じたミュージカル映画。原作とは違って、ベジタリアンでセクシーなドリトル先生です。 ストーリーは「ドリトル先生アフリカゆき」「ドリトル先生航海記」「ドリトル先生のサーカス」「ドリトル先生の動物園」「ドリトル先生月へゆく」などをミックスしたものになっています。 本作はアカデミー賞視聴効果賞と歌曲賞を受賞しました。

圧倒的に知名度が高いのが、エディ・マーフィが主演を務めた1998年のコメディ版『ドクター・ドリトル』です。続編として2001年に『ドクター・ドリトル2』も製作されています。 原作ではヴィクトリア時代のイギリスが舞台となっていますが、1990年代のサンフランシスコに舞台を移したシリーズ。主人公の設定も、名前と動物と会話ができる獣医師という点を除いては全く別のものにアレンジされています。 名実ともにエディ・マーフィの代表作のひとつと言えるでしょう。

『ドクター・ドリトル２』の続編のオリジナルビデオとして、カイラ・プラット演じる娘のマヤ・ドリトルを主人公にしたシリーズも制作されました。『ドクター・ドリトル３』(2006年）、『ドクター・ドリトル4』（2008年）そして『ザ・ファイナル』（2009年）の3作がそれに当たります。 こちらはマヤの高校生時代から獣医学部入学までを描いており、歌ありロマンスあり笑いありの青春ストーリーとなっています。

「Dolittle」は実際の英語の発音では「ドゥーリトル」になりますが、日本で最初に「航海記」が雑誌に連載された際、「ドーリットル博士の航海」と訳されました。そしてその後に「アフリカゆき」を最初に翻訳した井伏鱒二が、「童話ドリトル先生物語」という邦題で紹介したという経緯があります。 理由としては、「ドゥーリトル」が子供にとっては発音しづらいこと、日本語の発音として馴染まなかったこと。そして語源の「do little」、つまり「少しだけ働く」からの意訳で「ヤブ医者」とするわけにもいかないことから「ドリトル」に落ち着いたそうです。

この記事では2020年公開の『ドクター・ドリトル』について、最新情報を紹介しました。ロバート・ダウニー・Jr.演じるドリトル先生はもちろん、豪華キャストが声を担当する動物たちにも注目です。 アクション・アドベンチャーに進化した『ドクター・ドリトル』は、2020年3月20日に公開されます。