
『柔らかい肌』のスタッフ・キャスト
『柔らかい肌』の感想・評価・ネタバレ
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妻子がいるのに若く美しい女性を追いかけずにいられないおっさんの、身勝手で情けない愛憎心理劇。フランソワーズ・ドルレアックの脚を舐めるように撮った脚フェチぶり、ヒッチコック風にハラハラするサスペンスが巧い。眼鏡や電灯のオンオフ、写真写真!電話電話!って小道具使いや、甘く切ないテーマ音楽が絶妙。窓から見下ろすショットや男の自宅内の高低差が遠ざかる距離感を物語り、映像演出の粋を集めたような映画だった。たぶん、シーツの皺まで演出されてる。でもそれが気障には見えなくて、滑稽なギャップを醸し出してる。男1人と女2人(不倫相手はキャビンアテンダント)が安住の家を求めて彷徨い、結局それを失う話でもあるんだな。 あと、『ピアニストを撃て』にもあったけど、男にストッキングを買って来させるというのは彼を試すトリュフォー的常套手段?(で、律儀に買ってくるんだ)踊るドルレアックの背中が開いた黒いワンピースが素敵。
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超個人的な話、ヌーヴェルヴァーグを築いた巨匠たちの映画は、この作品が観たい!よりも、トリュフォーが観たい!ゴダールが観たい!ヴァルダが観たい!シャブロルが観たい!などということのほうが多いので、『柔らかい肌』ももれなくそんなトリュフォー作品のうちの一つ。つまりズバ抜けて何かが素晴らしいというわけでもない気がするけど…。ルイ・マルの『恋人たち』やロッセリーニの『イタリア旅行』を観るのと同じような気分の時にマッチする作品だと思う。
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トリュフォー。ちょっと恐くてドキドキした。「突然炎のごとく」の方が好き(>_<)