三姉妹 ~雲南の子

THREE SISTERS
0000年 香港・フランス
rating 4 4
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「三姉妹 ~雲南の子」のスタッフ・キャスト

「三姉妹 ~雲南の子」の感想・評価・ネタバレ

  • changpian
    changpian 4 2013年6月2日

     映画の日、梅田ガーデンシネマで鑑賞。劇映画『無言歌』のあと、ドキュメンタリー映画へと戻ってきた王兵監督作。  ロケ地は雲南省東部、四川省との境に近い標高3200メートルに位置する村。雲南では漢民族は低地に住むことが多いので、少数民族の村かと思いきや、漢民族の村だという。  母は蒸発し父は出稼ぎ。10歳、6歳、4歳の三姉妹。なんとも過酷な環境だ。戻ってきた父は下の二人を連れて出稼ぎに行き、さらに出稼ぎを諦め、世話係の女性(≒再婚相手)とその連れ子を連れて戻ってくる。  小型デジタルカメラだけで録ったという音がリアルだ。少女の咳き込む音、各種動物の鳴き声、テレビの音、風の音。雲南名物の水タバコの煙管、低い木の椅子なども映る。山道を走るバスがクラクションを鳴らすのも、雲南の調査ではお馴染みの風景だ。  それにしても、父が出稼ぎを諦めて帰ってくるまでは、家には電気もない。作物も育たず、じゃがいもで飢えをしのぐ(段々畑も見えるが、雲南元陽の棚田のような立派なものではない)。友だちの男の子の家も、母親が蒸発しており、糞拾いをして生計を立てている。村長が政府の援助政策(村の移転補助?)を述べるが、それを受けるにも各自の負担が必要で、困難な状況に変わりはない。  村に一人取り残された長女インインの姿が中でも印象的だ。近くの子供・嬌嬌との諍い。買いたいものが買えず校門前に一人佇む姿。そして学校の授業で身を乗り出す姿。その他のシーンでも、知識(特に読み書き)への意欲が見て取れるが、この学校のシーンは、やはり雲南でロケをした陳凱歌の『子どもたちの王様』よりも、はるかに心に響く。  ラスト・シーン近くで次女が歌うお母さんの歌も印象的。蕭芳芳が1960年の香港映画『苦兒流浪記』で歌い、中国語圏に広く伝わった「媽媽好」だ。二番の歌詞は歌われていなかったと思うが、「お母さんのいない子は草のよう、お母さんの懐から離れて、どこに幸福を探せばいいの」と続くことを思うと、痛々しい。  これは、リアルでより深刻な『子どもたちの王様』であり、現実の『苦兒流浪記』なのだ。 

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