黒森林

黑森林
香港・台湾
rating 3.5 3.5
1 0

「黒森林」の感想・評価・ネタバレ

  • changpian
    changpian 3.5 2012年12月16日

     1964、香港=台湾、袁秋楓監督。台湾製ビデオで鑑賞。香港のショウ・ブラザーズが台湾に乗り込み、台湾の中影の協力のもとで撮られた映画。中影からは唐寶雲、武家麒らも出演している。台湾ロケをしたショウ・ブラザーズの映画は少なくないが、これは原住民を描いた大作として、翌年の『蘭嶼之歌』と並んで重要である。  ストーリーは単純。張冲演じる張長河は山林に労働者としてやって来る。そして原住民の娘、美甸娜(杜娟)と知り合い惹かれ合う。一方、彼女にちょっかいを出そうとした不良・金家駒を追い払った彼は復讐に遭い負傷する。その不良こそ彼の働く伐採場の金オーナーの息子だった。オーナーに呼び出された張は、オーナーに認められ、その娘・鳳珠(焦姣)からも好意を寄せられる。鳳珠の策略と誤解により、美甸娜は家駒に嫁がされそうになる。その後、家駒、鳳珠兄妹は良心の呵責を感じ、張冲と美甸娜を引き裂くべきではなかった、と感じるが…。  これに加え、伐採場の物資の横流し、のちには窃盗、放火を行う悪役(唐菁)が登場し、主人公を苦境に追い込む。だが、映画の予定調和的な印象は否定できない。  焦姣は台湾で活動していたのだが、この映画がきっかけになったのか、翌年から香港に移り、ショウ・ブラザーズで活躍する(最近も香港映画『盗聴犯 狙われたブローカー』(竊聽風雲2)に出演していた)。一方、スタッフで特筆すべきは何と言っても作曲担当の周藍萍である(香港電影資料館のデータでは、作曲・周藍萍、音楽・王居仁としているが、特刊では、作曲・音楽ともに周藍萍とされている)。もともと「綠島小夜曲」などを台湾で作曲していた彼は、この時期から香港に進出しており、前年の香港黄梅調映画『梁山伯與祝英台』は、台湾で空前のヒットとなった。この『黒森林』での音楽の使われ方も黄梅調映画に類似しているが、メロディにおいては黄梅調独特の要素は排除されている。(おりしも現在台湾大学において周藍萍についての展覧会が開催中である。)  原住民の描写もステレオタイプを抜け出ておらず、また最終的に彼らが漢民族の庇護のもとで共存共栄していくというストーリーからは、ある種の政治的意図を読み取ることも可能だろう。  最後に、特刊の画像です。http://ow.ly/i/1fOeA

「黒森林」に関連する作品