
『エイジ・オブ・イノセンス/汚れなき情事』の感想・評価・ネタバレ
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ソウル・バスのタイトルバック、流れるように室内を動くカメラ、雪景色、豪華な美術セットと贅沢な料理、官能的な手と手。19世紀NYの上流社会の大河メロドラマが、ひたすら絵画的にロマンティックに撮られてる。叶わぬ愛に焦がれた男の人生にアメリカの青春時代の輝きと終わりを重ねて、まるでヒッチコックやヴィスコンティを意識したスコセッシ版の『グレイト・ギャッツビー』みたいだ。そういやスコセッシってオペラ風に大仰な演出の人だったよ。コッポラは作品そのものがオペラだけど、スコセッシは道具としてオペラを使う。そんなハッタリ的ケレン味は好物だし、街を歩く紳士集団の画はすごく良かった。 生殺しで心悶えるダニエル・デイ=ルイスも、陶器人形みたいなウィノナ・ライダーも、当時ははまり役。デイ=ルイスの長い手指がきれい。但し、肝心のミシェル・ファイファーが上流階級に全く似合わず…。でも主役はイノセンスな時代のNY。スコセッシ自身のルーツと憧憬を、贅を尽くして美しく儚く見せる絵巻物であった。
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2004.9月以前に鑑賞
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マーティンスコセッシの映画は本当にハズレなし。 この映画も特にあっと驚く展開がある訳ではないのに、所々で巧いなー思わせられる場面が多々ありましたね。 個人的にはもっと評価されてほしい一本。