天国と地獄
天国と地獄
1963年製作 日本 143分 1963年3月1日上映
rating 4 4
36 6

『天国と地獄』のsouthpumpkinの感想・評価・ネタバレ

southpumpkin
southpumpkin 3 2018年7月20日

大切な契約を控えた靴メーカーの重役の息子が誘拐…、されたかと思いきや一緒に遊んでいた運転手の息子が誘拐される。お金を出し渋る男だったが…。 黒澤明監督によるサスペンス映画。ヒッチコック『ロープ』を思わせるワンシチュエーションスリラーを1時間ほどやった後、一転警察らが犯人を追い詰めていく映画に。三船敏郎演じる男が金を出すか出さぬか、という駆け引きが面白すぎたので後半のどこにでもありそうな犯人追跡シーンは中だるみのような印象に。しかし天国と地獄、というテーマは脈々と感じられます。犯人が見上げる重役の住まいは確かにあまりに尊大で憎しみの対象に成りうる。映画の申すところは、金持ちというのはあくまで結果であり、その前には人物の人間性があるというところ。立派な人間たるものは立派なのです。その逆も然り。 煙突から煙が出るシーンは思わず声が出ました。調べてみると本作がこのアイディアの源泉だそう。『シンドラーのリスト』?いやいや『ムカデ人間2』です。 麻薬中毒者たちが屯する街並みの退廃的な雰囲気や、ニヒルな面した犯人によるラストシーンが非常に面白い。古典映画という枠に入れるには惜しいエンターテイメント性抜群の映画です。