2021年9月3日更新

『007 スペクター』のあらすじ・ネタバレ!トリビアから見どころシーンまで徹底解説

このページにはプロモーションが含まれています
007 スペクター,ダニエル・クレイグ
©MGM/Columbia Pictures/zetaimage

AD

『007 スペクター』の気になるあらすじやネタバレを解説!【ネタバレ注意】

ダニエル・クレイグがジェームズ・ボンド役を務める「007」シリーズ4作目『007 スペクター』。2015年に公開され、黒幕ブロフェルドの正体やボンドの引退など大きな話題となりました。 この記事では本作のあらすじや映画の注目ポイントについて詳しく解説します。 ※本記事は、『007 スペクター』の重要なネタバレを含んでいるので、未鑑賞の方はご注意ください。

気になる『007 スペクター』のストーリーのすべてを解説!

【起】前作のM登場!少年時代の写真の秘密とは

007 スペクター
©MGM/Columbia/Photofest/Zeta Image

メキシコシティで「死者の日」の祭りが行われる中、ジェームズ・ボンドはスタジアム爆破テロを画策していたスキアラという男を追っていました。追走劇の末、ヘリで逃げようとするスキアラを追い詰め、その手から紋章入りの指輪を奪います。 結果的にスキアラはヘリから落下し、MI6本部に戻ったボンドはメキシコシティでの一件をMに叱責され謹慎処分に。規則によりQの元に送られ、血管に常時行動を監視するマイクロチップを入れられます。 マネーペニーから「スカイフォール」で燃え残った残骸を受け取り、実はメキシコシティでの一件は前任のMからの遺言であったことを明かすボンド。残骸の中にあった写真には、少年時代のボンドと養父、そしてもう1人の少年が写っていました。 ボンドはQを説き伏せ、スキアラの妻とその他の幹部を追う48時間だけ、追跡監視の通信を切るように仕向けます。そしてQはMにボンドの居場所を偽り、かばうのでした。

AD

【承】迫力満点のカーレースに目が離せない!

『007 スペクター』クリストフ・ヴァルツ
© MGM/Columbia/Photofest/Zeta Image

ボンドはQ課から無断で車を持ち出し、前任のMの遺言に従ってローマへ。スキアラの妻ルチアに近づき、秘密組織の会議が開かれる情報を得て潜入します。そこで組織の首領フランツ・オーベルハウザーの存在を知ったボンドでしたが、会場で自分の存在が発覚。 巨漢の男ヒンクスに追われ、カーチェイスの末にテヴェレ川にQ課の車を沈めてしまいます。辛くも脱出したボンドは、マネーペニーと連絡を取り、以前の宿敵ミスター・ホワイトが組織に命を狙われていることを突き止めました。 ミスター・ホワイトはオーベルハウザーの組織で働いていましたが、女子どもまで巻き込む無差別テロに異を唱えて離反したため、タリウム中毒にさせられて瀕死の状態でオーストリアの潜伏先にいました。 組織の手がかりを教えるのと引き換えに、同じく命を狙われている娘のマドレーヌを守ることをボンドに約束させ、ミスター・ホワイトはボンドが渡した銃で自決してしまいます。

【転】マドレーヌとの愛が深まる!

『007 スペクター』レア・セドゥ
© MGM/Columbia/Photofest/Zeta Image

一方その頃、ロンドンではMI5の新責任者「C」がボンドの行動を問題視し、00部門を廃止してMI6を吸収しようと画策していました。さらにCは世界会議で9か国の情報網を統合する計画「ナイン・アイズ」を提案し、全会一致で案が通過します。 オーストリアでマドレーヌと会ったボンドは、父親の死と遺言を伝えますが、自分を守る必要はないと拒絶されてしまいます。それでも生き延びるためには行動を共にする他なく、組織の手がかりとなる「アメリカン」へ向かうことに。組織の名が「スペクター」であることも知ります。 「アメリカン」とはミスター・ホワイトが家族で過ごした思い出のホテルのことであり、いつも泊まっていた部屋には隠し部屋が。そこはミスター・ホワイトが組織を追跡していたことを物語る部屋であり、その拠点を示す座標は北アフリカの砂漠の真ん中でした。 スペクターの秘密基地へ向かうため特急列車に乗り込んだボンドとマドレーヌは、そこで関係を深めていきます。砂漠の駅にはロールスロイスが出迎え、基地ではオーベルハウザーが2人を待っていました。 オーベルハウザーの目的は、Cの提唱する統合情報網「ナイン・アイズ」を使って各国の機密情報を掌握し、支配すること。オーベルハウザーはボンドを拷問にかける準備をしながら、自分の実父がボンドの養父であること、父を殺して自分の死も偽装して以来「ブロフェルド」を名乗っていることを明かしました。

『007 スペクター』ダニエル・クレイグ、レア・セドゥ
© MGM/Columbia/Photofest/Zeta Image

【結】ボンドは引退するのか?

ブロフェルドの拷問に耐え、マドレーヌの機転で窮地を脱して基地を脱出したボンド。ロンドンに戻り、M達と落ち合いCの企みを阻止しようとする中、ボンドは旧MI6本部で再びブロフェルドと対峙することに。その際ブロフェルドから、マドレーヌを拉致したこと、3分後に建物が爆破されることが告げられます。 一方はMはQたちと合流し、旧MI6本部の対岸に立つ新国家保安センターへ。そこでQはナイン・アイズのプログラムをハッキングすることに成功し、MはCと格闘の末に決着を付けました。 M達の目の前で旧MI6本部が爆発で崩壊しますが、ボンドはマドレーヌを連れてボートで脱出。ヘリで逃げるブロフェルドを追ってエンジンを狙い撃ちし、ヘリはウェストミンスター橋に不時着します。 ヘリから這い出したブロフェルドに銃を突きつけたボンドでしたが、銃を捨てマドレーヌのもとへ。ブロフェルドはMに確保されました。その後、引退を宣言したボンドがQ課に現れ、修理された愛車を受け取ると、マドレーヌを乗せてロンドンの街へ走り去っていきました。

冒頭から引き込まれる!かっこいいシーンの秘密とは?

『007 スペクター』ダニエル・クレイグ
© MGM/Columbia/Photofest/Zeta Image

おなじみのオープニングシーンが復刻

『慰めの報酬』、『スカイフォール』の過去2作品では、「007」伝統的なオープニングシーンである冒頭の銃口の中からボンドのシルエットが出てくるショットが、映画の最後のエンドロール部分に移動されていました。 このまま新たな手法で定着するのかと思いきや、サム・メンデス監督は今回は往年のファンも納得してくれるであろう、おなじみのオープニングに戻してくれました。

AD

超かっこいい映画冒頭のシーン

得に、映画の最初のシーンがワンカットで撮られたようで圧巻です。 ボンドと美しい女性がひとり、メキシコシティの死者の日をお祝いしている街中の群衆の中を駆け抜けていきます。そして2人はある建物の屋上まで上がっていくと、ちょうど目の前の他のビルに潜むボンドのターゲットであるマルコ・スキアラを視界に収めるのです。 ここまでが長いワンカットシーンで撮られているように見えます。その裏には進歩したCGの力があり、実際には何分割かのシーンをうまく繋ぎ合わせているのですが、それでも見事な迫力ある映像となっており、ボンド映画の中でもとても優れた名場面として以降もファンの記憶に残るでしょう。

ボンドの生活やボンドガールたちについて知ることができる!

007 スペクター
©MGM/Columbia/Photofest/Zeta Image

80年代黄金期を彷彿させるユーモラスなボンド

『スカイフォール』では冷静沈着に任務を淡々と遂行する寡黙なボンドが描かれていましたが、『スペクター』ではロジャー・ムーア演じるややユーモラスなボンドっぽさが少し垣間見えます。 カーチェイスの際にはハンドル操作がすべって変な音楽が流れ出したり、前をとろとろと走るおじいちゃんをやっとの思いで追い抜かしたり、挙げ句の果てには駐車を派手にしでかしエアバッグが飛び出したりする始末。なんとなくコミカルです。

ボンドの自宅公開

ダニエル・クレイグ演じるボンドは私生活のパーソナルな部分に重きをおいて描かれて来たと言えるでしょう。『スペクター』ではさらに1歩踏み込んでいて、観客はボンドのロンドンの自宅を見ることができるのです! こざっぱりとした必要最低限のものだけのシンプルな部屋にはソファ、テレビそして山積みの本を確認する事ができました。 映画の序盤でマニー・ペニーが立寄り話す内容を聞く限り、ボンドは越してきたばかりであろうことが推測できます。安らぐ私生活等無いに等しいボンドのわずかな任務外の時間を感じることができるシーンですね。

AD

『007 スペクター』に抜擢された3人のボンドガールたち

ボンドガール
© MGM/Columbia/Photofest/Zeta Image

このシリーズで毎回大きな注目を集めるのはボンドガール達の存在です。ボンドガールとは、『007』シリーズにおいて登場するメインの女性キャラクターの総称であり、主人公のジェームズ・ボンドの名前からとられています。

ルチア・スキアラ役/モニカ・ベルッチ

50歳ながら、「イタリアの宝石」と呼ばれるほどの美貌を持ったモニカ・ベルッチが、ボンドガールの1人に抜擢されました。 元マフィアの夫を殺された、秘密を抱える未亡人という役柄で出演が決定していますが、ミステリアスで美しいモニカ・ベルッチはまさに役柄にぴったりの最高の女優と言う事が出来るのではないでしょうか。

マドレーヌ・スワン役/レア・セドゥ

レア・セドゥは、清涼感溢れる美しさを備えたフランスの人気女優です。2014年には『アデル、ブルーは熱い色』に主演し、カンヌ映画祭最高賞パルムドール受賞を成し遂げるという名実ともに素晴らしい女優なのです。 監督は、彼女の演じる役どころは「新人には任せられない」物語上でボンドと深く関わるキーパーソンであり、「経験豊かで成熟した女性」の起用を狙って完璧であると感じたレア・セドゥを選んだと語っています。

エストレーリャ役/ステファニー・シグマン

3人目のボンドガールに大抜擢されたのは、1987年生まれのメキシコ人女優ステファニー・シグマンです。メキシコ出身の女優がボンドガールになるのは初めてのことです。 ステファニー・シグマンは、メキシコ映画やノルウェー映画を中心に活躍しているため、日本ではあまり知られていません。しかし、ネットフリックスドラマ『ナルコス』にコロンビア人のレポーター役で出演しており、そちらで姿を確認することができます。

AD

人気映画にも違和感がある?

CG編集に少し違和感?

映画の冒頭のシーンでは屋根の上をバイクで走るなど極めてCGと分るようなショットも多々含まれていましたが、もっとCGだと感じるシーンもありました。 例えば、標的のスキアラに銃の狙いを定めながら、同時にボンドは自分のビルの爆破装置を起動させ破壊するシーンです。クレイグがその場にいる臨場感が涌きません。なぜなら彼の身体が周囲の背景から完全に浮いてしまっているからです。 他にも雪の中の飛行機のシーンや、最後にヘリコプターが爆発する場面もCGっぽさが出てしまっているようで迫力が欠けてしまっています。

意外とプロダクト宣伝が多い?

007の劇中でスポンサーの商品の宣伝が多用されることは有名な話です。これだけ幅広い世代から支持される常に注目を浴びる大作なので、こぞって「うちの商品を使用してほしい!」という会社の熾烈な戦いがある事は容易に理解できますね。 例えば、ボンドの手元がアップで映る時、時計はいつだってオメガです。そしてボンドは必ず1回はハイネケンを飲まなくてはなりません。次に映画を観るときに注目すると面白いかもしれませんね。

意外と出番の少なかったキャスト達も?

モニカ・ベルッチの出演時間がわずか6分

『スペクター』の中でも特に驚きだったことと言えば、イタリアを代表する世界的女優モニカ・ベルッチの出演が少ししか無かったことでしょう。ベルッチはボンドが追うマルコ・スキアラの妻ルシアを演じました。2人は彼女の夫の葬儀で出会い、ボンドは冷淡に自己紹介のあいさつをします。 葬式の夜、夫を無くしたルチアを2人の追っ手が襲い、それをボンドは助けました。夫を無くした彼女の命を守るものはもはや無く、もうじき夫の組織に自分は殺されるのだと心情を吐露するのです。ボンドと彼女はその張りつめた環境下で激しく互いを求め合うのでした。 そして心を許したルチアは夫が組織の幹部と落ち合うはずであった秘密の場所をボンドに告げ、ボンドは奴らの居場所を突き止める事ができたのです。 モニカ・ベルッチほどの大女優が、ただ単にボンドと寝て立ち去られるだけの役に留まるとは。実際に、彼女の役は作品からカットされていた可能性もあるぐらい小さな設定だったそうです。

AD

フェリックス・ライター出演せず

更なる追っ手に追われる中、ボンドは盟友であるアメリカ人秘密情報部員であるフェリックス・ライターの力を借りればルチアを守れると約束をします。覚えている方も多いですね、ジェフリー・ライトによって最高に演じられたあのフェリックス・ライターです。 しかし、ファンの期待をよそに実際の登場はありませんでした。しかも、『スカイフォール』と合わせて2作連続で出演が無いので製作陣が彼の存在を忘れていない事を切に願います。次回以降の映画に期待しましょう!

『007 スペクター』ネタバレを読んで映画を見返そう!

ダニエル・クレイグ版のジェームズ・ボンド作品の過去の伏線が現れるシリーズ4作目の『007 スペクター』。1度鑑賞しただけでは、思い出せない伏線や登場人物などをこの記事で再確認した後は、ぜひもう一度鑑賞してみてはいかがでしょうか。 本作の続編となる『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』の公開も待ち遠しい限り。ぜひ復習のためにも参考にしてみてください。