
『ロープ』とは
ニューヨークのアパートで起こった事件を大学教授が解き明かすサスペンス・スリラー。実験映画の巨匠アルフレッド・ヒッチコック監督が、映画と現実の時間の同時進行をワンシーン=ワンショットで撮りあげた作品。
『ロープ』のスタッフ・キャスト
『ロープ』の感想・評価・ネタバレ
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撮影技法の勉強になる映画
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今では映画としての完成があると言っていい長回し。その撮影技法に早くから目をつけたのがアルフレッド・ヒッチコックでした。全編長回し(実際の時間経過と同じくする)というチャレンジングなサスペンス映画です。ただ他評にもあるように、それほど長回しという撮影技法が作品にとって効果的であるようには思えませんでした。現在のあまりにクオリティの高い長回し映画やそうでない映画を見過ぎたせいなのでしょうか、どうも本作は後者にカテゴライズされると思います。 ではサスペンス映画としてはどうか。二人の男が棚に死体を隠し、それを横にした上に料理を並べ人を呼びパーティーを始めます。殺人の動機は自らの頭の良さを証明するため。様子のおかしい二人を見て、かなり遅れて登場してきたジェームズ・スチュワート演じる男が謎を解いていきます。なんとも奇妙な物語です。ミステリ色は薄め。奇妙な撮影技法で、奇妙な脚本の映画を撮ったということでしょうか。飽きなかったのと、歴史的価値も加味して星3.5です。
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ハリーの災難とこの作品は実験精神が強過ぎて ぎこちなく消化不良、影や小道具の上手い使い方にはカット割りは必要かと、、何でもかんでも長回しってのも効果的では無いかな、、そんな議論が昔からされる度に多分当のヒッチコックはこう思ったはず「そりゃそうでしょ!ああ言う撮り方をすれば失敗するに決まってる、お蔭で成功する撮り方失敗する撮り方が分かっただろ?、」多分じゃなく絶対だ、ヒッチコックはヘソ曲がってるし!この映画の作風を誉めたり、けなしたり どっちに転んでもヒッチコックの思い通りなのかも。