ミッドナイトエンジェル ~暴力の掟~

第一類型危險
香港
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「ミッドナイトエンジェル ~暴力の掟~」の感想・評価・ネタバレ

  • changpian
    changpian 4 2012年8月9日

    日本製DVDで鑑賞(画質は悪い)。徐克ツイ・ハーク監督の初期作品(1980)。英国当局から、1966年の暴動を想起させるとの理由で上映禁止、改訂版が上映されたといういわくつきの映画。これまで見る機会がなかったが、これは凄い。オープニングから息をつく暇もない展開。猫を投げ落とすシーンなど、目を覆いたくなる描写の連続。ショウ・ブラザーズでは、かわいこちゃん役が多かった林珍奇だが、ここでは若さを持て余したかのような不良少女っぷり。これが意外と板についている。どちらかというとおとなしく良家の子弟だった三人組が、林珍奇との出会いによって逸脱し、それが武器密売組織に狙われるようになり、破滅の道へ、というのが主なプロットだが。このなんとも言えない閉塞感はどうだろう。これ以降の香港ニューウェーブ映画(香港ノワールを含む)につながっていく、スピード感と救われなさ。まあストーリーに落ちをつけないところも典型的な香港映画であるが。この映画からはニューウェーブの夜明け(梁普智、岑建勳、徐克が揃って出演)と、70年代的香港映画の終焉(ショウ・ブラザーズのスターだった林珍奇、羅烈はあっさり死んでしまう)を象徴する意義が感じられる。  DVDパッケージは、林珍奇をリン・チーチンというでたらめな名で記してあり、また「ポールが組織に捕まり、惨殺される」と事実に反することを記してある。久しぶりに『月刊イメージフォーラム 11月増刊号 電影ニューシネマ<中国・香港・韓国・台湾>映画の新世代』(1988)を引っ張りだしてみると、そこにも林珍奇にリン・チーチンというルビが振られている。また、『ミッドナイトエンジェル ~暴力の掟~』という邦題は80年代当時に発売されていたビデオで既に使われていたことも分かる。  さて、この映画は昨2011年、香港の百老匯電影中心でディレクターズカット版が公開され、その内容は幾つかの(中国語、日本語)ブログに記されている。それによると、三人組が林珍奇に脅されて彼女に付き合うようになったのは、映画館で彼らが仕掛けた爆弾騒ぎを脅されたためであるという。だが、DVDでは、ひき逃げを見咎められたことになっている。映画館の爆弾騒ぎもチラッと映るのだが。これはやはりイギリス当局が学生運動への連想を危惧して改めさせたものであろう。

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