復讐するは我にあり

復讐するは我にあり

1979年製作 日本 140分 1979年4月21日上映
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『復讐するは我にあり』とは

第74回直木賞を受賞した佐木隆三の同名長編小説を映画化したものであり、5人を殺害し逃亡を続けた「西口彰事件」を題材にしたノンフィクション映画。 監督は『楢山節考』などでカンヌ国際映画祭のグランプリを2度受賞した、日本を代表する映画監督の一人・今村昌平が務め、主演には『鬼畜』の緒形拳が起用された。共演には三國連太郎、ミヤコ蝶々、倍賞美津子らが名を連ねる。 本作は映画化にあたり、今村昌平のほか黒木和雄、深作欣二、藤田敏八ら一流の監督陣が映画化に名乗りを上げ、その権利を競い合ったことでも当時話題となった。

『復讐するは我にあり』のあらすじ

昭和39年1月4日。78日間の逃亡の末逮捕された指名手配犯・榎津巌が護送車で運ばれ、その本格的な取り調べが始まった。 昭和38年10月18日、榎津は顔見知りだった専売公社の集金係2名を殺害し現金を強奪、逃亡を開始する。警察の調べで捜査線上に榎津の名前が挙がると、警察はその実家に赴き聞き込みを開始した。 実家では榎津の父母が旅館を経営しており、榎津の妻・加津子もそこで暮らしていた。しかし、敬虔なクリスチャンである父を榎津は毛嫌いし、逆に妻・加津子は義父を敬愛し心酔しているという。その様子に榎津は父と加津子に男女の関係を疑い家に寄り付かなくなると、女のところを渡り歩きながら生活し、放浪生活の果てに今回の事件を起こしたのだった。 逃亡を始めた榎津は各地で詐欺を働きながら生活資金を稼ぎ、浜松の売春宿「あさの」に辿り着く。そこで知り合った女将のハルと榎津は深い関係となっていった。 だがある時、2人で訪れた映画館内で偶然流れたニュースによってハルは榎津の正体を知ってしまい、榎津は自分の身を守るため最悪の選択をするのだった……。

『復讐するは我にあり』のスタッフ・キャスト

『復讐するは我にあり』の感想・評価・ネタバレ

  • 錆犬

    2018/09/05 Primeビデオ

  • southpumpkin
    southpumpkin 3 2018年3月4日

    連続殺人を犯して逃亡した男が捕まった。男がいかにして犯行に及んだか、その理由について複雑なモノローグ形式で語られるサスペンス映画。 公開当時、非常に高い評価を獲得した本作。その理由について少し考えました。おそらく犯人像にあるのではないかと思います。冷静沈着かつ知的でありながら同時に凶暴性を内包するキャラクターは今でこそありがちですが、当時としては異質だったのでは。殺人を犯す者は馬鹿で見た目にもすぐ分かる、という固定観念があったのではと思います。本作の主人公は人々を巧みに操り何事もなく殺人を犯す。「自分でもよく意味がわからない…」というセリフがあるように、常人には理解しがたい論理で犯罪を重ねます。その姿はさながら悪魔のよう。緒形拳による狂気の演技により映画のクオリティが格段に上がっています。日本映画史が生んだ稀代の悪役です。 演出の巧みさは見事。多くの殺人を犯しますが、実際に犯行現場を映しているシーンは少ない。オープニングと最後くらいです。気づいたら死んでいる。犯人は動揺も何もしていない。よくできてるなあと思います。競艇のシーンはもう絵かなと思いました。

  • Yuzukappa
    Yuzukappa 4 2017年7月13日

    すごかった。 自分の問題意識とも重なってクリティカルヒット! 私たちの感覚を超越した狂った人間をどう見るか。 この問いにキリスト教要素が入ってきたのも当然といえる、すなわち、人の罪を贖う神の教えや、人間はみな罪人だというメッセージがこの話にとてもいいアクセントになるのだ。 誰か狂った人の報道を見るとき、私はどうしてこうなったとか、生い立ちが、とか私たちの世界の中で彼らを理解しようとする。しかし実際、全く理解できない人間がこの世にはいる。この映画ではその人間の生活を垣間見ることができる。緒形拳の、言葉にすればチープだが、リアリティのある芝居に魅了されるのだ。 神に許してもらおうと思わん。 このセリフでもうこの人は終わりなのである。 映画館でのニュース映像のシーン、最初に殺害シーンを見せるのに、最後は端折る演出の妙、弁護士のとこ最高だった。 福岡弁とキリシタン、酒と女と雨、臭いまで伝わってきそうな画面に人間を描き切った今村昌平監督の情熱をみた。 でんでんもジョーカーも榎津巌にはかなわないなぁ、、。

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