2023年4月8日更新

イタリア映画のおすすめTOP25を紹介!何度でも観たい名作から雰囲気を味わえる最新作まで

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君の名前で僕を呼んで
©Sony Pictures Classics/ Zeta Image

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映画で雰囲気を味わおう!おすすめイタリア映画ランキングTOP25

イタリアは数々の名作のみならず、世界的スター俳優や監督、そのほか才能豊かな人材を多数送り出してきた映画大国のひとつです。 戦後の映画界に多大な影響を与えたネオリアリズモなど、アメリカ映画や日本映画、さらにはほかのヨーロッパ映画とも異なる独特の世界を生み出してきました。 この記事では、そんなイタリア映画の中から編集部おすすめの作品ランキングTOP25を紹介。ランク付けの基準は、以下の通りです。

人気・知名度映画としての知名度や評価はどうか
物語の面白さストーリーやメッセージは魅力的か
雰囲気の良さイタリアならではの美しい描写があるか

フランスやアメリカとの合作映画の中からも、特にイタリア色の強い作品をあえて加えました。不朽の名作から比較的新しい傑作まで、バリエーション豊かな作品を紹介していきましょう。 TOP10までスキップする

【映画を観る前に】イタリア映画の特徴って?

イタリア映画の特徴は、人生を楽しむのがうまいイタリア人の特徴をそのまま反映するものです。 愛情、音楽、芸術、文学、おいしい食べ物といったものは、私たちの生活を豊かにしてくれます。人生に肯定的なイタリア人の作る映画には、こういった要素がふんだんに盛り込まれています。 特に造形芸術に秀でたイタリア人は、映画においても様式美を重視することが特徴です。芸術映画はもちろん、ホラーなどのB級映画でさえも映像スタイルへのこだわりは半端ではありません。 一方でイタリア映画のストーリーは、友情や愛情といった人情の機微や悲喜劇をバランスよく組み合わせたものが多いです。淡々としたドライなストーリーではじまっても、最後には大きな盛り上がりや衝撃の結末が待っています。 また数々のオペラの名作を生み出してきたイタリアの伝統もあってか、映像を最大限盛り上げる効果的な音楽もイタリア映画の見逃せない特徴です。

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25位:『世界残酷物語』(1962年)

映画史で異彩を放つショッキング・ドキュメンタリー

『世界残酷物語』
©RTI 1962

本作は世界中の残酷極まる風習や奇妙な習慣、未開の神秘などを集めた異色ドキュメンタリーです。あまりにショッキングな内容が衝撃を与え、グァルティエロ・ヤコペッティ監督の名を一躍世界に知らしめました。 豚に授乳するニューギニアの原住民、台北にある犬肉のレストラン、ネパールにおける牛の斬首祭りなどその内容は多岐に富んでおり、実際には多くの演出やヤラセも含まれていたことが明らかになってすら、異彩を放っています。 原題からこの手のドキュメンタリーをモンド映画と呼ぶようになり、本作はその先駆けでした。リズ・オルトラーニが手掛けた美しいテーマ曲「モア」と過激映像の組み合わせが独特の雰囲気をうんでいます。

24位:『ローマでアモーレ』(2012年)

ローマ観光の参考になりそう!

『ローマでアモーレ』
©︎Sony Pictures Classics/Photofest/Zeta Image

ウディ・アレンがローマを舞台に、複数の男女が繰り広げる騒動を群像劇仕立てで綴ったロマンチックコメディです。スペイン階段やコロッセオなど有名観光地はもちろん、路地や広場などで全編ロケが敢行されたローマの街そのものが、大きな見どころです。 イタリア人と婚約した娘のところへやってきた元演出家、恋人の親友に恋する建築家、謎めいたコールガール、いきなりスターになってしまう親父など、4つの関係から構成されています。 本作では久しぶりにウディ・アレンが俳優としても出演しているほか、アレック・ボールドウィン、ペネロペ・クルス、ジェシー・アイゼンバーグ、イタリアからロベルト・ベニーニなど豪華なキャストが揃いました。アメリカ・イタリア・スペインの合作映画です。

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23位:『マカロニ』(1985年)

イタリアとアメリカの2大スターが共演した男の友情の物語

ジャック・レモンとマルチェロ・マストロヤンニという米伊を代表する大御所俳優が共演した人間ドラマです。2016年に惜しむらくも他界した、イタリアの巨匠エットー・スコラがメガホンを取りました。 若い頃、兵士としてイタリアに駐留し、今や航空機メーカーで副社長を務めているロバートが仕事で久しぶりにナポリにやってきます。滞在中のホテルを訪ねてきたのが、駐留していたときに恋仲になった1人の女性の兄アントニオでした。 老境を迎えたアメリカ人とイタリア人の2人がそれぞれの過去を振り返りながら、次第に男同士の友情を育んでいく姿をノスタルジックに描きました。

22位:『トスカーナの休日』(2003年)

トスカーナに魅了された女性の物語

『トスカーナの休日』
©︎ TOUCHSTONE/zetaimage

フランシス・メイズのベストセラー小説を、ダイアン・レイン主演で映画化したアメリカ・イタリア合作映画です。離婚の痛手を背負ってサンフランシスコからトスカーナにやってきた1人の女性の、再生と新しい恋の芽生えを心温まるタッチで描きました。 離婚ですべてを失った小説家フランシスが、親友からトスカーナ旅行を贈られます。築300年の古い家を衝動買いし、家の修理や人々と交流を深める中で、1人のハンサムな青年マルチェロと出会うのでした。 トスカーナの美しい風景の中、ゆったり流れる時間が心地よい雰囲気をたたえています。マルチェロに扮したのは、イタリアでは絶大なる人気を誇るラウル・ボヴァです。

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21位:『サスペリア』(1977年)

スタイリッシュな演出で一世を風靡した衝撃のイタリアン・ホラー

サスペリア(1977)
©International Classics/Photofest/zetaimage

名門バレエ学校を舞台にした衝撃のイタリア製ホラー映画です。斬新でスタイリッシュな映像世界が世界をあっと驚かせ、各国で異例の大ヒットを記録しました。 ドイツにあるバレエの名門寄宿学校に、ニューヨークから1人の少女スージーが入学してきます。謎めいた怪奇現象と連続殺人事件が頻発する中、校内にひそむ恐ろしい悪魔崇拝の存在に気づくのでした。 独特のセンスで監督を務めたダリオ・アルジェントの名を一躍有名にしたばかりか、不気味な恐怖を煽るゴブリンの音楽も大きな評判をよびました。『エクソシスト』などと並び、70年代の世界的ホラーブームを代表する作品として位置づけられています。

20位:『ベニスに死す』(1971年)

ミケランジェロのダビデ像を思わせる映像美

『ベニスに死す』
© Warner Bros./Photofest/zetaimage

耽美的な作風で知られるルキノ・ヴィスコンティ監督が、ドイツのノーベル賞作家トーマス・マンの同名の短編を映画化した作品。『地獄に堕ちた勇者ども』や『ルートヴィヒ』とともに、同監督の「ドイツ3部作」と呼ばれる代表作の1つです。 20世紀の初頭、健康に重大な問題のある作曲家・グスタフ・フォン・アッシェンバッハは静養のためベニスにやって来ました。逗留先のホテルでアッシェンバッハは、ポーランド貴族の少年タージオの美貌に目を奪われます。 コレラが蔓延したベニスから観光客が次々と去っていくなか、タージオの魅力に取り憑かれたアッシェンバッハは危険なベニス滞在を続けることに……。 タージオ役を務めたビョルン・アンドレセンの美しさが、世界の観客を魅了した本作。グスタフ・マーラー作曲の交響曲第5番第4楽章「アダージェット」をはじめ、数々のクラシックの名曲を劇中で効果的に使用したことでも有名です。

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19位:『ひまわり』(1970年)

涙腺崩壊必至!名匠が放った反戦ラブストーリー

『ひまわり』
© AVCO EMBASSY/zetaimage

戦争によって引き裂かれた夫婦の悲劇を描く反戦映画です。母国のみならずハリウッドでも活躍するイタリア人2大スター、ソフィア・ローレンとマルチェロ・マストロヤンニの最強コンビが生み出した数々の傑作のうちのひとつです。 第2次世界大戦で兵士として前線に送られてしまった愛する夫アントニオ。ところが終戦を迎えても戻らず、妻ジョバンナがたった1人ソ連で行方を探し続けると、そこにはロシア人の妻子とひっそり暮らす夫の姿がありました。 広大なひまわり畑の中、必死に夫を探し続ける妻の姿と、その後の悲しすぎる別れは号泣必至です。ヘンリー・マンシーニの手掛けた哀愁のテーマ曲が、2人の悲恋を哀しくもドラマチックに彩りました。

18位:『マレーナ』(2000年)

あの頃、あなたがすべての世界だった……

『マレーナ』
©︎Miramax Films/Photofest/Zeta Image

『ニュー・シネマ・パラダイス』ののち、『海の上のピアニスト』など順調に秀作を発表し続けたジュゼッペ・トルナトーレ監督が、モニカ・ベルッチをヒロインに迎えたノスタルジックな青春映画です。 戦争により未亡人になった1人の女性の運命を、彼女に恋した少年の視点で描きました。 第2次世界大戦下にあったシチリア島の村に暮らす12歳のレナートは、美しい大人の女性マレーナに一目ぼれします。夫の徴兵、やがて戦死により未亡人となったマレーナを襲う悲劇を、レナートはひたすら切ない想いで見つめ続けるのでした。 成熟した官能的な美しさを湛え、マレーナを魅力的に演じたベルッチは本作により世界的女優へと飛躍しました。トルナトーレ監督とはもはや名コンビとなったエンニオ・モリコーネの音楽が、シチリアの海辺の風景を抒情豊かに彩っています。

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17位:『グラン・ブルー』(1988年)

シチリアの「青い海」と美しい映像!

『グラン・ブルー』
©︎Columbia Pictures/Photofest/Zeta Image

フリーダイビングの世界記録達成をめざす2人の男の友情を描いたリュック・ベッソン監督の代表作です。実在のダイバーであるジャック・マイヨールをモデルに、イタリアとフランスの合作で製作されました。 少年時代から互いを意識してきた、イタリア人のエンゾとフランス人のジャック。ライバルとして素潜りの記録に挑む2人の友情を、ジャックに恋する1人の女性ジョアンナを絡めて描きました。 ジャックをジャン=マルク・バール、エンゾをジャン・レノ、ジョアンナをロザンナ・アークエットが演じています。透き通るような青い世界はもちろん、エリック・セラの手掛けた音楽も秀逸で、世界中に多くの熱狂的なファンを生みました。

16位:『人生、ここにあり!』(2008年)

精神病院が廃止された80年代イタリアでの実話

バザリア法が成立して、世界で初めて精神病院が廃止された1980年代のイタリア・ミラノを舞台に、実際に起こった出来事を映画化したコメディドラマです。愛にあふれた人生賛歌が共感を呼び、本国では異例のロングランヒットを記録しました。 正義感が強く行動的なネッロは、それゆえに労働組合から別の協同組合に異動させられてしまいます。そこにいたのは法律で廃止された精神病院を出て居場所のなくなった患者たちであり、ネッロは彼らの自立のために奮起します。 個性あふれる元患者たちとドタバタ騒動を繰り広げながら、夢に向かって邁進する主人公をクラウディオ・ビシオが熱演しました。独特のコメディセンスにあふれた、涙あり笑いの人間ドラマが展開します。

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15位:『グレート・ビューティー 追憶のローマ』(2013年)

現代のローマのもつ多様性を絶妙に表現

『イル・ディーヴォ 魔王と呼ばれた男』や『グランドフィナーレ』など、独特の美学と作家性の強い人間ドラマで世界的評価の高いパオロ・ソレンティーノ監督が、ローマに暮らす老作家の心の闇と葛藤を描いた傑作です。 本作はアカデミー賞外国映画賞など、各国で非常に高い評価を得ました。 早くに筆を置き、ローマで享楽的な俗物としての余生を送る60代の老作家ジェップ。彼は初恋の人が亡くなったとの知らせを受けたことで、人生の意味と美の本質を求めてさまよいます。 主人公ジェップを、トニ・セルヴィッロが渋さと深い詩情をにじませて見事に演じました。 ローマを写し取った観念的かつ壮大なる映像美は、ソレンティーノ監督の独壇場です。フェデリコ・フェリーニの名作『甘い生活』にも比べられる圧巻の傑作が誕生しました。

14位:『鑑定士と顔のない依頼人』(2013年)

凄腕鑑定士が巻き込まれる知的でミステリアスな顛末とは?

鑑定士と顔のない依頼人
WARNER BROS./zetaimage

オークションを仕切る凄腕鑑定士が、正体不明の女性からの依頼に翻弄される姿を描いた知的なミステリードラマです。『ニュー・シネマ・パラダイス』のジュゼッペ・トルナトーレ監督がメガホンをとり、映画音楽の巨匠エンニオ・モリコーネがコンビを組みました。 天才的ともいえる美術鑑定の才能を持つヴァージル・オールドマンが、姿をみせない謎の女性クレアから両親の遺品の鑑定を依頼されます。 価値の高い美術品の鑑定を進めつつ、謎めいたクレアに次第に惹かれていくと、そこには衝撃の事実が待ち受けていました。 主人公をジェフリー・ラッシュ、クレアをシルヴィア・フークスが演じたほか、カギを握る人物ビリーにはドナルド・サザーランドが扮しました。イタリアの権威あるダビッド・ディ・ドナテッロ賞では作品賞など6部門を独占しています。

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13位:『おとなの事情』(2016年)

ギネス認定!映画史上最も多くリメイクされた映画

本作は2019年にギネス・ワールド・レコーズから、「映画史上最も多くリメイクされた映画」と認定を受けたコメディ・ヒューマンドラマです。 日本版は光野道夫監督、東山紀之主演で『おとなの事情 スマホをのぞいたら』というタイトルで2021年1月に封切られました。 皆既月食の夜、ディナー・パーティーに集まった男女7人の仲良しグループ。食事が始まったところで男女関係のカウンセラーであるエバは、パートナーのスマホをのぞいたカップルは別れることが多いと言い出します。 お互いパートナーに隠すことはないと強がるほかのゲストたち。彼らはパーティーのあいだスマホを卓上に置いて、着信したメッセージと会話をすべて共有するゲームを始めました。 しかし夜が進み着信するメッセージの内容はきわどくなって、親友たちの関係にもヒビが入ることに。どんどん先が見えなくなる物語は、最後にどんでん返しの結末を迎えます。

12位:『太陽がいっぱい』(1960年)

アランドロンの鋭利な刃物のような美しさ

『太陽がいっぱい』
©︎Times Film/Photofest/Zeta Image

パトリシア・ハイスミスの小説をもとに、『禁じられた遊び』で知られるルネ・クレマンが監督、ニーノ・ロータが音楽を手がけたフランスとの合作映画です。主人公を演じたアラン・ドロンを、世界的大スターに押し上げました。 アメリカ人の青年トムが、金持ちの友人フィリップを連れ戻すためナポリにやってきます。お金に物をいわせて自堕落に過ごしているフィリップを妬んだトムは、殺害して彼になりすます計画を実行します。しかし驚くべき結末が待っていました。 ドロンの恐ろしいほどの美しさと地中海の風土、驚きのどんでん返しがセンセーションを巻き起こしました。マット・デイモン主演のアメリカ映画『リプリー』は本作のリメイクです。

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11位:『ミルコのひかり』(2006年)

事故により光を失った少年が見つけた新しい道とは?

イタリアを代表する著名サウンド・デザイナーである、ミルコ・メンカッチの幼少時代を映画化した感動ドラマです。思いがけない事故により盲目となった少年が聴覚の才能を開花させ、夢を実現する姿を描きました。 1971年、トスカーナに暮らす少年ミルコは銃の暴発という不慮の事故により、10歳にして盲目となってしまいます。全寮制の盲学校に転校したミルコの閉ざされた心を開いたのは、1台のテープレコーダーでした。 大がかりなオーディションの末、ミルコには映画初主演のルカ・カプリオッティが大抜擢。絶望から新しい光を見出し、夢にむかって進んでいく姿が圧倒的な感動をよんだ秀作です。

10位:『君の名前で僕を呼んで』(2017年)

イタリアを舞台にしたひと夏の恋の物語

『君の名前で僕を呼んで』
©︎Sony Pictures Classics/Photofest/ Zeta Image

本作は『ミラノ、愛に生きる』(2009年)と『胸騒ぎのシチリア』(2015年)に続いて、ルカ・グァダニーノ監督の「情欲3部作」をしめくくる青春映画。原作はアンドレ・アシマンによる同名の小説です。 太陽が眩しいイタリアで夏を過ごす17歳の内気な少年エリオ。彼は大学教授の父親のもとで助手を務める24歳の知的で外向的な青年オリヴァーに、次第に心惹かれるようになります。 イタリアの美しい風景、その下に脈打つ文化、思春期のエリオの揺れ動く心がからみ合った深みのあるストーリーが本作の魅力です。 グァダニーノ監督は続編の製作に意欲を示していますが、オリヴァー役を務めたアーミー・ハマーのスキャンダルで頓挫しています。

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9位:『カオス・シチリア物語』(1982年)

シチリアに暮らす人々と風土を描いた壮大なオムニバス映画

カンヌ国際映画祭でパルム・ドールに輝いた『父 パードレ・パドローネ』など、イタリア映画界を代表する巨匠ヴィットリオとパオロのタヴィアーニ兄弟が手がけた抒情オムニバス大作です。 ノーベル賞作家ルイジ・ピランデッロの短編集が原作であり、シチリア島で地に足をつけて暮らす人々の生活と背景となる風土を、美しくも圧巻の迫力で描き切りました。 3時間を超える長編は、プロローグに始まり「もう一人の息子」「月の病」「かめ」「レクイエム」「母との対話」と題された5話から構成されています。 カオスとは混沌を意味し、舞台となるシチリアにある村の名前でもあります。

8位:『8 1/2』(1963年)

巨匠フェデリコ・フェリーニの代表作にして不朽の名作

『8 1/2』マルチェロ・マストロヤンニ
© FRANCINEX/zetaimage

イタリア映画の巨匠フェデリコ・フェリーニの数ある傑作の中でも、『甘い生活』と並んで文字通り代表作とされているのが『8 1/2』です。主人公は映画監督であり、フェリーニの自伝的色彩の強い作品としても知られています。 有名映画監督グイドが、新しい作品にとりかかる準備と療養を兼ねてある温泉地にやってきます。しかし創作は行き詰まり、またさまざまな面倒や苦悩の中で、次第に幻想の世界へと現実逃避していくのでした。 グイドをマルチェロ・マストロヤンニが演じ、またクラウディア・カルディナーレやフランス人のアヌーク・エーメなど豪華なキャストが彼を取り囲む女たちを演じました。 ちなみにダニエル・デイ=ルイスが主演した2009年の映画『NINE』は、本作のミュージカル・リメイクです。

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7位:『荒野の用心棒』(1964年)

クリント・イーストウッドの出世作にしてマカロニ・ウェスタンの最高傑作

『荒野の用心棒』
©︎United Artists/Photofest/Zeta Image

1960年代から70年代前半にかけて量産されたイタリア版西部劇、通称「マカロニ・ウェスタン」の中でも最高傑作と名高いのが『荒野の用心棒』です。 監督をセルジオ・レオーネが手掛け、主演を務めたクリント・イーストウッドと音楽を担当したエンニオ・モリコーネの出世作となりました。 ニューメキシコの小さな町にやってきた1人のガンマンが、権力争いを続ける2大無法勢力のあいだに立ち、凄腕によって平和をもたらします。イーストウッドのポンチョをまとったクールな佇まいが、これまでなかったヒーロー像を作り出しました。 1966年公開の『続・荒野の用心棒』はまったく別の作品です。また、黒澤明の傑作時代劇『用心棒』のリメイクであったことがのちに判明しました。

6位:『道』(1954年)

大道芸人の悲哀を描き、世界中で絶賛された名作

巨匠フェデリコ・フェリーニが手がけた傑作の中でも、悲哀に満ちた人間ドラマでとりわけ世界中の人々に愛されている名作が『道』です。主人公の大道芸人を名優アンソニー・クイン、ヒロインの女をジュリエッタ・マシーナが演じました。 怪力を見世物にしている大道芸人ザンパノが買った、やや知能に問題がある純粋無垢な女ジェルソミーナ。野卑で暴力的なザンパノに耐え、ジェルソミーナは旅回りを続けるのですが、ある事件をきっかけについに道端に捨てられてしまいます。 ベネチア映画祭でサンマルコ獅子賞、米アカデミー賞で最優秀外国語映画賞など世界中で数々の賞に輝いた珠玉の名作です。またニーノ・ロータが作曲した主題歌はスタンダードとなり、日本でも広く愛される名曲として知られています。

5位:『カビリアの夜』(1957年)

1人の娼婦のひたむきな生き様を描く感動作

『カビリアの夜』
©︎Lopert Pictures Corporation/Photofest/Zeta Image

実生活でも夫婦だったフェデリコ・フェリーニ監督とジュリエッタ・マシーナが、『道』に続いて送り出したイタリア・ネオリアリズムの傑作です。相手役には、『居酒屋』などで知られるフランス人俳優のフランソワ・ペリエが扮しました。 出会いと別れを繰り返して何度も男たちにだまされながらも、いつかは本物の愛を見つけることができるはずだと信じ続ける無垢な娼婦カビリア。 そんなヒロインが体験する喜びや哀しみを、情感豊かに描きました。カビリアを感動的に演じたマシーナは、カンヌ国際映画祭で最優秀女優賞を受賞しています。 のちにブロードウェイでミュージカルとなり、またシャーリー・マクレーン主演のリメイクも公開されました。

4位:『海の上のピアニスト』(1998年)

ヨーロッパジャズが奏でる感動のヒューマンドラマ

『海の上のピアニスト』
©FINE LINE/zetaimage

『ニュー・シネマ・パラダイス』や『マレーナ』、『鑑定士と顔のない依頼人』で知られるジュゼッペ・トルナトーレ監督が英語の映画にはじめて挑戦した作品。 大西洋横断航路の大型客船のなかで生を受け、死ぬまで船を降りなかったピアニストの生涯を描いたヒューマンドラマです。 数々のトルナトーレ監督作品の音楽を手がけた作曲家エンニオ・モリコーネは、本作でゴールデン・グローブ最優秀作曲賞に輝いています。 本作の主人公は客船「ヴァージニアン」号のなかで1900年に生まれてすぐ捨てられたことから「1900(ナインティーン・ハンドレッド)」と名付けられた男。船のスタッフから可愛がられて成長した彼はピアノの才能を発揮して、船のホールで演奏するジャズバンドの人気ピアニストとなります。 船旅中に彼の演奏を聴いて感動した客たちの噂は、やがて黒人ジャズピアニスト・ジェリー・ロール・モートンの耳に入ることに。自称「ジャズとスウィングの創始者」のモートンは、「1900」にピアノ即興演奏による決闘を申し込んでくるのでした。

3位:『自転車泥棒』(1948年)

戦後のイタリア・ネオリアリズムを代表する感動ドラマ

『自転車泥棒』
©︎Arthur Mayer & Joseph Burstyn In/Photofest/Zeta Image

第2次世界大戦の敗戦により、混乱と貧困に苦しんだイタリアで生まれた新しい潮流イタリア・ネオリアリズム(ネオレアリズモ)の代表作です。 ヴィットリオ・デ・シーカが監督をつとめ、同じく傑作とされる前作『靴みがき』に続き素人を主役に抜擢しました。 苦労してポスター貼りの仕事を手にしたアントニオは、6歳の息子ブルーノを乗せて町を回っていた商売道具の自転車をちょっとした隙に盗まれてしまいます。警察にも相手にされず、絶望に打ちひしがれて自転車を探し回る2人の姿を描きました。 米アカデミー賞で名誉賞、日本でもキネマ旬報第1位など各国で感動を呼び、ネオレアリズモの力を世界に知らしめました。

2位:『ニュー・シネマ・パラダイス』(1988年)

映画好きから映画好きへ送る!シチリアの古き良き街が舞台

『ニュー・シネマ・パラダイス』フィリップ・ノワレ、サルバトーレ・カシオ
© CRISTALDIFILM/zetaimege

シチリア島にある古びた映画館を舞台に描く、ジュゼッペ・トルナトーレ監督のあふんばかりの映画愛に彩られた感動作です。 カンヌ国際映画祭審査員特別グランプリや米アカデミー賞外国語映画賞など、世界の映画ファンから熱狂的に支持されて、不朽の名作に位置づけられています。 成功した映画監督であるサルバトーレのもとに届いたある訃報。故郷シチリアの小さな村に久しぶりに戻ったサルバトーレは、映写技師アルフレードと心を通わせた幼年時代に想いを馳せるのでした。 3人の役者が演じるサルバトーレの壮年時代をジャック・ペラン、アルフレードをフィリップ・ノワレが演じました。子役の名演技や、エンニオ・モリコーネの抒情的な音楽はもちろん、映画史に残る感涙のラストシーンは必見です。

1位:『ライフ・イズ・ビューティフル』(1997年)

トスカーナを舞台とした名作イタリア映画

『ライフ・イズ・ビューティフル』
© MELAMPO CINEMATOGRAFICA/zetaimage

カンヌ国際映画祭グランプリ、米アカデミー賞の主演男優賞と外国映画賞受賞など高い評価はもちろん、世界中を感動の渦に巻き込んだ人生賛歌の傑作。 監督・脚本・主演の3役を務めたロベルト・ベニーニの才能が見事に開花しました。 ユダヤ系イタリア人のグイドは、妻のドーラや1人息子ジョズエとともに、穏やかなトスカーナで幸せに暮らしていました。しかし戦争激化に伴い、突然ナチの手によって強制収容所に収監されてしまいます。 そんな中でも工夫と嘘でなんとか息子を楽しませ、生き延びさせようと奮闘する父親の姿を感動的に描きました。 悲惨な絶望の中でも決してユーモアを忘れず、陽気に頑張り続ける親子の姿と、その結末は涙なくして観ることはできません。才能あふれるベニーニは「イタリアのチャップリン」とも呼ばれています。

おすすめイタリア映画を観てヨーロッパ気分を味わおう!

この記事ではciatr編集部が厳選したイタリア映画のおすすめ25本をランキング形式で紹介しました。 映像美にこだわりのある作品の多いイタリア映画は、観ているだけで南ヨーロッパを旅行している気分を味わえます。 義理や人情を大切にするイタリアの国民性もあって、ストーリーに日本人が共感できる要素が多いのも大きな魅力。 この記事を参考にあなたのお気に入りのイタリア映画を見つけてください!