七人の侍

七人の侍

1954年製作 日本 207分 1954年4月26日上映
rating 4.2 4.2
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『七人の侍』とは

『生きる』(1952年)に続く黒澤明の監督作品。脚本は前作『生きる』同様、『勲章』(1954年)の橋本忍、『御ひいき六花撰 素ッ飛び男』(1954年)の小国英雄、そして黒澤が担当する。撮影は『プーサン』(1953年)の中井朝一。黒澤は撮影期間に約1年かけ。本作に完璧さを求めた。後に日本映画を代表する名作と呼ばれハリウッドでリメイクされる等、映画界に多大な影響を与えた。主演は『羅生門』(1950年)の三船敏郎と『生きる』(1952年)志村喬を迎え、その他黒澤映画を代表する俳優たちが登場する。

『七人の侍』のあらすじ

時は戦国時代、毎年麦の刈入れ作業が終わる時期になると野武士たちが麦の略奪に村を襲いにやって来るのであった。しかし、戦っても勝ち目が無いと諦めていた百姓たちは「侍を雇うこと」を思いつく。早速、村から選ばれた利吉(土屋嘉男)、万造(藤原釜足)、与平(左卜全)、茂助(小杉義男 )の4人の百姓たちは侍探しに出ることに。侍探しは難航するが、やがて彼らは盗人を一瞬に退治した侍・勘兵衛(志村喬)と出会う。そして百姓たちに懇願された勘兵衛は、一度断るものの村を守ることを決意する。そこで、勘兵衛はあと6人の侍が必要だと自身の仲間を集める事に。そして遂に、勘兵衛に勝手について来た菊千代(三船敏郎)を含めた7人の侍たちは、百姓たちに戦い方を教え込み野武士たちとの戦いに立ち向かうのだが……。

『七人の侍』のスタッフ・キャスト

『七人の侍』の感想・評価・ネタバレ

  • ベルコモ
    ベルコモ 0 2018年3月6日

    タイタニックとハリー・ポッターとパイレーツ・オブ・カリビアン見てる人の勝ち。

  • southpumpkin
    southpumpkin 5 2017年2月15日

    しばらく忙しく全く映画を鑑賞できず(修士論文の提出)、明けて1本目に絶対観ようと思っていた映画。星5をつける気満々で鑑賞しました。 野武士の襲撃に苦しむ農民が、ほとんど報酬なしという条件で一人の賢い武士に助けを依頼した。慈悲の心から手を助けることになった武士は自分を含め七人の個性豊かな武士たちを集めるのだった。 仲間集め〜戦いの準備、まではその個性豊かな面々を楽しんでいれば良い、いわゆるキャラクターを楽しむ映画です。ただこの描き方には尋常じゃない面白みがあります。誰々がどうで〜、という紹介はほとんどなく、七人の個性をエピソードで巧妙に語る(実は一人だけあまり語られないのですが、その理由が最後にわかります)。これが全く飽きない。これはもうあらゆるレビューで言われているのでしょうが、まさに組織論そのものです。知性とカリスマ性を持ったリーダーの元に様々な人間が集い、無敵の組織を形成する。ここで三船敏郎演じる菊千代も素晴らしい働きを見せます。遺伝的アルゴリズムで言う"突然変異"そのものです。彼の存在こそが組織を完璧なものにしたに違いありません。 余談ですが、天才剣士が霧の中帰ってくるシーン、これは『マッドマックス怒りのデスロード』でオマージュされていましたね。色々調べると、"奪われた妻"っていうのもFRに似ているという指摘もありました。そもそも物語の構成もかなり似ているのかもしれません。 さて、こんなエンターテイメント性が盛り盛りの映画に全くケチをつけるわけもありませんでした。が星5をつけるには…、と思っていました。最近の星5の基準は繰り返し思い出して、その度に悩める映画、つまり人生における価値観を変える映画にしています。本作は最後にやってくれました。この映画、実はハッピーエンドではないのです。このワックワクが止まらない映画としてはあまりにあっけなくモヤモヤしたエンディング。その原因はこの映画が戦争そのものを題材にした映画だからだ、と気がついて星を5つにしました。平和の下にはたくさんの屍が積み重なっているのです。それは戦争の英雄や、果ては野武士まで。そんなことを知ってか、素直に喜べないモヤモヤしたラスト。この問いかけ、まさに傑作の証です!文句なし!

  • HM world-traveller
    HM world-traveller 4 2017年1月3日

    漆黒の画面に、泥臭くも力強い白い文字。これから始まる野武士と農民と浪人侍の物語に相応しいオープニングタイトル。2017年最初の映画は日本が誇る巨匠 黒澤明監督の「七人の侍」から。数多くの監督・映画人に影響を与えたという あまりにも有名な作品なので映画としての素晴らしさは今さら訴えるまでもない。ここでは個人的に感銘し心に残った点を書き留めたいと思う。 まずは、冒頭でも書いた白黒の映像。迫力と情緒がある。決して 白黒がカラーよりも好きだというわけではないけれど、写真と同様、陰影は白黒のほうが断然美しく独特の味わいを感じる。水墨画のような濃淡だけの世界だから白は白の美しさ、黒は黒の深みがより際立つ。登場人物の佇まいも、煌びやかな映像よりはモノクロにこそピタリとはまり、不思議な力強さを含んでこちらに迫り来る。説明臭漂う長いセリフにあまり心を動かされないのと同じで、色はただ多ければ多いほどいいというわけではないと感じる作品だ。勇壮なのに物哀しい侍のテーマや 不穏な空気を掻き立てる太鼓の野武士のテーマなど、音楽の素晴らしさも見逃せない。 登場人物の個性と溢れる人間味に引き込まれる場面も多い。中でもダントツに好きなのが久蔵。寡黙で多くを語らず、やることはやる。頬がこけた細身の身体から立ち昇る”気”。危険を顧みず 1人 山へ入り複数の野武士相手に闘い、見事「種子島(火縄銃)」を携えて朝もやの中から現れるシーンはとにかくグッとくる。手柄を奢らず 剣豪を鼻にかけず、自分に厳しくただただ剣に命をかける近寄り難い人物かと思えば、実は情けに厚く心優しい男なのも心を掴まれる理由だ。かっこ良過ぎる。 次に好きなのは勘兵衛。彼の「この飯、おろそかには食わんぞ」に みなぎる不退転の決意。危機的状況にも慌てず どっしりと構えた沈着冷静な面持ち、戦略家の彼に見る器の大きさはリーダーに相応しい。そして菊千代。実はキャラクター的には決して好きではないのだけれど、中盤 菊千代が涙ながらに百姓の情けなさ、ずる賢さ、したたかさを ほとばしる激情と共に吐き捨てる場面は そんな生き方をせざるを得ない農民の悲哀が画面いっぱいに広がるようで胸を打った。人を小馬鹿にしたような型破りな あの言動は心の傷を隠すためのポーズなのかもしれない。 ラストのシーン、忙しそうに収穫に励む農民の姿と生き長らえた侍の姿はとても対象的だ。時は戦国時代で侍の時代はこの後 300年近くも続くのに、丘の上の4つの墓を見つめ佇む3人の姿は、やがて無くなる侍の行く末を暗示するかのようで、なんとも言いようの無い儚さと虚無感に近い心象を与えてやまない。このラストを見てから侍のテーマを聴くとそのメロディが一層心に沁みてくる。

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