
『死霊のえじき』の感想・評価・ネタバレ
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ロメロ監督のゾンビ三部作の最終作 前2作品と比較するとやや風変りですがその遺伝子はしっかりと引き継がれています キャラクター、ストーリー、音楽、グロさ、すべてがいい! 個人的には三部作では一番好きです 本作の舞台はパンデミック末期の地下倉庫(軍事基地でしょうか) ゾンビに囲まれた閉鎖空間における人間模様を描き出すのは3作すべてに共通していますが、今回は登場する人物の立場がはっきりと分かれているところが今まで違うところでしょうか はじめこそは部隊の部下のため、人類のため、みんなが生き残るためという大義名分を振りかざしているものの最終的には個人的なエゴに収束していくところには皮肉を感じます そしてこの映画でも最も印象的なのが「ゾンビを飼いならす」という発想 前作「ゾンビ」では欲望のままに大量消費する人間をゾンビになぞらえて風刺していましたが、人間の欲望を侮るなかれ、今度はゾンビすらも消費の対象としてとらえ始めます さらにはこの飼いならすという行為がゾンビに感情を吹き込み、効果的な逆転現象まで生み出している 自分の欲望のために非人道的なことをした博士は殺され、自分が逃げるために仲間を見殺しにした軍人は、まさかの「自分の親(飼い主というべきか?)である博士を殺されたゾンビの復讐」によって殺されます 自分のために他人を利用する人間と、他人のために復讐をするゾンビという倫理観の逆転、もうどっちが人間的なのかわかりません まさかこんなことまでやってくれるとは、本当に驚きです いままで一番好きなゾンビ映画は28週後(☆4.5)でしたが抜きましたね 文句なしで☆5です いやほんと大好き あと見るときは完全版見てね(最終版はグロシーンが苦手な人向け)
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やっぱり原点と言われるような映画は今見ても面白い。バブがゾンビ界のアイドルと言われるのも分かる。当時の社会状況を風刺したような映画らしいけど、そんなもの知らなくても楽しめました。あと、こんなにグロいと思わなかった。。
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意外と楽しめた!
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死霊のえじき ジョージ・A・ロメロ ジョージ・A・ロメロのゾンビ三作目。 素晴らしい。 バイオハザードなんかとの共通点がけっこう多い。 が、違いはやはりさすがのそのグロさ。 ガンガンに肉や皮が剥がされていくのはかなりヤバイ。 ホラー見慣れてる僕でも直視できない。 それから、ゾンビの飼いならし。 ゾンビ研究はバイオハザードでもやってるがストーリーには出てこないが、この映画では一役を担っている。 最終的にはゾンビの一人バブが銃を使って悪を退治したりする。 気持ちよい。 裏話でおもしろいのは、元の脚本ではもっと壮大なストーリーになりはずだったが共同制作者が一緒にできなくなり、金がないから仕方なくミクロにまとめたらしい。 そのおかげでストーリーが一つの場所のみで発生してシンプルになっていて良い。 やはり制限の中で作られたシンプルで独創性に溢れた映画は爆発的に良くなることがあるな。
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DVD ロメロのゾンビ三部作を締めくくる作品。 文句を言いたいのはただひとつ。なぜこんな邦題にしたのか!ゾンビと死霊は違う気がするぞ。ストレートにデイオブザデッドでも良かった気がするぞ。 この映画でも、ゾンビの恐ろしさはもちろん生き残った人間の恐ろしさも充分描かれており極限に追い込まれた人間ドラマとしても楽しめる。 追い込みに追い込みをかけられ、飛んでもないことをした人間が登場する。スペイン野郎だ。こいつは「ゾンビ」ではさも主人公のように登場したのに足を引っ張りまくったフライボーイ的な存在だ。さらに悪いことにフライボーイ以上の致命的て最悪な足の引っ張りを行うのだ。なんと、もう自分が助からないと踏んだスペイン野郎は自らを餌に基地内部に大量のゾンビを送り込むのだ。映画史に残る死なばもろともであろう。 もうひとつ特筆すべきキャラクターはバブである。バブはゾンビであるが博士の研究の末、生前の記憶や知性の欠片、もしかしたら感情も芽生えていたかもしれない特別なゾンビである。自分を面倒みてくれていた博士の死に明らかなショックを受けていたので何か感情があったのかもしれない。バブの名シーンはやはり博士を殺した軍人ローズに対する復讐シーンだろう。まさか、ゾンビの方に感情移入するとは…!急所を外して銃撃し、他のゾンビ達に手を下させ、皮肉の敬礼を送るなんて格好いい。「猿の惑星」での知性をもち自分達を見下していた人間を駆逐しはじめた猿を連想させ、猿同様今後ゾンビがさらに地球上を支配していく事を思わせるシーンであった。
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何度目か?の鑑賞。 ロメロのゾンビ愛の最高傑作ですね。 人間よりゾンビへの愛が感じられるようになったのがこの作品からですかね。 生者と死者との違いがどんどん曖昧になってくるわけです。 実際に「動いてりゃ死体だろうが生きてようが大差ないやん」ってことですか。 考えればこの作品のバブの出現により、これ以降、「ゾンビなんでもあり」になったような気がします。「走る」「飛ぶ」「泳ぐ」なんでもできるようになったのもこの作品がきっかけなのでしょう。
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ロメロ監督によるゾンビ三部作の最後。「ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド」「ゾンビ」と比べてややマイナーではありますが、その二本に勝るとも劣らない傑作です。 ゾンビ映画なのにも関わらず、終盤までゾンビが人を殺す所謂ゴア表現が少ない。ゾンビ映画をさあ撮るぞ、と意気込んで血糊をバサバサ投入するそこいらの低級映画とはかなり違います。それどころか描かれるのは閉鎖空間における人間の狂気。明らかな悪役が居ますが、主人公の女も大概です。二人が口論し合うシーンは男女の喧嘩のテンプレを見ているかのよう。 ラストの展開は意味ありげです。ゾンビと人間の境界が曖昧になるどころか、その立場が逆転しているとも言えます。こうしてみると「ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド」で定義されたゾンビが、「ゾンビ」では人間とゾンビの関係性があやふやになり、今作でひっくり返るという、とんでもないことをやってのけているような気がする。ラストは人間の解放なのか、それとも・・・。これだからゾンビ映画は最高に面白い。 ゴア表現は色々ゾンビ映画観てきましたが、これがかなり上位に食い込んできます。
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ゾンビ御一行さんが、エレベーターでいらっしゃる場面は笑いました。
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<最終版>はゴアシーンがカットされていてよくない
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ゾンビパニック映画としては普通に楽しめる作品だと思う。人間同士の対立もなかなか面白い。
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地下で生き残った人間達の中で一人の博士がゾンビを飼いならしちゃいます 笑ったらいいのか、絶望したらいいのか…
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バブTシャツ http://www.jetl.com/roki_zero.html