
『タワーリング・インフェルノ』とは
世界が震撼した、超高速ビルの火災を描いたパニック超大作。題名『タワーリング・インフェルノ』は英語でそびえ立つ地獄という意味。1970年代のパニックブームの中でも最高傑作と評価されている。1974年のアカデミー賞で撮影賞、歌曲賞、編集賞を受賞し、同年ゴールデン・グローブ賞ではフレッド・アステアが助演男優賞を、スーザン・フラナリーは有望若手女優賞を受賞した。スティーブ・マックィーンやポール・ニューマンなど超豪華スターがそろった大スケールの作品となっている。
『タワーリング・インフェルノ』のあらすじ
サンフランシスコにそびえ立つ138階の超高層ビル、グラス・タワーの落成式の日。その記念すべきパーティの裏では地下にある発電機の故障が原因で、火災が発生していた。異常に気づいた者たちがパーティを中止させようとするのだが、ビルの安全を妄信する社長は聞く耳を立てない。やがてその判断は巨大な炎を生むことになり、ビルは地獄と化すことになる。消防が駆け付けるも既に現状は最悪な状況であった。身近な人々が相次いでなくなっていく。
『タワーリング・インフェルノ』のスタッフ・キャスト
『タワーリング・インフェルノ』の感想・評価・ネタバレ
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あの時代にここまでできるのはすごい ただベタすぎるのと誰に焦点を当ててよいのか分からなかった。
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【地獄絵図の中で描かれる人間性とプロフェッショナルの仕事】 サンフランシスコの街に燦然とそびえる138階建ての超高層ビルの竣工式。オープニングセレモニーに駆け付けた政治家や各界の著名人、地元の名士達。最上階のパーティー会場には、華やかな席に相応しく正装に身を包んだ紳士淑女が集う。誰もがこの後の惨事など想像もしていないが、パニック映画だと知っている私たち鑑賞者は既に固唾を呑んで観ているのだ。 ようやく観た。『ポセイドン・アドベンチャー』と並び称される、あまりにも有名な70年代のパニック映画の超大作。ポール・ニューマンとスティーブ・マックィーンという大スターのダブル主演だということも知っていたけど、実は今回が初見だった。現在の特撮技術や高度なCGを見慣れた目には古く映るのは否めないが、それを差し引いても見応えがある。 生死の淵に立つと人間性が際立って表れるというのは、いつの時代でも変わらない自然の摂理。そのセオリーに忠実過ぎるほど忠実に、利己的な人間は徹底的に利己的に、愛する人がいる人々は自分の身以上にその人のことを案じ、プロ意識の強い誇り高き人々はその信念に基づいて行動を起こす。善人と悪人の描き方がステレオタイプなきらいはあるけれど、死を覚悟せざるを得ない場面だと考えれば それもあまり不自然には感じない。多くのパニック映画に感じることだが、人間は窮地に立たされて初めて自分にとって大事なものが何なのかに気がつくという真実がここにもあった。 フレッド・アステア演じる詐欺師が未亡人の飼っていた猫を渡される場面の虚無感。誰にも知られることなくエピローグを迎える、密かな関係にあった上司と秘書。それが仕事とはいえ命の危険を伴う極めて危険な策の遂行を言い渡され意を決して実行する男達。人々の想いと愛と覚悟が交錯する。 濃い人間ドラマとしての側面以外に、危機管理という観点でこの映画の果たした役割は大きいのではないだろうか。高層ビルが増え、一方でテロのリスクも高まった現在。ここまでの超高層ではないけれど自分もビルの高層階で働く身なので他人事ではない。設計と施工と訓練と日頃からの危機管理意識の醸成が必要だという当たり前のことを強くremindされる映画でもある。 高層ビル「グラスタワー」は架空の建物だが、モデルとなったのは、サンフランシスコに実在するバンクオブアメリカタワー(現 555 カリフォルニア・ストリート)だという。同じサンフランシスコのトランスアメリカ・ピラミッドには行ったことがあるが 展望台は911以来 閉鎖されたらしくシスコの街を最も高い場所から眺めることは叶わなかった。本作はテロによるものではなく、911よりもはるかに前に作られた映画だ。施工問題とテロを同列に扱うことも もちろんできない。が、高層ビルのリスクという意味で最後のマックイーンの警告は奇しくもアメリカ史上最悪の出来事の1つとして現実のものとなってしまったのである。 「今にこんなビルで1万人(多数の人間)が死ぬぞ」 エンタメ要素をふんだんに散りばめながらも、危機管理の在り方を考えさせられる1本。
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超高層ビルで火災が発生し、人々の救出劇を描くパニック映画です。超豪華キャストも見どころ。 9.11の時も中ではこんなパニックが起きていたのだろうか、と実際の事件を思い浮かべてしまい、途中で苦しくなり一旦観るのをやめて休んでから続きを観たほど、惨劇の描き方がリアルでした。 それにしてもポール・ニューマンとスティーブ・マックィーンの共演とは!この2人がカッコよすぎて、シビれました。今の時代にこれだけのカリスマ性を持った俳優はなかなかいないでしょう。 クラシック好きな私は、往年のスター、フレッド・アステアやジェニファー・ジョーンズの姿が見られたのも嬉しかったです。
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