天国と地獄

天国と地獄

1963年製作 日本 143分 1963年3月1日上映
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『天国と地獄』とは

1963年3月1日に公開された『七人の侍』の黒沢明監督による日本映画。児童誘拐をテーマにした刑事ものであり、アメリカの推理小説作家エド・マクベインの『キングの身代金』を脚色して作られた作品となっている。出演者は黒沢作品の常連である三船敏郎、仲代達也など。2007年には佐藤浩市と阿部寛によるリメイク作品も放映された。第18回毎日映画コンクールで日本映画大賞・脚色賞を受賞したほかアメリカ探偵作家クラブが主催するエドガー賞にもノミネートされた。

『天国と地獄』のあらすじ

靴メーカーの専務・権藤の元に息子を誘拐したという知らせが届く。だが、犯人は権藤の息子純ではなく、権藤のお抱え運転手・青木の息子・進一を誘拐してしまっていたのだ。犯人の要求は3000万円だったが、権藤は次の株主総会のために5000万円を必要としている状況だった。会社に必要な金と引き換えに進一の命は救えたが、会社を追い出された権藤。その窮状を見ていた戸倉警部たちは犯人捜しの手を強める。犯人を追って進一が以前監禁されていた場所を突き止めた戸倉たちだったが、そこで男女の遺体を発見する。さらに事件を追ううちに、この事件には麻薬売買もかかわっていることが判明し…。

『天国と地獄』のスタッフ・キャスト

『天国と地獄』の感想・評価・ネタバレ

  • southpumpkin
    southpumpkin 3 2018年7月20日

    大切な契約を控えた靴メーカーの重役の息子が誘拐…、されたかと思いきや一緒に遊んでいた運転手の息子が誘拐される。お金を出し渋る男だったが…。 黒澤明監督によるサスペンス映画。ヒッチコック『ロープ』を思わせるワンシチュエーションスリラーを1時間ほどやった後、一転警察らが犯人を追い詰めていく映画に。三船敏郎演じる男が金を出すか出さぬか、という駆け引きが面白すぎたので後半のどこにでもありそうな犯人追跡シーンは中だるみのような印象に。しかし天国と地獄、というテーマは脈々と感じられます。犯人が見上げる重役の住まいは確かにあまりに尊大で憎しみの対象に成りうる。映画の申すところは、金持ちというのはあくまで結果であり、その前には人物の人間性があるというところ。立派な人間たるものは立派なのです。その逆も然り。 煙突から煙が出るシーンは思わず声が出ました。調べてみると本作がこのアイディアの源泉だそう。『シンドラーのリスト』?いやいや『ムカデ人間2』です。 麻薬中毒者たちが屯する街並みの退廃的な雰囲気や、ニヒルな面した犯人によるラストシーンが非常に面白い。古典映画という枠に入れるには惜しいエンターテイメント性抜群の映画です。

  • Junichi  Nakamura
    Junichi Nakamura 0 2017年10月11日

    20171010 TOHO 上大岡

  • めちつ
    めちつ 4 2015年9月21日

    初黒澤明監督でした. 「身代金を受け渡すのがこだまだったけど、こだまは新幹線が開かないはずだよ」「でも当時はまだこだまは開通してなかったんじゃない」という父母の会話がきっかけで視聴するに至りました.犯人役の役者さんについて「この人『日本で一番長い日』鈴木貫太郎やってた人だよ」と言われてびっくり…。 「夏は暑くて、冬は寒くて寝られやしない」と高台に住む靴屋の社長息子を恨んだ男の目がぎらついたり、髪の毛に何か付いてたんでしょうか、てらてら光る反射が黒色と相まってより緊迫した画面を構成しているというか。 犯人からの電話に出る権田に寄り添う奥さんのしなった線とはらはらした瞳がうつくしい、と感じました. 撮影した当時は冬で俳優さんはみな、白い息が出ないように口に氷を含んで撮影に臨んでいたようです.

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