
『5時から7時までのクレオ』の感想・評価・ネタバレ
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@シアターイメージフォーラム『《特集上映》ドゥミとヴァルダ、幸せについての5つの物語』 ガンの可能性を疑われた歌手の女が、5時に占いを聞いてから2時間の足跡を辿る。 占いの結果を受けて酷く落ち込む女は、周りの人に話してみたり、お金を使ってみたり、友達と会ってみたり、なんとかして死への恐怖から逃げようとします。しかし結局は逃れることはできない。しかしラストで救済に出会います。この映画ではガン、その果てにある死に立ち向かう唯一の方法が描かれており、これは自分の死生観とも合致するものでした。 ネタバレになるので多くは書きませんが、この映画もしかするとリンクレーター『ビフォア』シリーズにインスパイアを与えたのでは?と考えています。とりとめもない会話や路面電車のシーンなどに見覚えがあります。別れが決まっている二人を描いているという点でも非常に似ている。 含蓄のある映画だと思いますが、ヌーベルヴァーグ的演出も散見。はじめましての映像がたくさんあります。ミシェル・ルグランがジャカジャカピアノを弾くシーンはとても印象に残っています。ただそれによって、映画がわかりづらくなっているというわけではなく、むしろ主人公の心情に沿った演出になっているため、むしろ解釈の介助になっている。このバランスが好きです。
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アニエス・ヴェルダ監督の映画。自分がガンかもしれないと不安になりながら、5時から7時パリの街を過ごす歌手のクレオ。自分の行く道が見えるのは頼もしい半面怖くもある、、。現実的だけどどこか夢みたい。ゴダールとアンナ・カリーナがちょっとだけ出てきます。
(C)agnes varda et enfants 1994