
『バーニーズ・バージョン ローマと共に』のスタッフ・キャスト
『バーニーズ・バージョン ローマと共に』の感想・評価・ネタバレ
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70年代のローマで過ごした若き日と現在を行き来しつつ(とはいえローマはタイトルにするほどじゃない)、ややミステリータッチの回想形式が1人の男の女性遍歴になっていて、ハゲおやじでも記憶ではドンファンさながら。この情熱的だけどいつも間が悪いユダヤ人バーニーの底知れない複雑さ。業と孤独の深さ。狡猾なのに純粋で、滑稽なのに哀しくて、不幸というほどでもないが幸福でもない。ポール・ジアマッティはシェイクスピアの悲劇役者のよう。誰もみな悲哀にあふれたドラマだった。老年期まで自然にこなしたロザムンド・パイクの落ち着いた声色もすてき。ダスティン・ホフマンには途中まで気付かんかった…。
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地味な映画ながら、これ、良かったです。 主演はポール・ジアマッティ。それだけでもちょっとマニアックですが… 三度結婚した、バーニーズの生涯の物語なのですが、 なかなか見応えありました。 ちょっとせつなくも暖かい終わり方もよかった。
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単館でほぼ1週間で上映終了なんてもったいないくらいの良作。 一人のユダヤ人男性の人生遍歴でサブ・タイトルにあるローマはあまり重要ではないです。とにかくこれでゴールデン・グローブ主演男優賞を獲ったというジアマッティが魅せる。若く血気盛んな頃から死期が迫る晩年まで、その存在感に圧倒される。 好きなように生きてきたけどたったひとりの大切な人を(自分の過ちで)手放してしまった、その悲しい結果に胸が締めつけられる。 そして男はロマンチストなんだなあとしみじみします。