血染海棠紅

香港
rating 3.5 3.5
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「血染海棠紅」の感想・評価・ネタバレ

  • changpian
    changpian 3.5 2012年8月3日

    正式にソフト化されたことはないと思われるが、秘蔵ビデオで鑑賞。台湾の国家電影資料館にはビデオがある。まだ中華人民共和国ができる前の香港映画(1949)。北京語映画であり、当然上海からの移住組で作っている。主演の白光と龔秋霞、陳娟娟がそれぞれ一曲ずつ歌を披露する。白光の唱う「東山一把青」は白先勇の小説『台北人』でも使われているが、むしろ他の二人のほうが歌がうまいぐらいだ。(白光は白光で独特の魅力があるが。)  これらの女優陣だけでなく、主演の厳俊も、監督の岳楓も、その他のスタッフ・キャストもみんな上海からの移住組である。左傾化する前の長城影業公司、社長は日本支配下の上海映画の中国側ボスであった張善琨である(長城はその後左傾化し、張は追い出されることになる)。  映画の見所はもちろん白光。ファム・ファタールという言葉が甘く感じられるほどの、正真正銘の悪女を演じている。盗賊をしていたものの家族のために足を洗おうとする夫、厳俊。それを裏切って情夫の元に走り夫を陥れる妻、白光。そしてその情夫を殺してしまい、盗みの罪と併せて無期懲役に処せられる夫。警察長のもとで育てられた娘が結婚することを知り、ゆすりに現れる妻。それが許せず脱獄する夫。最後は元妻は追い詰められ、転落死してしまう。夫は、娘の結婚式を見届け、刑務所に帰っていく。  張善琨はこのストーリーをよっぽど気に入っていたのか、数年後に新華で李麗華主演でリメイクしている。白光の悪女ぶりを李麗華がどのようにして突破しているのか、こちらも見てみたいものである。  ところで『曼波女郎』(1957)を語る際に、養女が実母を捨て、養父母を取る、というストーリーが、香港への移民が大陸を捨て香港に根を生やそうとすることを表している、という解釈はもはや定説になっているだろう。だが、この映画も養女が実の父母と離れて自立するストーリーになっている。まだ内戦中に撮られたこの映画、もちろん香港に根を生やす、というような隠喩を意図したものではないだろうし、舞台となる都市も、どこであるのかはぼんやりしている。ただ、このような養父母ものが流行したのは、戦乱が背景にあることは間違い無いだろう。  最後に、我がコレクションより特刊の画像です。 http://ow.ly/i/ONoy

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